ビタースイートワルツ Bittersweet Waltz

著者 :
  • 実業之日本社
3.51
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本棚登録 : 489
感想 : 84
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408536460

作品紹介・あらすじ

2000年、北千住の"弓島珈琲"。店主の私(弓島大)を過去の事件から救ってくれた恩人で、常連客でもある三栖警部が失踪。三栖さんからとおぼしきメールには"ダイへ"とだけ。私と常連の純也は、早速探索に乗り出す。一方、私が過去に巻き込まれた事件に関わることになったあゆみは、女子大生となり、"弓島珈琲"へ出入りする。そのあゆみが、親友と連絡が取れないというのだが…。

感想・レビュー・書評

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  • 何だかんだで読んでいる、“弓島大と珈琲店シリーズ”第3弾。

    <弓島珈琲>の店主・ダイこと弓島大の家に下宿している、刑事の三栖さんが行方不明に。
    時を同じくして、常連客の一人で過去にダイ達に救助されたことのある女子大生・あゆみが、彼女の友人と連絡が取れなくなったと言ってきて・・・。
    シリー2作目の『Coffee blues』から9年後との事で、ダイは39歳になっていて、彼の周りにいる面々も年齢を重ねております。前作では中学生だったあゆみも大学生になっていて、17歳も年上のダイに思いを寄せている様子。
    さて、一見関係なさそうな三栖さんとあゆみの友人・梨香という二つの失踪が、調べていくうちに意外な繋がりを見せて、点と点がバンバン繋がってくるという流れは、若干都合良すぎな気がしないでもないですが、ついつい引き込まれてしまいます。
    浮かび上がってきた背景には暴力団や麻薬が絡んでいて、シリアスといえばシリアスなのですが重い感じにならないのは、ダイとその仲間たちがいい感じに協力し合っていて、“あーでもない、こーでもない”と真剣なんだけどどこか楽しそう(?)な部分があるからかな。と思いました。
    個人的に注目したのは、過去に薬物売買でダイの元恋人が死に至る原因となった人物・橋爪さんが、めっちゃ更生していて、今回の事件解決仲間の一員となっていた事ですね。勿論、彼は重い十字架を今後も背負って生きていくことになると思いますが、まっとうに歩んでいってほしいです。
    話は終盤で一気に解決に向かうのですが、割と肝心な部分がぼやかされているので、そこはちょっとモヤっとしました。(『Coffee blues』のレビューでも同じような事書いた気が・・このシリーズのお約束なんかな)
    とはいえ、ラストは大団円で三栖さんお幸せに!という事で、“仲良きことは美しきかな”ですね。

  • 東京・北千住で《弓島珈琲》を営む弓島大(通称ダイ)
    ダイは昔、恋人の吉村夏代が、
    薬物を過剰摂取で死亡する事件があった。
    一時ダイは、犯人として逮捕されるが
    刑事の三栖に救われる。
    会社を辞め自宅を改装して喫茶店のマスターとなった。
    店では、元女子プロレスラーの丹下さんが
    カウンターを切り盛りしている。
    恩人の刑事の三栖はダイの家で居候をしている。
    ある日、三栖の部下の甲賀が店にやって来る。
    三栖と連絡が取れなくなっている……。
    甲賀の携帯にメールがあった
    『ダイへ』
    『ダイへ。淳平たちは元気か』
    三栖は何処に消えたのか……。

    シリーズ3作目
    『コーヒーブルース』の9年後を描いてる。
    大好きな作品だったから、続編が読めてとっても嬉しかった。
    しかし、1作目を読んでいない…
    読まなきゃ…でも、これを最初に読んでも楽しめそう。
    またまた、ダイの元に二つの事件が起こります。
    関係無い様な事件が実は一つに絡まってた。

    ダイさんや三栖さん丹下さんは変わって無かった。
    純也やあゆみちゃんが大人になってた。
    ダイさんも三栖さんにも恋の気配が…( *´艸`)
    今回は、刑事の三栖さんの高校・大学の親友の話
    三栖さんと松木さんの互いの思う心がとても素敵だった。

    ダイさんの周りの人々も温かかった。
    大家族のような仲間意識で事件を解決していく。
    下町のあったかい空気感
    ほんわかしてて、とっても良かったです

    三栖さんも再婚したし、次回はダイさんの幸せ見たいなぁ

    • hs19501112さん
      ちょうど今日、読み終えました。
      僕も「モーニング」をすっ飛ばして(ナンバリングしてくれてればいいのに…と愚痴りつつ)「コーヒーブルース」を...
      ちょうど今日、読み終えました。
      僕も「モーニング」をすっ飛ばして(ナンバリングしてくれてればいいのに…と愚痴りつつ)「コーヒーブルース」を先に読んでしまっていたクチです(笑)。

      ちゃんと(?)その後「モーニング」を経てからこの本にたどり着いたんですが、

      「前作を読んでなくとも楽しめる」とは、僕も自信をもって言える作品です♪
      2019/07/31
  • 三栖さんが失踪?!今回もまたまったりとしたお店の雰囲気とは異なり、物騒な事件が起きそう。というか、起きた。起きそうというのは変だけれど、だんだんと事件色が強くなって、結末は三栖さんも戻ってきてめでたしめでたしなんだけれど、ビター感が残る。

  • ダイシリーズ3
    三栖刑事の失踪と大学生になったあゆみの親友の音信不通。
    C0093

    ミートソーススパゲティが食べたくなる

  • このシリーズにハマりつつある。ミステリとして考えたらちょっとご都合主義的な気もしなくもないけど、どちらかというとストーリーとキャラを楽しむ方が勝ってる気がするので問題なし。

  • またダイたちに会えて嬉しい!このシリーズのキャラはみんなすき!
    今回も2つの事件が絡み合う。みんなで謎を解いて少しずつ解明していくのがおもしろい。最後までドキドキしながら読んだ。
    ラスト、みんなの幸せなシーンで終わってよかった。
    今回から仲間に加わった橋爪さんも憎めない。これからもダイたちと一緒にやっていってほしい。

  • 安定の小路幸也。

    三栖さん、格好良し♪

    あゆみちゃん、大きくなったねぇ。
    そして、大人の女性として綺麗になったのね♪

    純也、イイ感じ。

    ダイが橋爪さんを「信用できる人です」と評することができる心境だけは理解できないけれど……(苦笑)。

    ★4つ、8ポイント半。
    2019.07.31.古。

    ※友達って、いいものだねぇ。人情って、いいものだねぇ。
    ・・・と、小路作品を読むたびに思わせられる。

    ※そしてこのシリーズを読むと、美味しい珈琲を飲みたくなる。

    ※そして、そして、丹下さんのミートソースが食べたくなる♪

    • しのさん
      こんにちは(*´▽`*)夏にコメントを下さっていたのですね。全く気付かずごめんなさいね。皆大きくなってましたね~年月を感じました。今度はダイ...
      こんにちは(*´▽`*)夏にコメントを下さっていたのですね。全く気付かずごめんなさいね。皆大きくなってましたね~年月を感じました。今度はダイさんの幸せな姿みたいなぁ。
      2019/11/04
  • ダイ、他前回の事件の登場人物たちもそれぞれ素敵に年を重ねている感じ。
    三栖警部の失踪とあゆみちゃんの親友梨香ちゃんの失踪で始まる謎を、ハッシーさんはじめ個性派メンバが解決していくのを楽しく読めた。
    バックに珈琲、ミートソースの薫りがあって、テンポがいい感じ。
    次回作ではダイさん結婚しているかな・・・

  • 「仲間」とか「友情」とか、この年になると、なかなか恥ずかしい言葉を素直に口に出し、文字にできるのは小路幸也さんの作品だからかもしれない。

    親友と呼べる友人はいる。

    若い時と違って、しょっちゅう会えるわけではない。

    というか、一年のある期間にまとめて会い、無事生きていることを確かめ合うという間柄だ。

    それでも、大切な人には変わりない。



    舞台は2000年の北千住。

    前作から9年が過ぎ、ダイも39歳になった。

    スイートな味ばかりではない、ビターという味もわかってくる年齢だ。

    若者は大人になり、大人は少々年を取ったが、「弓島珈琲」に流れる空気は変わらない。
    人のつながりも、そして心模様も。

    ただ、愛犬のクロスケが死に、代わりに猫がクロスケの名前を継いだ。

    そして、刈田さんが胃がんの手術を受けたことが、切ない。

    前作は高校生だった純也も、今は、ゲームクリエイターとして活躍中。香世は結婚した。

    ダイが救ったあゆみも、もう、女子大生。
    あゆみにとってのヒーロー、ダイに恋している。

    「弓島珈琲」のおっかさん、丹下さんや三栖さんが相変わらずなのは嬉しい。

    だが、今回は、その三栖さんにトラブル発生だ。


    三栖さんの部下、甲賀という女性がダイを訊ねてくる。

    三栖さんが行方不明なのだという。
    そういえば、ここのところ戻ってきていない。
    刑事という職業柄、気にしていなかった。

    甲賀の携帯に一通のメールが入る。
    「ダイへ」としか記されていなかった。

    このメールは一体、誰が送ったものか、
    三栖さんの行方不明と関連があるのか。

    時を同じくして、あゆみの友達とも連絡がとれなくなったという…。

    バラバラに起こる出来事が、ダイたちが動くとともにまとまっていく。

    三栖さんの行方不明には、彼の中学時代からの親友、松木という男が関わっていることが判明。
    彼の役割は何なのか。


    作品の中では、BGMのアーティストの名前がずらずらと

    出てくる。

    エルビス・プレスリー、クリス・レア、ロッド・スチュワート、ディオンヌ・ワーウィック、トム・ウェイツ…。

    知っているアーティストは懐かしく、知らないときは、
    その曲を聞きたいと思う。

  • コーヒーブルースから1週間くらい間をおいただけで読んだら、作品の中は9年も経っていてビックリ。ダイのイメージは変わらないものの、苅田さんが病気になってたり、かよちゃんが結婚してたりと月日の流れを感じた。自分の9年後に思いを馳せてみたりもした。焦らないでその位長いスパンでなにかやってもいいかななんて思ったり。
    三栖さんが行方不明になり、なにが起きているのかサッパリ分からない状態がかなり続くのがもどかしい。でも最後丸く(?)おさまったから良しとするか…。それにしても「モーニング」読んでないから読まねば!

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著者プロフィール

1961年、北海道生まれ。広告制作会社勤務などを経て、2002年に『空を見上げる古い歌を口ずさむ pulp-town fiction』で、第29回メフィスト賞を受賞して翌年デビュー。温かい筆致と優しい目線で描かれた作品は、ミステリから青春小説、家族小説など多岐にわたる。2013年、代表作である「東京バンドワゴン」シリーズがテレビドラマ化される。おもな著書に、「マイ・ディア・ポリスマン」「花咲小路」「駐在日記」「御挨拶」「国道食堂」「蘆野原偲郷」「すべての神様の十月」シリーズ、『明日は結婚式』(祥伝社)、『素晴らしき国 Great Place』(角川春樹事務所)、『東京カウガール』『ロング・ロング・ホリディ』(以上、PHP文芸文庫)などがある。

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