呪いに首はありますか

著者 :
  • 実業之日本社
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感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408537276

感想・レビュー・書評

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  • ホラーミステリという帯だった。
    いい意味で裏切られた。

    もちろん心霊科医という主人公の属性もあるから、幽霊も出てくるのでそういう意味では「ホラー」なのかもしれない。
    ミステリーという側面はしっかりあったと思う。

    怖いというより、着眼点に感服するしなおかつ笑ってしまうというのは不思議な感覚だった。
    第一章で「幽霊の死体ってなんですか?」ってセリフがある。
    言われてみたら、たしかにそうだ、と。もうこの一章でやられてしまった。
    その後も、最後の最後まで走らされてしまった。
    このまま話が結論を迎えず、シリーズものになってれば、なんとよかったかとおも思ってしまうことが寂しい。

  • とある「呪い」に取り憑かれ、長子が三十歳で死んでしまうという久那納家。呪いを解くために悪霊を幽霊に変え吸収するという目的を持ち、数々の心霊トラブルを解決してゆくホラーミステリ。怖いようでユーモラス、そしてほんのりと切なさを感じます。
    さまざまな「悪霊」が引き起こすトラブルとその解決法はしっかりミステリとして楽しめます。ホラーとしての法則も用いながら、いかにも不可思議に思える事象の意味にも納得がいくところが楽しい。「身代金の相場を教えてください」のとっかかりの謎があまりに突拍子もないのだけれど、謎解きとしてはとても堅実なんですよね。なるほど、思えばそれしか考えられないんだけれど。案外気づけなかった。
    「結婚してから彼が変わったように思います」がお気に入りだけど。これ、嫌な話ですよね(苦笑)。もしやとは思ったけれどやっぱりそういうことだったのか!
    そしてラスト。タイトルの意味はそういうことだったのか……切なくて、だけど優しい結末。実はこの呪いに一番苦しんでいたのは彼だったのでしょうか。

  • そういうタイトルかぁ〜!
    意外と面白く読んだ。

  • 表紙が怖すぎて本棚に置けない。
    でも面白すぎて手元に残したい。どうしよう?
     

  • 長子がみな三十歳までに死ぬ、という呪いを受けた久那納家の現長子、久那納恵介と相棒の墓麿が、呪いを解くために営んでいる心霊科医。そこに持ち込まれる相談(いくつかは積極的に探しにでた”心霊現象”)を軸に進んでいく連作短編。

    幽霊の死体とか、誘拐された幽霊とか、取り扱うテーマは確かに心霊そのものなんだけど、おどろおどろしさはなくて、どれも、どこか物悲しいとか、さびしいとか、そういう言葉が合う感じ。

    視点が多少移動するのだけど、それもわかりやすいし、全体的に読みやすい。文体も手伝って、数時間もかからず、さくっと読めてしまった。

    ラストは、タイトルも表紙もすべてがオチにつながっていて、怖さより、ただ切なかった。

  • 表紙が気持ち悪いと思ったけど読んだら面白かった。鼻が落ちる話と犬の話がおもしろい。

  • 死体の幽霊、誘拐された幽霊など、捻りがきいた短編集で面白かった。犬の幽霊の話が一番好きです。

  • 久那納家に生まれた長子は、みな三十歳までに死ぬ。28歳の久那納恵介は、自称「心霊科医」として相棒の墓麿とクリニックを営んでいる。残留思念体=幽霊を「ワクチン」として集めることが代々続く呪いを解く唯一の方法だというが…

    帯に惹かれて読んでみたものの、まずとにかく表紙が怖くて正視できないのでカバーをして読んだのですが、内容は思ったよりも怖くなく、むしろとぼけたコミカルさがあって「幽霊に死体はあるか」「幽霊は誘拐できるか」「そもそも幽霊ってどうして服を着てるのか」とか着眼点が面白いな、と思いました。

    文体も読みやすくてスラスラ読めるし、読み終えてみるとあんなに怖かった表紙が哀しいだけで怖くはなくなっていました。読む前からは想像できなかった喪失感と切なさをくれる作品。

  • 読む前には想像していなかった
    喪失感やら切なさやら感動やらを感じてる
    ほんとうに首が1つで良かった

    グレオの話しは笑えたなあって
    おもったけど
    やっぱりそこにも悲しさがあった


    明日が返却期限日だったので
    一気読みしたらこんな時間(1:30)
    サクッと読める本で良かった

  • 平成30年11月7日読了

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著者プロフィール

1984年生まれ。第6回講談社BOX新人賞優秀賞を受賞し、2009年『ようこそ、ロバの目の世界へ』でデビュー。14年『牛家』が第21回日本ホラー小説大賞が佳作に入選。他著作に『三丁目の地獄工場』『その花束は少年で出来ている』『煉獄ふたり』(いずれも講談社)がある。

「2020年 『事故物件7日間監視リポート』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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