終電の神様 台風の夜に (実業之日本社文庫)

著者 :
  • 実業之日本社
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408555928

作品紹介・あらすじ

嵐で鉄道が止まる夜、運命が動き出す――

風雨が強まる公園で「あの人」を待つ彼女、その日結婚式を挙げる予定のカップル、当直明けの外科医、ターミナル駅で乗客を誘導する駅員。
「嵐」という神様のいたずらが、それぞれの運命を変えてゆく――

大型台風接近のため、鉄道各線の終電が繰り上がった一夜の物語。

累計50万部のベストセラー『終電の神様』シリーズ最高の感動作!

感想・レビュー・書評

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  • 病棟待合室の文庫本をお借りした。
    少しずつ繋がりのある短編集。
    台風の夜の終電。
    どことなく寂しいようなセンチメンタルな気分になる夜のお話。

    第4話インターカム
    第5話ガラスの降る夜
    この2つが好きだったな。

  • 初・阿川大樹。
    台風により終電が早まる日の5つの物語で、第一話、四話、五話が好き。
    台風の日と一口に言っても、そこにはさまざまな暮らしがあって事情がある。
    各章の間には関係性がなくても、台風の日というだけで連帯感みたいな連作短編集を読んでるような楽しさがあったが、まさかの第五話で再びの人物登場で嬉しかった。

  • 4話「インターカム」がよかった。大事件を華々しく解決するのではなく、日常を維持することの方がよっぽど大変だし、大事。波立たせないための気配り。日常生活に応用できそうです。

  • 第4話と第5話が印象に残りました。
    駅員さんのお話と、お医者さんのお話。

    その場所にいる人に見えている情景。
    その人から見た現実。

    私たちは、自分に見えている現実しか知らなくて、その向こう側にはまた別の人にとっての現実の時間が流れているのだということが胸に残りました。

  • 台風で終電で早くなるって現実にもあることで。
    想像しやすいのは、混雑する駅とか帰宅難民とか?
    そんな時でも、人によっては人生の大事なワンシーンだったりする。

    台風って予定を台無しにしかしなさそうなイメージだけど、台風があったからこその結果もあって。
    せつないものから、ほっこりするものまで。

    ここで終わるから美しいのかもしれないけど、続きがあればいいのにと思ってしまいました。

  • 四話目がグッときたし、五話目は辛かった。

  • 【請求記号:913.6 ア 3】

  • 私はアイドルをやっている女性と医者の男性との話が印象に残りました。なぜアイドルをやるのか。その理由にめちゃめちゃ共感出来ました。私には自分の考えや感じ方があって、かっこよく生きる女性に見えました。

  • シリーズ3作目の短編集
    例によって、シリーズ間の話に繋がりはない

    今回のキーワードはサブタイトル通り「台風による終電の繰り上げ」
    そしてやはりその電車に乗った人の話ではない

    収録は5編

    ・観客のいない舞台
    ・デウス・エクス・真季奈
    ・消えた終電
    ・インターカム
    ・ガラスの降る夜



    ・観客のいない舞台
    元舞台女優が劇団時代の友人にギャラ飲みに誘われ、その関係以上の気持ちを抱くお話
    結局は勝手に女性が恋心を抱いて独り相撲をとってるように思えてしまう
    友人に迷惑をかけてしまう可能性を考えなかったのかね……


    ・デウス・エクス・真季奈
    娘に「普通」の人生を望む母親の期待に応えるべく結婚式をするお話

    結婚式って何であんなにお金がかかるんでしょうね?
    普通のイベント会社に頼んだら同じような規模でもっと安く済ませられる気がする
    ブライダル業界の相場がどの立場からもご祝儀相場を認めてしまっているんでしょうねぇ

    終盤のお母さんの表現が変わっていく様は面白かった


    ・消えた終電
    台風の日に海を目の前に佇む女性のお話

    アカハラねー
    ま、パワハラの一種なんだろうけど、アカデミックな世界はまた世間と違った価値基準で動いているからなぁ……

    成果と結果を残している先生が人格的に高潔な人というわけでもないし、だからといってそれが両立出来ないものでもない
    当人同士はそんな意識はなくとも、性別が異なっていたらまぁ邪推する人はいますよね


    ・インターカム
    台風で終電が繰り上げになった駅構内での駅員さんのお話

    私自身は作中のように緊迫感を伴う混雑した駅を体験した事がないのでよくわからないんだけど
    家に帰れるかどうかという気持ちがある乗客がいっぱいいるんだったら、何が起こってもおかしくはないですね

    そんな状況でも無事に納める駅員さんの手腕はすごいと思う

    強い言い方をすると緊張感を煽ったり反感を買ってしまうので、伝え方が大事というのは面白いと思う
    救急隊員の人達も、本当は急がなければいけない状況だからこそ、周囲に緊迫感を与えない態度というのがすごいですよねー


    ・ガラスの降る夜
    1話目の医者視点の話
    そうそう、こんな構成の物語を読みたかったんですよ

    しかしまぁ、お金があるに越したことはないけど、その有意義な使い方がギャラ飲みな生活は嫌だなぁと想ってしまった
    お医者様って大変ですね
    1話目だけ読むと弁えない女の独り相撲と思ってたけど、違う可能性もあったというのが知れたのはよかった

    もし続編があるなら、それぞれの登場人物がちょっとずつ関わってる構成のが読みたい

  • 同じ日の出来事が複数人の目線で書かれている小説は好き。

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著者プロフィール

1954年東京都生まれ。東京大学在学中に野田秀樹らと劇団「夢の遊眠社」を設立。企業のエンジニアを経て、シリコンバレーのベンチャー設立に参加。99年「天使の漂流」で第16回サントリーミステリー大賞優秀作品賞受賞。2005年『覇権の標的』で第2回ダイヤモンド経済小説大賞優秀賞を受賞し、デビュー。主な著書に『D列車でいこう』『インバウンド』『横浜黄金町パフィー通り』など。『終電の神様』で第9回エキナカ書店大賞受賞。

「2022年 『終電の神様 殺し屋の夜』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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