- Amazon.co.jp ・本 (281ページ)
- / ISBN・EAN: 9784415087917
作品紹介・あらすじ
学生時代からの友人・魚住に勝手に居候を始められた会社員・久留米。心因性の味覚障害に陥ったり拒食症で倒れたりするなど問題多発で、顔はイイが不運三昧の男・魚住の世話を不満タラタラで仕方なく焼くうち、無自覚で芽生え始めた感情があった…。鈍すぎる男達・魚住と久留米の人気シリーズ、第1弾。
感想・レビュー・書評
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1巻目の魚住君はマイナススタート(人として) まぁ、それには色々と理由がありそうなんだけれど……周囲が優しさを持った人たちばかりなので(決して過保護ではない)、少しずつ魚住君は目の前の道を歩くようになっていく。。。の・・・かな?
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記念本に書き下ろし短編が、
収録されると聞いて、慌てて読んます。
95年12月に雑誌掲載された短編がシリーズになったのですね
掲載誌はBL雑誌の草分け的存在のJUNE!
今のような過激な表現がない分、精神面を丁寧に書かれていて、充実感をえられました。
ノンケ同士が惹かれ合う…自分の気持ちを認められない、認めたくない。モヤモヤしながら緩やかに流れる時間。
主人公 魚住のギャップ、当時は新しかったかも?
他の登場人物も、きちんとキャラ立ちしていて、それぞれが魅力的です。
この作品が榎田さんの初めての本かと思うと感慨深いです。 -
あんまりにも良い評判しか聞かないものだから、自然とハードル上がってしまうよね。
実際読んでみた感想は、想定内だった。
やはり期待値上げ過ぎるのも話を楽しむ障害になる事多々。涙
でも次巻も期待。絶対良さそうだから。…って云ってる傍から期待値上げてるし。 -
大学が同じだった縁で付き合いを続けている魚住と久留米。
ある日から久留米の家に、魚住が居候するようになる。魚住は立派なマンションに居を構えているにもかかわらず。
生まれたときからなんとなく不運な身の上で、関わる人の死を見てきた魚住は、とびきりの美形のくせにかなり変わった人格と過去を抱えているのだが、久留米は生来の鈍感さでそんな魚住を可哀想がることも過剰に心配してやることもない。
だがその関係が、とても自然でやわらかく見える。『夏の塩』では、魚住と久留米の気持ちの前兆を著しながらも、決定的な恋愛感はない。友情…をほんのすこしだけ逸脱した…なんかな、家族っぽい関係性。
繊細な経歴や過酷な体験を描きながら、痛みが生々しくないのは、私が幸せに生きてこれたことと、あとは、榎田さんの筆力、魚住の雰囲気のおかげかな、と思う。でもこれはシリーズなので、この先読んでいて辛くなるような展開がくるのかもしれない。
この物語、読み終わってからとてもいい!と充足感に浸った。借り物だが、自分で買いたいくらいだ。
もっと、BLを知らない本読みの人にも読んでもらいたいと思った。 -
最初の二篇がすき!このまま細菌の話とか延々してほしかったなあなんておもうのでした。
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友人曰く「うちにある唯一のBL。某青春小説に通じるものがあるからきっと好きだと思う」って(笑)。ええ榎田さん好きですとも……。
これ単行本で復刊とかしたんでしたっけ?借りたのは文庫版の方ですが。雑誌掲載が95年、榎田さん初の本。
「~くんシリーズ」とかのサブタイトルに時代を感じる。マリちゃんの服装あたりにも時代を感じる。そこに懐かしさと安心感を覚えてしまうあたり、やはりこの時代の人間なんだなと。
おそらく有名作品であろうと思うのであらすじとか書きませんが。気になる方は検索してください(投)。
顔はいいが不運三昧の魚住と、その世話を不満タラタラで焼く久留米の話。魚住くんが…本当に…不運すぎる……。「不運三昧」では到底すませられないような重さなんですが…。そりゃ人間性も破綻するさ……(苦)。
それを気にすることもなく接する久留米。そんでまたまわりのキャラクターが良い味をだしている。魚住と一番長い付き合いのマリちゃん、隣の部屋のサリーム、研究室の濱田などなど。
マリちゃんは言ってしまえば冴子ちゃん(@オーラバ)みたいな人なんですけど、マリちゃんのおかげでこの話が暗くなりすぎることもなく、閉鎖的にもなりすぎずにすんでいる気がする。サリームの優しさも、濱田の飄々としたところもそうだけど。1冊目は一応お互いへの感情をそれぞれ自覚する、
もしくはし始めるくらいまで。全5冊。幸せになってくれよ頼むから…(切実)。 -
不運を引き寄せる体質の魚住と何ものにも頓着しない久留米の不思議な友情物語。マリさんの独特のキャラが魅力的で物語にスパイスを利かせている。
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再読。
何度も何度も読み返したくなる!
本当に丁寧に描かれている作品だと思う。
色んな人に勧めたいけど、そういやBLだった・・・で
なかなか勧められないw
魚住くんシリーズの「くん」に違和感ありまくりw -
テンポのよい話運びに、どんどん物語に引き込まれていく。
わかりやすい明瞭な表現が、安っぽさと親しみやすさのちょうど狭間のラインを辿り、夢の世界の登場人物たちを隣の家の住人のように感じさせる。
BLの魅力のひとつに、男女間の恋愛では描きにくい心の交流を形にできるということがあるけれど、この話もそういうはかない香りを漂わせている。
同時に、人を好きになるときの気持ちを思い出させてくれる。
だれかを好きになるにあたってさしたる理由はないのだが、そこには確たる必然性が横たわっていて、どうしても引き寄せられてしまうのである。
そういう恋は苦しいが、血の通った感情であり、目を背けなければ生きる力を与えてくれる。