古寺巡礼京都 33 新版

  • 淡交社
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  • Amazon.co.jp ・本 (142ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784473035035

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  • 平成21年5月8日 初版発行

    龍安寺は中学の修学旅行のコースだった。奈良・京都は教育的に最高な場所である。多感なころに感動した文化は私にイメージを残し、年を経て楽しませてくれる。独りよがりの想像なのだがそれがまたいい。
    龍安寺の石庭(方丈庭園)は興福寺の阿修羅とともに、15歳の時の強烈な記憶として残っている。
    興福寺は阿修羅のポートレートを買って満足したためか再訪するチャンスはなかったが、龍安寺は知人と再度訪れた。石庭は写真OK写生NOの、たたずむこともなく流れるように歩くだけの混雑だった。

    石庭は「虎の子渡しの庭」の別称で知られる。
    虎の子渡しとは中国の説話であるが、虎が子を3匹産むと1匹はどう猛で他の2匹を食う、さあ川を渡るときどうする?である。現代でも算数のクイズによくでてくる。答えは、3匹の子虎を渡すのに3往復半すればいいのであるが、母虎は一度に一匹しか運べない、兄弟を食うようなどう猛の子であっても見捨てないという前提を忘れてはならない。

    この1ヶ月で松本市内で龍安寺の石庭を連想する2箇所に遭遇した。とても小さくままごとのようで世界遺産の龍安寺の石庭には及びもしないが、その庭を造った人の思い入れを考えてしまうような謎な空間なのである。人はミステリー好きだ。ひとつは玄向寺。もうひとつは竹風堂。

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著者プロフィール

フランス文学者

「2018年 『京の町家 杉本家』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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