- Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
- / ISBN・EAN: 9784469264999
作品紹介・あらすじ
いまほど「いのち」について考えていかなければならない時代はないだろう。このことは、「いのち」への思いが希薄になったためではなく、私たちを取り巻く環境が変化して、人間存在をおびやかす度合が強まったからである。「いのち」について学んだり、教えていかなければ、目先の便利さや見せかけの豊かさに目をくらまされてしまい、「いのち」の大切さを見失ってしまいかねない。子どもとおとなが一緒になって、意図的に「いのち」を学びあい、教えあうべきときが来たのである。本書は、その第一歩を踏み出すための道標となるものである。
感想・レビュー・書評
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三葛館一般 371.6||KO
和医大図書館ではココ → http://opac.wakayama-med.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=39668詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
私のだいすきな近藤卓先生の本。
いのちと向き合うことを生業にしていくにあたって、この人のものの見方はとても勉強になる。
日々の暮らしの中に、いのちを考えるヒントはたくさん転がっている。ひとつひとつの出来事や、ふとした時に感じた違和感を、ていねいに素直に、ひょいと拾い上げる穏やかな眼差し。そして、それらを繋げていく。本や映画も、同じ眼差しで見つめるから、広がり深まっていく。カリカリ勉強ではなく、こういう風にいのちを、人間を、生活を、包括的に捉えていきたい。
新生活で人との距離感に思い悩んでいたとき、とても共感した。ゆがみを客観的に自覚し、そんな自分を認めることができた。ひとりカウンセリングにもってこい。
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人と人のあいだにある距離というものは、じつに微妙なものである。
相手との関係性や役割・立場・年齢や性別などさまざまな要素を考慮した上で、ほとんど無意識のうちに適切な距離を計算し、そのための行動をとる。
こうした作業をほとんど無意識のうちにおこなっているので、通常はあまり気にならないし、エネルギーを使うこともない。ところが、ひとたびこのことを意識し始めると、これほどエネルギーを要したり、ストレスを感じさせる作業もない。
いま私たちは、自分自身の心身だけにとどまらず、外へ向かっては互いの関係性に、内に向かっては心の深い部分にまで、ゆがみやひずみが及んでいることに気づかなければならない。