- Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784408538273
作品紹介・あらすじ
『ガラパゴス』『震える牛』著者が放つ
警察小説の新たな金字塔!!
「目で見る物語。
心の眼で捉える想い。
焦点が合うその刻を、見逃すな」
杉田智和 声優
あなたの顔が危ない――
すべてが監視されている!
心眼で人を観察しろ。本質だけが浮かび上がる。
街頭に立ち、顔を見続け、
指名手配犯を炙り出す〈見当たり捜査班〉。
新米刑事・片桐は、犯人を見つけられない。
一方、ベテラン刑事・稲本は、圧倒的な結果を残す。
新たに就任した捜査一課長は、ハイテク捜査を実施、
「見当たり捜査班不要論」をぶち上げた。
絶体絶命のピンチを、片桐は脱することができるのか?
目次
第一章 定点
第二章 駐留
最終章 見当たり
感想・レビュー・書評
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社会派の熱い作品が多い作家さんだと勝手に思っていたが、今作は警察小説。
しかも花形的な部署ではなく見当たり捜査班に焦点をあてた物語である。
街頭に立ち、道ゆく人の顔をひたすら見続けて指名手配犯を炙り出すのが見当たり捜査班。
新米刑事の片桐は、先輩の検挙に立ち会うことがあっても自分ではなかなか犯人を見つけられないでいた。
その中で、ベテラン刑事・稲本は常に単独行動で圧倒的な結果を残す。
彼の動きを探り、教えを乞うが素気無くされる片桐。
心眼で物事や人を観察しろ。と聞いたのだが…
そんな中、新たに就任した捜査一課長は、ハイテク捜査を実施し、立て続けに指名手配犯を逮捕する。
前時代的な捜査手法は必要ないと、見当たり捜査班不要論をぶち上げる。
これに対抗するかのように稲本が、班をひとつに纏めて力を発揮する。
片桐は、心の眼で見逃さずにピンチを脱することができたのか…。
その人しかできない仕事ってあるのだろうか?とふと思った。
この見当たり捜査も記憶力、洞察力がなければ無理だろうと…
忍耐力、集中力も必要だと。
コロナ禍でマスクをしているとほとんど目だけなので一段と難しいだろう。
地味な仕事だが過酷な仕事である。
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警察もの。
指名手配犯や行方不明者を街頭で探し続ける部署の面々、トラブル相手は警察内の他部署、
(重要なのでしょうが)なんとも地味な仕事、特別我々一般社会と関わらない警察内部の争い、
・・・ワクワクドキドキの無いまま読了。 -
最近、刑事が主人公になる小説を読む機会が多く他の小説でも見当たり調査を題材にした
本を読んだばかりですが、作家さんによって
着眼点が違うので楽しめました
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新米見当たり捜査官の片桐主人公にした話だけど実質的には稲本がメインを張っている印象。
片桐の成長していく姿を描いていくのかなと思ったけど徐々に稲本の色が強くなってしまい成長譚としてはやや中途半端な感は否めない。
今作では監視カメラについても言及しているが、個人情報がある程度漏れるのが当たり前となってきているのと同様に個人個人が知らぬ間に監視されていく時代になりつつあるのかもしれないと思わずにはいられなかった。 -
見当たり係という指名手配犯を地道な捜査で検挙する班の話ですが、そこに所属する若手刑事を主人公に、捜査1課から流れてきた凄腕の刑事が次々と指名手配犯を検挙していき、どうしたら自分も検挙できるのか?ともがきながらも主人公が試行錯誤の末、一人前の見当たり班刑事になっていく姿を描いた作品ですが、まさにタイトルの心眼という心理が大事だということを描いでいるのですが、刑事という職業だけでなく、他の職業でも大事な考え方であると考えさせられる作品でした。
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著者の作品は、現代の社会問題を色濃く反映させた内容で、毎回新たな視点で見つめ直すことや危機感や身を守る術を考えたりする。
今回は「見当たり捜査班」を元に新旧、アナログとデジタルの様々な視点を盛り込んでいる。が、ちょっと前半は地味すぎていささか辛抱が必要だったかな。
監視社会、犯罪には有効化もしれないが、この網の目をくぐる技術も上をいくだろうから、それでも犯罪者は巧みに逃れていく。その時、正直者だけが馬鹿をみる世の中にはなって欲しくないものである。 -
主人公は新米刑事の片桐。見当たり捜査班の一員として日々容疑者を追う。膨大な数の「顔」を頭に叩き込み、出入りのありそうな場所を歩き回るが成果は出ない。
警察が主体の物語に期待するのは、犯人の劇的逮捕、勇猛な刑事、複雑な人間関係、さらに社会に対する問題の投げかけなど、緊迫した内容だが、本作はかなり地味である。警察内部の事情が丹念に描き込まれるが、物語自体は淡々と展開する。ハラハラドキドキ感が極力抑えられ、登場人物たちも目立たない。そうか、見当たり捜査班だからか。
そんな中、片桐がベテランの稲本を仰ぎ見る様子が、まるで師匠に弟子入りを懇願しているように見えた。ちょっと懐かしいキャラクター設定。彼の謙虚さはまぶしく映る。最先端の犯罪捜査シルテムが、見当たり捜査班の存続を危うくする事態になるが、最後は人の眼や感覚が重要になる、ということか。続編がありそうな終わり方だったので、今後の片桐に期待!
ところで、ベテラン稲本の風貌は、まさに孤独にグルメを楽しんでいるあの方そのものとしか思えなかった。 -
見当たり捜査は初めて知りました。
捜査というより警察の内部抗争かな。
中途半端な気がします。
どちらかにシフトして欲しいですね。
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主人公、片桐の悩み、心の動揺、そして成長が面白く読めました。なかなか引き込まれました。ただし、ほかの方の感想にもあるとおり稲本の感情は理解できません。組織人として川勝係長も。
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見当たり捜査というテーマは新鮮だった。でも見当たりだけでは深みが出ないのか、最後は捜査一課っぽい手法で解決。しかもその活躍を認められて結局一課に行くのかい!