三人屋

著者 :
  • 実業之日本社
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408536675

感想・レビュー・書評

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  • 三姉妹が同じ一つの店構えで、朝昼晩とそれぞれの食べ物屋を展開している『三人屋』。
    三女がモーニング、次女がランチの讃岐うどん屋、長女がスナック、とそれぞれの性格や好みを活かして、亡き両親の喫茶店を引き継いでいる。

    ここ近年はこういうタイプのお店もよく見かけるけれど、この作品が発行された2015年当時は珍しかったのかな。

    『三人屋』を営む三姉妹と常連客を中心とした連作短編集。
    妙なお色気とふわふわと掴みどころのない長女に、ボーイッシュな爽やかさの三女もいいけれど、個人的に気になるのは生真面目で無愛想な次女。
    次女が丁寧に作る讃岐うどんも食べてみたいし、二人の子供を抱えてバツイチとなったその後がとても心配。
    一筋縄にはいかない若妻の言いなりになっている頼りない元ダンナは、果たして次女の要求通りの養育費をキチンと支払ってくれるのだろうか。

    三姉妹も常連客も、その後の展開が気になる終わり方だったので、そこのところは続編に期待したい。

  • 鄙びた商店街の一画にある古びた喫茶店跡に三交代制で朝はモーニングカフェ、昼にはうどん屋、夜はバーを営む店が現れた。
    営むのは考え方も行動もそれぞれ異なる背中合わせの三姉妹で、お互いに付かず離れずな距離感で暮らす。
    そんな店にまつわる男たちの逸話で展開して行く人情話的な作品です♪
    見た目カッコ良さげな男性陣もみんな結構情け無いメンツなのが面白いですね。
    途中少しかったるい感があるけれど、終盤の盛り上がりにはワクワクします。
    結局オヤジ達から密かに「三人屋」と陰口叩かれていた店は紆余曲折の末に消滅の危機を乗り越えて晴れて正式に三人屋の看板が掛かってめでたしめでたしってことで笑

  • 三姉妹のお話。朝日、まひる、夜月が両親から譲り受けたお店で朝(喫茶店)昼(うどん屋)晩(スナック)を経営。訳あって仲が悪く別々にお店をやっているけど最後は、なんとなく仲直りできたのかなぁ?どうかなぁ?
    続編もあるようなので是非読んでみたいです。
    ひ香さんのお話は、おいしそうなものが出てくるのでそれだけでホッコリします。

  • 哀愁が濃く漂ってる感じ。
    仲は良くはないけど、姉妹の繋がりはやっぱり家族だと思う。
    ダメ男しか出てこないところが、次作期待?

  • 三姉妹が営業する
    朝は喫茶店、昼はうどん屋、夜はスナックになるお店、三人屋。
    ラプンツェル商店街にあるそのお店と人間模様を描いた小説。

    何の不安もなく、優しく安心して読める本。

  • 飲食店を経営する三姉妹の話。
    モーニングは朝日、ランチはまひる、スナックは夜月とそれぞれの名前がピッタリなので、名前からこの物語を考え始めたのではないかと思ってしまう。もし夜月がモーニングをやったら客は混乱するだろうな。
    家出癖がある夜月や、サービス精神がありすぎて疲れてしまうまひる、自分の就職後の店を心配する大学生の朝日がそれぞれ抱えている問題に、常連客と触れ合いながら向き合う。
    人間模様の描き方はさすが原田ひ香という感じだが、夜月は自分勝手すぎてひどいなと思ってしまった。青春時代に病んでしまったのかもしれないけど、誰かと一緒に住むか、カウンセリング受けた方が良い。
    原田ひ香のごはん小説が好きなのだが、飲食店なのにごはんやそれに合うお酒などの描写が少なかったので残念。

  • 3人姉妹が一つの店舗で朝昼夜と異なる業態で営業する飲食店。
    私は讃岐うどんが食べたい!

    原田ひ香さんは食べ物を通して人間を描くのが上手だなぁ。
    だからなのか、亡き父のオーケストラのレコードのことが蛇足に感じた。
    3人姉妹の謎というか、全体を貫くひとつの筋としてのレコードなんだろうけど、それは大輔の存在でよかったかな…と思いました。
    レコードのせいで、夜月が不憫で、後半読んでてつらかった。

  • 姉妹(兄弟)って、やっぱり不思議。同じ環境で育っても全然違うし、全然違うのかと思うと、びっくりするくらい同じだったり…。
    でも、やっぱり口に出すって必要だと思うんだ。たとえ血が繋がってても。伝わらないことや気づかない事、伝えるために。

  • 途中から、嫌な感じ。そこまでしてレコードを求める気持ちが分からない。エンタメならエンタメに徹して欲しい。現実世界に引き戻され、なんか残念。

    • vilureefさん
      こんにちは。
      花丸とフォローありがとうございます(*^_^*)

      マルリコさんの本棚を拝見させていただきました。けっこうかぶってる本が...
      こんにちは。
      花丸とフォローありがとうございます(*^_^*)

      マルリコさんの本棚を拝見させていただきました。けっこうかぶってる本が多い!!
      読書傾向が似てて嬉しいです。

      原田ひ香さん、気になる作家の一人です。
      この本はイマイチでしたか・・・。
      読もうかどうしようか悩んでいたので。

      色々参考人させてください。
      これからよろしくお願いしますね♪
      2015/09/04
    • まるりんこさん
      こちらこそ、ありがとうございます*\(^o^)/*
      ツボを押さえた本棚と、レビューの文章が素敵なので、フォローさせていただきました。本への...
      こちらこそ、ありがとうございます*\(^o^)/*
      ツボを押さえた本棚と、レビューの文章が素敵なので、フォローさせていただきました。本への愛情がひしひし伝わってきます。
      私も本が好きで、忘れ防止に一言レビューするようにしているのですが、言葉にならない(>_<)
      今回、言葉足らずだったので付け足すと、原田ひ香さんは、私はとても好きです。ただ、後半の出来事は、私は女として無しかなあって思いましたが、解釈は人それぞれ。文章が軽やかで心地よいので、読んでみるのも有りかと思います。
      こちらこそ、これから色々参考にさせて下さいね。よろしくお願いします(*^^*)
      2015/09/04
  • 長女・夜月のスナック、次女・まひるの讃岐うどん、三女・朝日の喫茶(^^)表紙も明るいし、きっと美味しくて楽しい話に違いないと思い込んで、読み始めると…(--;)出てくる料理はどれも美味しそうなんだけど、三姉妹と周りの人達がワケありすぎて重いというか辛いというか…(-"-;)読みやすかったけれど、最後はハッキリ、スッキリおわる話が良いな~(^^;)

著者プロフィール

1970年神奈川県生まれ。2005年『リトルプリンセス2号』で、第34回「NHK創作ラジオドラマ大賞」を受賞。07年『はじまらないティータイム』で、第31回「すばる文学賞」受賞。他の著書に、『母親ウエスタン』『復讐屋成海慶介の事件簿』『ラジオ・ガガガ』『幸福レシピ』『一橋桐子(76)の犯罪日記』『ランチ酒』「三人屋」シリーズ等がある。

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