ドバイにはなぜお金持ちが集まるのか (青春新書INTELLIGENCE)

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  • Amazon.co.jp ・本 (188ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784413042024

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  • この本が書かれたのが2008年4月で、まだサブプライムローン危機が生じる半年前に書かれた本です。石油のでないドバイ首長国が世界中からお金を集めて、経済成長を遂げているという成功物語が書かれています。

    丁度このころには、国が破綻してしまったアイスランドや、破綻の直前まで日本国債よりも良いレイティングを受けていたリーマンがまだ元気だった頃だったと思います。

    アブダビは税金は徴収しないが手数料を徴収する(p103)、会社は1年ごとの更新制度がある(p50)等、独自策を打ち出して世界から企業を誘致している点は、この本を読んで得たものでした。

    以下は気になったポイントです。

    ・ドバイが属するアラブ首長国連邦は、7つの首長国から成立つ連邦国家、石油を産出するのは首都があるアブダビ首長国のみ(p20)

    ・中東のハブという立地、タックスフリー環境、インフラの整備、という3要因を備えたドバイに多くの国際企業が進出(p22)

    ・1年のうち約半年間が高温多湿なドバイでは、屋外での活動が大きく制限されるので、冷房を24時間フル活動させてこの期間は一切外にでない生活を送る(p27)

    ・暑いこと以外は地震もなく、雨も降らないひ、台風もないため、耐熱の措置さえすればビルは簡単に建つ、環境・騒音・日照権等を気にする必要なし(p29)

    ・ドバイに行くのにエミレーツ航空を利用するのではなく、別の国へ行くのに利用する客が多い(p43)

    ・ドバイの観光政策は、壮大なプロジェクトや建造物、国際的なイベントの開催、高級ホテルライフの提供、が3つの大きな柱(p48)

    ・ドバイに入るお金は、投資資金、企業などが支払う経費、観光収入、である(p48)

    ・法人に対して「更新制」というユニークな制度がある、企業の寿命は1年間、存続するには毎年更新が必要(p50)

    ・外国人の長期滞在、帰化というシステムはない、滞在許可は一律3年(p58)

    ・インターネット環境は良くない、スカイプにも規制あり、ネットプロバイダーも存在しないため通信費は高いが、固定電話同士の通話は無料(p102)

    ・2006年6月OECDは、世界の35カ国をタックスヘイブン(租税回避地)と指定したが、これにはドバイは含まれない、タックスフリーである(p102)

    ・税金の代りに手数料という名目で政府がお金を徴収している(p103)

    ・中古物件が価格的に一番高い、図面上の新築物件を実物を見ないで購入するのがドバイ独自の不動産投資なので、確実に存在している中古物件は必然的に高くなる(p117)

    ・従業員や役員のビザを申請する際には、会社は政府に保証金を支払う必要があり、この保証金の返却には会社の閉鎖、撤退を証明する書類が必要になる(p127)

    ・イギリス人にとってのドバイは、日本にとってのハワイ、一日に何本も直行便が出ていて自国語が街中で通じる、治安も良くきれいなビーチがある(p139)

    ・ショッピングモールには、高級ブランドからカジュアル品、デパート、スーパー、レストラン、カフェのすべてが収まっている(p154)

    ・競馬は、賞金はすべて活躍した馬と馬主に捧げられる、ドバイワールドカップは、世界中のVIPが集まる華やかな社交イベント(p160)

    ・ドバイの労働者は本国よりも良い生活や良い待遇を受けていること、政府や企業が外国から働きに来ている労働者に働きやすい環境を与えているかについては報道されない(p177)

    ・野菜や豆をふんだんに使ったヘルシーな食事は、日本人の口に合う(p181)

    2010/10/23作成

  • 今日のドバイの発展とその概要を学ぶのに最適な1冊。

    以下メモ
    ドバイに資金が集まる理由
    ・投資
    →投資先が豊富、タックスフリー
    ・観光
    →ex.エミレーツ航空
    ・手数料
    →更新制、スポンサー制

  • 中東株投信を持っているので、ちょっとドバイ方面は気になります(この本を買う気はないのですが)。しかし、先日のNHK特集(若干印象操作が強めでしたが)を私も見ましたが、健全で持続可能な経済発展とは真逆の方向性を感じました。しかし、保有しているファンドは、若干の含み損こそありますが、大きい下落はしていません。原油価格下落も影響していない様子(2008/8/7時点)です。不思議な値動きはする地域ではあるようです。

  • やはり優れた独裁者による統治は最高ですね。跡継ぎ次第で一瞬で壊れるってのが致命的だけど。内容はいまいち。「データではなく、主観で語ろう」ってスタンスなので。別のドバイ本も読んでみよう。

  • 日本にはマネできないけど、お金に余裕のある国が自由に発展していく。ドバイ、七つ星ホテル泊まってみたい。

  • ドバイがヤバいって話がすごくてそのとき買った本。結局ドバイショック起きて投資熱冷めましたが、もっと知らないとね。

  • ・ドバイはとても暑い国だが、暑いがゆえに環境が整っている。例えばショッピングモールは入り口まで車での移動が可能など。
    ・かつての遊牧民の名残か、住所という概念が無い。郵便配達は大変だろう・・・。
    ・魅力的な国ではあるが、やはり金持ちが行くところの印象が否めない。高級ホテルに高級レストラン、大規模なショッピングモール他楽しめる場所はたくさんあるようだが、全てお金がかかるもの。お金もちは当然集まるだろうが、一般人の旅行でも無理してお金を使うものだから、この国がますます潤うのではないか。
    ・安易に旅行に行く気にはなれなかった・・・。
    ・エミレーツ航空の戦略はさすがと思った。

  • ドバイ旅行に備えて読みました。

    案外知らなかったことが何点かあり、
    参考になりました。

    ドバイ=オイルマネー というイメージでしたが、ドバイは石油があまり取れないのだとか‼
    真珠が貿易の要だったのかと、眼から鱗です。

    ドバイのおすすめスポットが載っていたり、ドバイ入門としてはちょうど良いです。

    ただ、どうしても著者の私観がメインになってしまったりするので、本としてはどこまで評価できるのか不明です。

    もっと学術的な内容も知りたかったです。

  • 可もなく不可もなくなドバイの解説本。です。

    ドバイはあくまでも経済都市との観点から、世界のハブとなることで人を集め、またより人を集めやすくするために超セレブな観光都市を作り、その集まったお金で冨を生み出そう、というドバイの戦略が簡単にまとめられていました。

    が、正直、よく理解できない印象。
    もともと中東の貿易拠点だったのになぜ近年、あんな奇抜なデザインのビルをにょきにょきたててランドマークにしているのか、よく分からない印象。
    現地にお住まいの方ならではのちょっとしたレストランガイドなんかもついてますが、観光ガイドとしては不十分だし、ドバイの文化・経済の解説なら「株式会社ドバイ」のほうが中身が濃いです。
    中途半端ですが、ドバイの触りを知りたいならいいんじゃない?な本です。

  • [ 内容 ]
    ベッカム、ビル・ゲイツも別荘にした世界最大のリゾート島。
    石油が出ないのに5年でGDP2倍の経済急成長…いま砂漠の人工都市が熱い。

    [ 目次 ]
    1章 なぜいま“砂漠の人工都市”が熱いのか(ドバイにお金が集まる本当の理由とは 「石油が出ないこと」がドバイの原動力 ほか)
    2章 日本人が知らない素顔のドバイ(共存する各国のコミュニティ 85%が外国人のドバイで人種問題がない理由 ほか)
    3章 世界の投資資金がドバイを目指す理由(各大陸をつなぐハブとしての強み インフラと交通の発達がもたらしたもの ほか)
    4章 世界中の富裕層が訪れるその魅力とは(街全体を高級ブランド化するドバイの戦略 なぜヨーロッパの人々が訪れるようになったのか ほか)
    5章 ドバイは「中東」のイメージを変えるのか(ドバイの景気は原油価格に左右されるのか 世界の景気とドバイ経済の関係 ほか)

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