陰陽五行と日本の民俗 新版

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  • 人文書院
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  • Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784409540855

作品紹介・あらすじ

天地の万象を陰と陽に分かち、木・火・土・金・水の五要素の循環にその「はたらき」を見る。土用の鰻、節分の豆撒き、鳥追いや泥祭りなど、われわれの暮らしの隅々に息づく中国古代の哲理をさまざまな民俗や歳時習俗をとりあげ、あざやかに論証した労作。1983年初版の名著を新組版で読みやすく。

「中国哲学は具象の哲学である。根元の陰陽二気から派生した木火土金水の五気に、時間・空間・事物・事象の一切が還元され、それらはまた青赤黄白黒の五色によって象徴される。季節の推移さえ具象化され、天子が四方に四季を迎えるのはその好例である。……陰陽五行を導入して日本の民俗をみるとき、思いがけず謎がとけ、私どもの祖先は理屈のないことを余りしていないことがよくわかる。民俗行事は理によって貫かれた構造を、しっかりと持っているのである。」(本書より)

〇目次
第一章 陰陽五行思想の概要
 第一節 はじめに
 第二節 陰陽五行思想の概要

第二章 陰陽五行と迎春呪術
 第一節 迎春呪術分類表
 第二節 古代中国人の四季推移に対する意識
 第三節 日本における金気剋殺の種々相
 第四節 日本における水気追放の種々相
 第五節 中国周辺諸国における迎春呪術

第三章 陰陽五行と防災呪術
 第一節 対震呪術
 第二節 対雷呪術
 第三節 防火呪術
 第四節 対洪水呪術――野田・三つ掘香取神社の泥祭りを中心に――
 第五節 対風呪術

第四章 陰陽五行とくらしの民俗
 第一節 正月と盆
 第二節 山の神と田の神――三合の理と作神の輪廻――
 第三節 「亥子突き」考
 第四節 色彩の呪術
 第五節 死屍呪物
 第六節 長寿呪術

第五章 『易』と日本の民俗
 第一節 十一月(子月)和名 霜月
 第二節 十二月(丑月)和名 師走
 第三節 一月(寅月)和名 睦月
 第四節 二月(卯月)和名 如月
 第五節 三月(辰月)和名 弥生
 第六節 四月(巳月)和名 卯月
 第七節 五月(午月)和名 皐月
 第八節 六月(未月)和名 水無月
 第九節 七月(申月)和名 文月
 第十節 八月(酉月)和名 葉月
 第十一節 九月(戌月)和名 長月
 第十二節 十月(亥月)和名 神無月

感想・レビュー・書評

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  • 京極夏彦が好きな人は好きだと思う。
    陰陽五行の知識はほぼないけれど、とても分かりやすかった。
    日本の昔のよくわからない風習なども全て合理的な理由があってのことだったというのが、京極堂の「この世に不思議なことはない」という思想と重なっていて、フィクションとノンフィクションの違いはあれど共通点があり、楽しめた。
    吉野さんの他の作品も読んでみたい。

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著者プロフィール

吉野 裕子(よしの・ひろこ) 1916年東京に生まれる。1934年女子学習院、1954年津田塾大学、各卒。 1975~87年学習院女子短期大学非常勤講師。 1977年『陰陽五行思想からみた日本の祭』によって東京教育大学から文学博士の学位を授与される。 2008年没。 著書:『扇』(初刊1970年、再刊1984年、人文書院)、『隠された神々』(初刊1975年、再刊1992年、人文書院)、『陰陽五行思想からみた日本の祭』( 初刊1978年 再刊2000年、人文書院)、『五行循環』(人文書院、1992年)『十二支』(人文書院、1994年)、『ダルマの民俗学』(岩波新書、1995年)、『陰陽五行と日本の天皇』(人文書院、1998年) 、『易・五行と源氏の世界』(人文書院、1999年)、『古代日本の女性天皇』(人文書院 2005年)『吉野裕子全集』(全12巻、人文書院、2007~2008)など。

「2021年 『十二支 新版 易・五行と日本の民俗』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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