- Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
- / ISBN・EAN: 9784408551005
感想・レビュー・書評
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美貌の女子大生・椙浦夏子は、バイト代全てを貢いだ恋人を社長令嬢に奪われた。「お金持ちになって見返してやる」ため、大学の同級生・鹿沼歩たち数人を仲間に加え、夏子は詐欺グループを結成。サークルのノリでカモを騙す計画を練る彼女たち。数多の犯罪の成功に味をしめ、より大物をターゲットに定めるうちに、いつしかヤクザや大物実業家を敵にまわすことに…。
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著者のトレードマークであるハードな作風を期待していましたが、とっても控えめでエンタメ重視な内容に仕上げようとして結果平凡な作品に仕上がっている印象で少し残念でした。。近年はあまり表立った執筆をしていないようで「彼岸の奴隷」が大好きなものとしてはああいうブチキレた作品を短編でいいから一冊出して欲しいものです。
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ごく普通の大学生たちがサークルのノリで詐欺を働く犯罪小説である。
犯行は徐々にエスカレートし、詐欺の規模も大きくなっていく。
当然カモとなる人物も、善良な市民から裏のある危険な人物たちへと移行していく。
だが、この物語は犯罪の顛末を描いただけに終わらない。
犯罪を裏で操る者、犯罪に仲間たちを駆り立てる者、そして最後に仲間たちを裏切る黒幕の存在。
黒幕をあまり特異に描いては早々に読者に疑念を抱かせてしまう。
かといって、無個性な人物では最後のどんでん返しの説得力がなくなってしまう。
作家としては難しいところだろう。
夏樹が最後まで守ろうとした俊明への思いだけが、この物語の救いだったような気がした。 -
2013.03.11読了。
今年12冊目。
友達から借りた本。
警察用語でいうところのゴンベン...詐欺師たちの話。
大学生たちが手を組み人からお金を騙し取っていく話だが、やっぱり詐欺は詐欺で犯罪。
いくら大金を手にいれても、誰も幸せそうには見えなかった。
し、詐欺を重ねるうち徐々にヤクザやら警察やらから狙われていく。
そしてメンバーが一人ずつ殺されていく。
ヤクザ絡みでえげつない部分もあり暗い気分になったけど、あとがきでも書かれていたように悪いことは悪い、悪いことをすれば罰を受けるという部分まで描かれていて終わり方としてはすっきりしたかも。
ただ一番最後の展開は怖かったー。
歩はもう人ではないね。
救いは吉田が歩のしたことに気付き、復讐しようとしていること。
吉田も詐欺メンバーだったんだけど、彼は苦労している分なんとなく憎めないキャラ。
夏樹も死んじゃったのは切なかったなー。 -
学生サークルのノリで始めた詐欺集団が,やがて本物の詐欺師やヤクザとも対立していく話。
「正義の詐欺師軍団は今日も行く!わっはっは。ちゃんちゃん」的なノリを想定していたが小川勝己なのでやはりハードな展開。 -
『葬列』『彼岸の奴隷』とつづき3冊目、2冊と比べるとインパクトが半減、軽妙なノリの犯罪集団が登場する。全体的に伊坂幸太郎ふうで、どちらかというと種明かしを楽しむ系になってしまった。著者に期待したのはちょっと残酷で苛烈で身もすくむような展開(2冊はそうであった)、そしてラストは当然、最悪の結末・・・最後は期待に違わず楽しめた。
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学生を中心とした詐欺師の話。犯罪を重ねて、追われることになり、さらに、厳しい状況に・・・といった展開。話は、まあまあ面白いけど、どんどん暗い方向に進む話はあまり好みではなかった。
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年末に「彼岸…」を再読後、著者のブログを見ると「この本が売れたら次の本が出る」とあったので、買わざるを得ない。
三流大学生の詐欺グループの冴えない詐欺話、青春小説風でありながらどんどん崩れていく。「誰が一番のワルか」「誰が生き残るのか」という真っ当な詐欺小説。ミステリーだと思わずに読んでいたのに、しっかりとしたミステリー。が、鬼畜度は低め。ヤマ場となる「大掛かりな詐欺」の部分がちょっと粗く緊迫感に欠けた。
端役である人物も書き込まれており(逆にそこが散漫になってしまっているが…)、様々な人物と通して全体像がクッキリとしてくる。
ジム・トンプソンの引用あってニヤリ。 -
詐欺ものはハッピーエンドじゃないと!
おもしろかったけど後味が… -
詐欺という悪事に手を染め、深みにはまって行く若者達。その結末は…
最初は軽いコン・ゲーム小説かと思って読んでいたのだが、次第にあの『彼岸の奴隷』のような展開になり、ハードさが増して行く。
なかなか面白い。