黄昏たゆたい美術館―絵画修復士 御倉瞬介の推理 (実業之日本社文庫)

著者 :
  • 実業之日本社
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感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408550619

感想・レビュー・書評

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  • 「絵画修復士・御倉瞬介シリーズ」の二作目。このシリーズは一作目と三作目は読んだ事があったのだけど二作目のこの作品だけは読めてなかったのだが、いやーめっちゃ良かった!短編集なんだけど、収録されてる「「ひまわり」の黄色い囁き」がまさに美しい謎とそれをいかにして美しく紐解くのかといったところ。主人公にして探偵役の御倉瞬介の美しさに溢れる謎の解釈の仕方が本当に好き。

  • 確かに美しい。
    前の巻よりぐっと面白かったです。
    特に『ひまわりの黄色い囁き』には痺れました。

  • 御倉瞬介シリーズの2作目です。
    5編からなる連作集で、
    前回同様それぞれにモチーフとなる絵画があります。
    絵画の周辺で事件が起こるのですが、
    絵画修復士という立場から、
    主人公御倉瞬介が巻き込まれ、推理を展開することになります。
    特に探偵役として立ち回る訳ではないんですが、
    事件の関係者として、また修復する者として、
    絵画の背景と事件の意味を考えずにはいられないという感じです。
    今回は絵画だけでなく、その画家自身、
    人生だったり、その作品を描くに至った心情だったり・・・、
    を掘り下げて描かれています。
    その所為か、ミステリーを読んだというより絵画鑑賞した気分です。
    事件を他所に、全編を通してどこか美術館に居るような、
    静謐でゆったりとした空間の雰囲気が漂う作品でした。
    また、相変わらず御倉の息子圭介に対する愛情が感じられて、
    他のミステリーの読後感とはまったく違います。

  • 美術に絡まるミステリー。
    なんか続編らしいですよ←知らずに購入してしまったorz
    でも連作短編だから問題はない訳だけど?
    なんかショック( ̄▽ ̄;)

    柄刀さんのミステリーって何て言うか、いや、そんなに読んでる訳じゃないから違うかも知れないけど
    イメージされる色が、透明っていうか澄んでるんですよね
    ミステリーだし人死んでるし、この本だと恋人が縛られてる妹殺したり……本気で考えると鬱に成り兼ねないんだけど、なんか漂う空気がどんよりしてないの
    自分が違うとこにいて眺めてるとか入り込めないとか、そうではなくて一貫して澄んだ空気の中に微かな光があって祈り、みたいな?
    そこが好きな訳で、この短編は大好きな絵も関わるとあって楽しかった
    絶対長編には向かない設定だけどな
    久しぶりにこの方の集めるか
    綾辻さんを頑張ってしまって浮気したままになってるんだよね(;´∀`)

著者プロフィール

1959年、北海道生まれ。1994年に「密室の矢」が読者投稿アンソロジー『本格推理3』(光文社文庫、鮎川哲也・編)に採用され、以降も「逆密室の夕べ」と「ケンタウロスの殺人」の投稿作品が採用された。98年、長編「3000年の密室」で作家デビュー。代表作は「時を巡る肖像」「密室キングダム」。日本推理作家協会、本格ミステリ作家クラブの各会員。

「2022年 『【完全版】悪霊の館』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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