- Amazon.co.jp ・本 (127ページ)
- / ISBN・EAN: 9784413006392
感想・レビュー・書評
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私は知りませんでしたが、とても有名な本だそうで。
題材は鮭の産卵。主人公は鮭です。
題材だけでは魅かれないのに、とにかくレビューが好評で逆に興味がわきました!
読んで納得。深いです。
人間と人生について書かれています。
人間関係、社会の事、人生や生きること、共存についても触れてあり、心に響きます。
そして想像力豊か!
すらすら読みやすい点も良かったです!鮭の産卵の知識まで付いちゃいます。
群れで動く動物に対して、それが当たり前だと思っていました。
だけど、動物だって「一人になりたい!団体は窮屈!自由にさせてほしい!」と思いながら、
疑問を抱えて生きてる事もあるのかなぁぁぁ、なんて。
群れの良さや一人の覚悟など、自分にもどこか当てはまる身近な本です。
韓国ではとても有名なベストセラーとなっています。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
人間界を鮭の世界におきかえて
主人公が感じている生きていく上での悩みが描かれていました。
最初から最後まで、川を目指す旅をしている鮭たちですが、
これは、日本では北海道あたりでよくみられる
鮭が産卵のために海から生まれ故郷の川に戻ってくる現象です。
銀色の鱗をもつ主人公のカムルは、
他の鮭と自分との違いに気がつき、とほうもない孤独感を持っていました。
鮭の群れに入って泳いでいても、
誰もカムルに話しかけてくれず、カムルはいつも一人ぼっちでした。
そんなある日、カムルに澄んだ瞳の鮭エインが話しかけ、
二人は仲良くなります。
そして、身体にほんのりと紅い斑点が出たとき、
卵をうむために、生まれ故郷の川へと向かいました。。
本能にしたがって川を登り、
危険も省みずに、自分たちの子供へ夢を託そうとするカムルとエイン。
鮭独特のこの一生は、自然界の現象とはいえ、
本当に不思議な習性だと思っていました。
この作品は韓国の作家が、
生きているうえで大切なことを「銀色の鮭」にたくして書き上げたそうです。
まさしく、大人のための童話でした。
鮭は食べるだけのものではないのです。(笑)