桃紅百年

著者 :
  • 世界文化社
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本棚登録 : 86
感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784418135066

作品紹介・あらすじ

あるがままに生きて100年。世界的芸術家篠田桃紅の珠玉の随筆集。

感想・レビュー・書評

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  • TV画面で知った篠田桃紅さん の100歳時に出されたエッセイ集、現在は105歳になられていて未だ芸術への熱は健在ですね♪ さて、このエッセイ集も様々な話題に触れておられるけどやっぱりそこは墨の芸術家、とりわけ単身ニューヨークに渡った時の話題がイキイキしています。そしてやっぱり凡人とは違う資質を持つ方ですよね、いつも背筋がシャンと伸びている人。TVのドキュメンタリーに惹かれて読んだのですが、彼女の人と成りがよく分かりました♪読んで良かったです。本名 篠田満洲子さん 父が付けた雅号が桃紅、篠田正浩さんは歳の離れた従弟などもこの本で知りました。

  • ふむ

  • 著者のイメージとしては、眉間にシワを寄せてるような表情で近寄りがたい感じ
    超越した神に近いような

    カッコ良さにに憧れて本を読んでみようと思ったんです
    履歴も気になったしね 実は作品を拝見した記憶がないんですよ(^^;

    読んでみて印象が変わりました
    漢字をカタカナにしたり、読み方や表現にこだわるところ
    冷たいゲージツカというよりも懸命な女子
    ニューヨーク個展のところは、勇気ある行動に感心

    和服にタスキで筆を持つ
    大変失礼だけど親近感が持てる方だと思います
    現在も活動されているはず、個展があれば拝見したいです

  • 若い!文章全体から若々しいエネルギーのようなものが感じられる。びっくりした。背筋がのびるようです。途中、筆者のあゆみが年表にまとめられている中にそのときどきの写真がある。モダンでステキ。与謝野晶子、寺山修司など教科書にのっているようなかたがたのお名前が身近なお話としてでてきて度肝をぬかれる。本物だ。特に長生き希望ではなかったけれど、こんなふうにかっこよく年を重ねることができるならすてきだなぁと憧れる。洋服を着る時の自分のしぐさがいやだと語る美意識の高さに筆者の強いこだわりがかんじられアーティストだなぁと思った。「母という人は、今の私にもいちばんなつかしい人、切に逢いたい女人である。」という一文が心に残った。そのほか気になったワード、出来事は『花下草上』『鳩居堂』『与謝野晶子の屏風』『F氏の茶室』『ニューヨークのパーティ』などなど。でてくるワードが本物なのだ。

  • 線だけの作品で、ああ、読みたいと思わせた102歳の書家・画家の30年エッセイ。

    女性誌を見ていたときだったかな。

    103歳の書家のインタビュー、ということでそれは普通に読んでおりましたが、

    線を見て、ああ、この方の本を読んでみたいと思いました。

    筆を紙に置くときの入射角、そこから力を溜め、一気に引いた線。

    美しい線でした。

    文字というのは、いや線を引くだけでも、その人の人となりが表れてくると思っています。

    この本は時系列をなぜかバラバラにして、33年を3つのパートに分けて、随筆が続いていくというもの。雑誌連載だったのかしら,

    30年以上前の、スタート時に、既に66歳なのですよね。そこでも、今でも、文字、というより「かたち」に対するイメージを文房四宝を手に世界につくりあげようという熱を持ち続けている方。

    その逸る気持ち、一心不乱な気持ちを抑えるため、目標はあまり立てなかったり、団体に所属せず、当時の状況からするとびっくりな単身渡米。そして家族を作らず過ごすお姿はしなやかで、竹のようと評した感想もまさに納得。

    最後の最後、「健康法」と題された部分が素敵。

    『我儘にしていて、やりたくないことはやらないようにしていること、ぐらいで、特別に健康法ということはしていないのです。』

    『心の方の空気も上等のものを吸いたいと、よき人を知りたい、よきものを読みたい、よき物に触れたい、よきかたちを見たい、よき音を聴きたい、と、希いだけは失いません。』

    いやなものを排し、よきものをとり入れる。単純だけど、この積み重ねをきちんと行い歩みを進めていきたいですね。

  • 【最終レビュー】

    ノンフィクション。予約著書・約、2ヶ月待ち。図書館貸出。

    『モーニングバード(放映終了→モーニングショーへ。テレビ朝日系)』

    数ヶ月前、桃紅さんの密着特集が放映され、羽鳥アナが彼女の仕事場兼自宅を直接訪問し

    羽鳥アナ既読済の彼女の新刊著書

    《『一〇三歳になってわかったこと』=(書店でも、未だ大きくこの著書を、紹介兼ピックアップしています〉》

    が紹介されていたのがきっかけ。

    一冊目、彼女自身の人生の道筋を辿った

    〈60代後半~90代。自らの想いを、淡々と綴った『想い』の『数々』〉

    〈彼女の人生の歩み全ての概略〉

    がベースとなっている著書。

    朝ドラ『マッサン』のエリーさんの土台になっていたモットー

    《人生は冒険》

    エリーさんと同様、桃紅さんご自身そのものにも

    『このモットーのピースが、ピッタリとはまるかのような』

    そんな人柄そのものでした。

    常に謙虚でかつ、不器用なことも自らの中でしっかりと彼女自身が認めた上で

    『自分の内面の気持ちと「真っ向から向き合い」一歩、一歩、歩んでいく「真摯な姿勢」』

    それでいて

    『歌、著書、映画、ニューヨークでの個展・長期滞在で得た「様々な思考に触れた心境の変化」』

    『街並の「景色」・緩やかな季節感が漂う「言葉」に隠された「品の高さを含めた、奥深い描写」』

    といった振り幅の広い

    〈圧巻な「教養力」〉も〈持ち合わせている〉

    この羽鳥アナの紹介がなければ、本当素通りでした。

    〈同じ一女性としての生き方とは〉

    というテーマも込められている

    《十二分に熟された実りある、桃紅さんの姿勢》

    本当、あっぱれの一言です。

    『一〇三~』の前に発刊された、桃紅さんの、もう一冊の著書(図書館貸出予約中)

    順番がまわり次第、この桃紅百年から以降の彼女の想いに触れたいと思います。

  • 70歳から100歳までのエッセイ集。老年の悟りのようなものに期待したのだが、全く違っていた。70代では死への不安と恐怖が感じられるが、80代では開き直ったのか「私の履歴書」を思わせる過去の思い出・自慢話オンパレードのよくある老害パターンでこの辺は読んでいて辟易する。著者については詳しくはないのだが、それなりに有名な人のようだし、それでもここまで栄光浴が必要なのかと老いる事の難しさを感じた。で、90代でやっと自然体になりつつあるという印象。結婚否定論者の孤高のアーティストらしさが出ているとも言えるが、評価されなければ生きていけない苦悩があったはず。もっとさらけ出して欲しいが、生涯カッコつけて生きる人なのだろう。自分よりも全然若いと感じた。

  • 私が見たいと思う世界で生きていて、なお現役で作家活動を続ける著者の生き方にとても勇気をもらった。独りで生きていくこと、自分の好きなことを全うして生きている姿、灯台のようだ。結婚しないという選択に対して「よろこびも、悲しみも、一人前ではないのではないか、肩身がせまい、というのか、何か責任逃れをしているような」と評する心許なさにも、ものすごく共感する。私はこの先どのように人生を歩んでいくのかは分からないけれど、生きていきたい方向はなんとなく見えてきた、そんなときに出会えたエッセイだった。

    追記:どうしてこんなに仕事を続けている女性に惹かれているのか、分かった。私は仕事を覚えたいんだ。結婚はまだいいなあ、とやっと素直に思えた。世間体や常識に縛られず、でも優しく、私は自分の生きたいように生きたい。

  • いきいきにのってた

  • 2013.9.9市立図書館
    寄稿し始めてから99歳までの文章から選った最新随筆集。
    香りのこと、火と水でできているという話、制作のよもやま話を
    読んでいると、自分でも墨をすりたくなってきてしまう。
    百歳になっても、ひとりですっと背筋を伸ばして、立っている。
    着物を普段着に、疲れも厭わず仕事に没頭する。
    かっこいいな、と思う。

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著者プロフィール

美術家

「2021年 『朱泥抄』 で使われていた紹介文から引用しています。」

篠田桃紅の作品

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