カスタード (実業之日本社文庫)

著者 :
  • 実業之日本社
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本棚登録 : 380
感想 : 32
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408557021

作品紹介・あらすじ

【きっと見つかる、大切なもの。
 ――実業之日本社文庫GROWからあなたへ。】


誰もが抱える「後悔」を
奇跡で救う不思議なお弁当屋。

人生に迷ったら、ここへおいで。
ここは、あなたのための場所。

――あなたの「後悔」はなんですか?


街の片隅に佇むお弁当屋。店名は誰も知らない。
やって来るのは、心の底に厄介な「後悔」を抱えた人々。
記憶の中のトゲが抜けず日々を無為に過ごす女性、母を疎ましく思いながらもその存在に縛られる青年、捨て猫にトラウマがある女子高生……。
客に差し出されるささやかな奇跡がそっと心を救って――。
人生の迷子に寄り添う感動作。ラスト、タイトルの意味を知り落涙!

優しさを紡ぐ名手・加藤 元の真骨頂!
切なさが心に沁みる珠玉の5編は、
悔いも迷いも乗り越えて、前に進む勇気を与えてくれるはず!

感想・レビュー・書評

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  • 名前も知らない常連さんと、店主の想いが交錯するあったかいストーリー。こういうお店が近くにあったら良いなぁ…

    お弁当屋さんなのにカスタード、その意味がわかったとき胸が熱くなった。

  • ビオレタとカスタードと間違えて書いてもうたあー。これねビオレタなのよ。 書きたい事は、読み終わったけど、菫さんが出会いと引っ張り出してくれた事とで、2人しかいない職場で理不尽な事ばかりされて、仕事を覚えたいのに、ゆとり世代とか鼻で笑われてとか、見ていて腹立った。でもよくよく考えたら自分が可愛い弱い彼氏にしていた事と同じだったというなんともしがたい話です。年上のとりあえずの新しい彼氏がそんなボロい人間は教育も出来ないポンコツで、悩む必要全く無いと断言してくれた=凄く良く分かる、実際世の中居るし消えない数だし

  • 外装も内装もケーキ屋さんを思わせるお弁当屋さん。
    店員は強面なおじさんとちょっと無愛想な娘さん。
    そのお店のポイントカードが貯まると飲み物1本とおまけが貰えます。
    そのおまけはその人にとっての苦い思い出や悲しみを乗り越えるための一歩をくれる。
    ちょっと不思議なお弁当屋さんがもたらす心がほっと暖かくなるお話でした。
    ラストよかったなー(*ˊ˘ˋ*)

  • 街の片隅に佇むお弁当屋。やって来るのは、母を疎ましく思いながらもその存在に縛られる青年、捨て猫にトラウマがある女子高生など、心の底に「後悔」を抱えた人々。客に差し出されるささやかな奇跡がそっと心を救って-。

  • 2023.6.13読了

  • 読んでいてほっこりするお話ですね。
    誰にでも後悔していることってありますよね。
    それをお弁当のポイントのおまけで取り戻すことができる。
    お弁当屋さんの娘さんは不思議な力があるんですね。
    いろいろな過去と後悔から、次々と救われていって気持ちがあたたかくなりました。
    面白いお話でした。続編が読みたいですね。

  • このお弁当屋ではポイントカードを貯めきると「おまけ」が貰える。駄菓子だったり、母の日のメッセージカードだったり、キャットフードだったり
    人によってはゴミになるような「おまけ」だけど
    それによって今まで抱えてきた後悔や悩みから救われる人もいる。そんなお話。

  • カトゲンさんの小説は私たちに居場所を作ってくれる。
    ちっちゃな後悔やささいな絶望で足踏みしているときに、ここいいていいよと温かな場所を差し出してくれる。
    坂の下にあるお弁当屋さん。ケーキ屋さんのような見かけなのにお弁当屋さん。そこにやってくる4人の男女。
    ポイントがたまると飲み物をくれる、そしてこれもと渡されるおまけ。
    受け取ったときにはぴんとこないおまけたち。そのおまけが3人の背中をそっと押す。
    そして最後の1人。彼が運んできた不思議と彼に贈るおまけ。あぁ、カトゲンさん、ずるいわ。これはずるい。
    自分の目からしずくが「ぶわっ」とあふれる音を聞いた。

  • 街の片隅に佇むお弁当屋。やって来るのは、母を
    疎ましく思いながらもその存在に縛られる青年、
    捨て猫にトラウマがある女子高生など、心の底に
    「後悔」を抱えた人々。客に差し出されるささやかな
    奇跡がそっと心を救って…。

  • わたしには霊感やすごい能力などはないけど、
    実際にこういった奇跡なんかはこの世に
    あるんじゃないかと思える作品でした。

    人それぞれ大なり小なり後悔したことは
    あるし、出来ることなら何とかしてみたい
    って思うけどなかなか何ともならない。
    ちょっとしたキッカケがあれば好転していく
    かもしれないけどそのキッカケがなかなか
    見当たらない。そんな一歩前に踏み出す
    キッカケ(おまけ)をくれるお弁当屋さん、
    どの話もそのキッカケで変わっていく
    感じが小さな奇跡みたいで面白かった。

    本のタイトルにもなっている
    「カスタード」の意味が分かる終盤は
    ちょっとファンタジーっぽくなって
    納得のいかないところもあったけど
    後悔をそっと洗い流してくれてよかったかな。

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著者プロフィール

神奈川県生まれ、東京育ち。日本大学芸術学部文芸学科中退。日本推理作家協会会員。2009年、『山姫抄』(講談社)で第4回小説現代長編新人賞を受賞しデビュー。『泣きながら、呼んだ人』(小学館)が盛岡のさわや書店が主催する「さわベス」1位を獲得。2011年に刊行した『嫁の遺言』(講談社)が多くの書店員の熱い支持を受けベストセラーに。その他に『蛇の道行』(講談社)、『四月一日亭ものがたり』(ポプラ社)、『ひかげ旅館へいらっしゃい』(早川書房)、『ごめん。』(集英社)など。昨年刊行した『カスタード』(実業之日本社)は奇跡と癒しの物語として多くの読者を勇気づけ、本作はその続編にあたる。不器用だけど温かな人情あふれる物語には、幅広い世代にファンが多い。

「2022年 『ロータス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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