ロータス (実業之日本社文庫)

著者 :
  • 実業之日本社
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408557656

作品紹介・あらすじ

「ロータス」――それは、奇跡が起きるタクシー。

タクシーの運転手さんは、みんな不思議な事件の経験者。

彼らが乗客に語る《不思議な世界》の真相は…!?
なぜだか心の奥に沁み込んで、涙がほろりとこぼれます――。


「このたびは、ロータス交通をご利用くださいまして、ありがとうございます」
乗客を目的地まで運ぶほんの束の間、車内で語られる不思議なできごとは、ちょっと怖くて、どこか切ないものばかり。
何人ものドライバーが語り部となって進むその先には、きっと明るい未来が待っている。生と死の狭間で咲く蓮の花のように、優しく心を癒やす物語!

切なく温かく愛おしく……あなたの心に寄り添う、奇跡と癒しのヒューマンストーリー!

感想・レビュー・書評

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  • タクシーの運転手視点の連作短編

    何かを「見た」経験をしたタクシー運転手
    この世に人ならざる存在が登場するにもかかわらずホラーではなく、なぜかヒューマンドラマ


    収録は4編
    ・サナダ
    ・タドコロくん
    ・オガワ堂さん
    ・キツさんたち


    猫絡みの話はやはり響くなぁ……

    同級生との思い出
    でもその相手は……

    前作(?)のお弁当屋さんとのお付き合いも順調なようで
    そして、和菓子屋だった頃のあれが妙な形で描かれる

    お弁当屋のおじさんの現在
    そしてタクシーに一緒に乗り込む若い女性やその他の人たち


    今作だけでもいい話だけど、前作を読んでいるとよりぐっとくるものがあるな
    まぁ、個人的には前作の方が好みでしょうか

    ところで、これは正式なシリーズ名ってあるのかな?

  • カトゲンさんの魅力がギュッと詰まった一冊。
    ほのコワ切な。ちょっぴり不思議でほんのり温かい、人から人へ伝わる優しさに満ちた物語たち。
    紡ぐのはロータス交通の運転手さんたち。いろんな人を乗せるタクシーの、いろんな人との話から広がる信じる人にだけ見える世界。怨念?情念?いやいや、行きつく先は愛情ですね。
    一年に一度の、このシリーズ(じゃないけど)続いて欲しいな。少しずつつながって重なって織りなす人間模様。

  • 人より「見えちゃう」タクシー運転手の物語。タクシーといえば怖い話。
    でもホラーじゃなく、なんだか笑えてちょっぴり泣ける4つの物語。
    各エピソードにはクセの強い幽霊やら妖怪やらが登場。
    タクシー運転手がお客さんに話して聞かせるスタイルで、分かりやすい話し言葉、漂う落語味。リズム抜群の文体で気分は常連タクシー客。
    なんだかんだで暖かい気持ちになる一冊。

  • Amazonの紹介より
    「ロータス」――それは、奇跡が起きるタクシー。
    タクシーの運転手さんは、みんな不思議な事件の経験者。
    彼らが乗客に語る《不思議な世界》の真相は…!?
    なぜだか心の奥に沁み込んで、涙がほろりとこぼれます――。
    「このたびは、ロータス交通をご利用くださいまして、ありがとうございます」
    乗客を目的地まで運ぶほんの束の間、車内で語られる不思議なできごとは、ちょっと怖くて、どこか切ないものばかり。
    何人ものドライバーが語り部となって進むその先には、きっと明るい未来が待っている。生と死の狭間で咲く蓮の花のように、優しく心を癒やす物語!
    切なく温かく愛おしく……あなたの心に寄り添う、奇跡と癒しのヒューマンストーリー!



    ストーリーとしては、ホラーな内容なのですが、文章が軽快だったり、ノリツッコミもあったりとそんなに恐怖感はなく、物語の世界に入り込めました。
    それでいて、最後は切ない展開だけれども、なんだか心があったかくなった気持ちにさせられました。

    全4章で、それぞれの章では主人公の一言
    「このたびは、ロータス交通をご利用くださいまして、ありがとうございます」
    から始まり、ストーリーテラーとなって不思議な話をしていきます。

    幽霊が登場するということで、怨念が絡む話の連続でしたが、時折クスッとさせられるようなノリツッコミがあって面白かったです。

    特に第3話では、テレビ越しでの会話が印象的でした。
    テレビ内では、再現テレビを放送されているのに途中から主人公とテレビ越しに会話をするという斬新な展開に、恐怖な内容でしたが面白さもあって、楽しめました。

    全体としては、バラバラな話のようで、実は大きな関係性があって繋がっていたという展開でしたが、文章の力なのか、不思議と心が安らぎました。

    それにしても、タクシー運転手はみんな幽霊が視えるということで、思わずツッコんでしまいました。

  • 乗客を目的地まで運ぶほんの束の間、タクシーの
    車内で語られる不思議なできごとは、ちょっと
    怖くて、どこか切ないものばかり…。生と死の
    狭間で咲く蓮の花のように、優しく心を癒す物語。

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著者プロフィール

神奈川県生まれ、東京育ち。日本大学芸術学部文芸学科中退。日本推理作家協会会員。2009年、『山姫抄』(講談社)で第4回小説現代長編新人賞を受賞しデビュー。『泣きながら、呼んだ人』(小学館)が盛岡のさわや書店が主催する「さわベス」1位を獲得。2011年に刊行した『嫁の遺言』(講談社)が多くの書店員の熱い支持を受けベストセラーに。その他に『蛇の道行』(講談社)、『四月一日亭ものがたり』(ポプラ社)、『ひかげ旅館へいらっしゃい』(早川書房)、『ごめん。』(集英社)など。昨年刊行した『カスタード』(実業之日本社)は奇跡と癒しの物語として多くの読者を勇気づけ、本作はその続編にあたる。不器用だけど温かな人情あふれる物語には、幅広い世代にファンが多い。

「2022年 『ロータス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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