- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784408535746
感想・レビュー・書評
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あの世とこの世、過去現在、どっちつかずの世界が行ったり来たり交差する。時空を超えることができたらこんな感じかなあ。タイトルのかえる、は「還る」を感じました。
継母とのすれ違い、繋がらなかった少年の心を描いた、「翔る少年」は良かった。これはもしかしたら、と予測できる結末に、儚くて、でも現実はこうなんだと。
「夜、あるく」、最後は亜希子と寺田さんの会話に自分も交わっている感覚になった。
ートランプだって、伏せられたカードが配られているときが一番わくわくするでしょう?
図書館で乾ルカさんのコーナー(数冊)がずっと気になっていました。お名前から伝わるきらめきさに引き寄せられていた。こういう出会い大切にしたい。世代が近いという所で安心(心情的に共感する部分が多く)して読めた気がする。
胸に抱えてきたものと向き合う年齢になってきたのか。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
あの世とこの世、過去と現在が交錯する6つの短編集。
特に気に入ったのは
【真夏の動物園】【翔る少年】【夜、あるく】の3作。
どの作品も登場人物の人柄が素敵で、切ないストーリーなのに何故か心は温かくなる。
私は"あの日"に帰ることができるとしたら、いつを選ぼうか…自分の過去を見つめるきっかけにもなった。
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はじめての乾ルカさん。すごく良かった。
この本を読むと誰にでも「あの日」ってあるんだなと改めて思う。あの日に戻れたら、今度はどんな風に行動するのか…6つの短編はどれも、とても身につまされるようなヒリヒリするようなストーリー。
表題の「あの日にかえりたい」は純粋な夫婦愛のストーリー。石橋老人は側から見たらどうしようもない夫だったけど妻への愛は痛々しいくらい純粋。思いが叶ってほしい。 -
今までで一番星の数が難しい作品でした。迷ったからには、満星をつけなければ失礼かなと思いました。さりげないやさしさに惹かれる作家さんです。
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視点に驚いた。読んで見れば不思議ではないけど気づかなかった。
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亡くなった人は時間軸の観念がなくて越えて過去も未来も行き来するという説に基づいた短編集。
読みやすい文体で簡単な説明で状況、情景がイメージ出来る。
が、お話の内容はどこかで読んだこと見たことあるようなものばかりで新しさはない。
こちらを泣かせてやるという意気込みが見えてしまって泣けない。
書く力があっても物語を考えるのは難しいのね~という感想です。 -
誰しもが持つ人生の分岐点「あの日」。今を生きている者と、あの日から時が止まってしまった者との時空を超えた交錯が奇跡を生みます。それは希望に続く道筋でもあれば、もう時を刻むことのない過去への懺悔でもあり、ひとつひとつの物語に感慨深くしみじみと読みました。それぞれが二度と戻ることのないあの日に触れて思い寄せます。そこには懐かしい切ない気持が静かにたたえられていくのです。特に「翔る少年」は互いの果てしない優しい思いが悲しくなるくらい伝わって大きく気持ちを揺さぶられました。他「へび玉」「夜、あるく」が好き。(2010年7月読了)
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時空を越える不思議な話の短編集。どの話も哀しいような、でも心のどこかがほっこりするような、なんとも言えない読後感でした。良かったのは「真夜中の動物園」と「翔る少年」。「翔る少年」は、またしても涙・涙でした。涙腺弱すぎだわ(^^;;
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短編集。
当たり前だけど意識していない、死が近くにあるということ。
今が尊い時間なんだということを、再認識させられました。
特に好きなのは「翔る少年」、最後の「夜、あるく」も割と好きでした。
奇しくも本日は成人の日という事で、大人になるまで育ててくれた親に感謝し、これまでのご縁に感謝し、命を大切にする気持ちを忘れずにいようと、自分に言い聞かせます。 -
短編集。亡くなった人に会えたり、不思議な体験をしたり。
「真夜中の動物園」「翔る少年」「あの日にかえりたい」が好き。