モーニング Mourning (実業之日本社文庫)

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  • 実業之日本社
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408550206

感想・レビュー・書評

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  • 過ぎ去った時間の大切さを思い知るのは、いつだって締め付けられるような思いがする。しかもそれが追悼となればなおさら。気のおけない友の存在の大切さがヒシヒシと伝わってくる。

  • そうか、モーニングってそっちだったんだ・・

    コーヒーブルースを先に読んでしまって、もうひとつ先の物語があった、と思ったけれど、どちらが先でも大丈夫な内容だった。

    大学時代を一緒に過ごした仲間の一人が事故で死んだ。九州に駆けつけた4人は葬儀を終え、それぞれの生活に戻ろうとしたとき、淳平が言った。「この車で一人で帰って、自殺する」。思いとどまらせるために一緒に変えることにした大、ワリョー、ヒトシ。「自殺の理由を思い出してくれたら、やめる」。さて、理由は思出せるのか。”思い出す”ということは知っていること?

  • 2作目の『Coffee blues』を先に読んでしまった流れで、1作目の本書を手に取りました。

    親友の葬儀で二十数年ぶりに再会した、大学時代の仲間たち4人。
    葬儀を終えた後、仲間の一人・淳平から“自殺する“との発言を聞いた主人公・ダイこと弓島大達3人は、思いとどまらせるため、一緒に福岡から東京までロングドライブをすることに・・・。

    時系列的には『Coffee blues』の後の話ですが、彼らの回想場面が大半を占める為、結果ダイ達の青春時代の話になります。
    ダイ達は1961年生まれという設定なので、同世代の男性の方には刺さりそうなフレーズやアイテム諸々の懐古描写が綴られるうちに、彼らと関わった一人の女性の存在が浮かび上がってきます。
    この女性・茜さんの抱える事情が重くて、文体があっさりしているおかげで読むのがキツくならずにすみましたが、彼女と“婚約者”との関係ってマジで地獄ですよね。まさに“青春の光と影”、というところでしょうか・・。
    そして、終盤に明かされる淳平の“自殺理由”には、彼と死んだ仲間との真相も含めて“なんそれ!(byZAZY)”という感じだったのですが、本書を通して友情の尊さや仲間とすごした時間のかけがえのなさを実感して、遠い目になった私。
    ところで、驚いたのはダイの結婚相手です。続編の『Coffee blues』を読んでいた私は“へえ!そうなるんだ”と意外に思いました。一方、『Coffee blues』で語られていた、ダイの元恋人の不幸について、この本で詳細が解るかと思っていたのですが、全然触れていなかったのには“あれ?”と拍子抜けでした。

  • あ、こう来るかー。そっかー。

  • ダイ-1
    葬式帰りに突然自殺するといいだした大学生の頃の親友。
    その車内での会話&回想。

  • 4年間の大学生活を同じ屋根の下で過ごした男5人の友情物語。卒業から20年以上たち、彼らが5人そろって再開したのは、中の一人が交通事故でなくなった葬儀の場だった。

    とにかく5人の友情がまばゆいし羨ましい。俺も30年以上前には彼らに似たような青春の一幕があったはずなんだけど、今では付き合いもほとんどなく、旧交を温めなおそうにも彼らのような善人ではない俺では、ちょっと無理そうである。

    せめて彼らが物語の中で聞いていた音楽を聞き直してみて、当時を振り返ってノスタルジーに浸ってみようかな…とか思っている。

  • 葬儀をきっかけに集まった、大学時代の友人。さらに友人の自殺予告を食い止めるためのロングドライブ。
    こういう仲間がいるのは、いいなぁと思った。思いがけないラストだった。
    #読了
    #読書好きな人と繋がりたい

  • 歳を重ねておっさんになった時に、もう一度読みたい。

  • 20数年前の男5人の共同生活.恋愛.悲しみ。
    過去を思い返しつつ、1人欠けた4人でのロングドライブ。

    心の奥底で深く繋がれる友人関係に羨望する。

  • 登場人物たちのように学生時代を友情を育み煌めく学生時代を過ごしたわけではないけれど。
    おじさんになってもなお、変わらない友達を保ち続けていられるわけでもないけれど。

    それでも、この小説はノスタルジーを誘因する強い香りをはなっている

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著者プロフィール

1961年、北海道生まれ。広告制作会社勤務などを経て、2002年に『空を見上げる古い歌を口ずさむ pulp-town fiction』で、第29回メフィスト賞を受賞して翌年デビュー。温かい筆致と優しい目線で描かれた作品は、ミステリから青春小説、家族小説など多岐にわたる。2013年、代表作である「東京バンドワゴン」シリーズがテレビドラマ化される。おもな著書に、「マイ・ディア・ポリスマン」「花咲小路」「駐在日記」「御挨拶」「国道食堂」「蘆野原偲郷」「すべての神様の十月」シリーズ、『明日は結婚式』(祥伝社)、『素晴らしき国 Great Place』(角川春樹事務所)、『東京カウガール』『ロング・ロング・ホリディ』(以上、PHP文芸文庫)などがある。

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