黄昏たゆたい美術館―絵画修復士 御倉瞬介の推理 (実業之日本社文庫)
- 実業之日本社 (2011年12月3日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
- / ISBN・EAN: 9784408550619
感想・レビュー・書評
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「絵画修復士・御倉瞬介シリーズ」の二作目。このシリーズは一作目と三作目は読んだ事があったのだけど二作目のこの作品だけは読めてなかったのだが、いやーめっちゃ良かった!短編集なんだけど、収録されてる「「ひまわり」の黄色い囁き」がまさに美しい謎とそれをいかにして美しく紐解くのかといったところ。主人公にして探偵役の御倉瞬介の美しさに溢れる謎の解釈の仕方が本当に好き。
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確かに美しい。
前の巻よりぐっと面白かったです。
特に『ひまわりの黄色い囁き』には痺れました。 -
御倉瞬介シリーズの2作目です。
5編からなる連作集で、
前回同様それぞれにモチーフとなる絵画があります。
絵画の周辺で事件が起こるのですが、
絵画修復士という立場から、
主人公御倉瞬介が巻き込まれ、推理を展開することになります。
特に探偵役として立ち回る訳ではないんですが、
事件の関係者として、また修復する者として、
絵画の背景と事件の意味を考えずにはいられないという感じです。
今回は絵画だけでなく、その画家自身、
人生だったり、その作品を描くに至った心情だったり・・・、
を掘り下げて描かれています。
その所為か、ミステリーを読んだというより絵画鑑賞した気分です。
事件を他所に、全編を通してどこか美術館に居るような、
静謐でゆったりとした空間の雰囲気が漂う作品でした。
また、相変わらず御倉の息子圭介に対する愛情が感じられて、
他のミステリーの読後感とはまったく違います。