飛石を渡れば

著者 :
  • 淡交社
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本棚登録 : 106
感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784473044211

作品紹介・あらすじ

〈茶道、お稽古物語〉
〈畳の部屋で出会う新しい世界〉

不動産会社に勤める星那は、従姉の可夜子に頼まれて、三年前に亡くなった祖母の茶道具を整理することになりました。
外回りの営業中に見つけた茶道の稽古場に通いながら少しずつ自分の働き方、生き方を見つめ直していく星那は、幼い頃の記憶にある「金継の茶碗」を巡って、星那は受け継ぐことの難しさを痛感。茶室の売却やそこで現れる怪しい道具屋、稽古場での新しい出会いなど、12の短編ストーリーと合わせて楽しむ、茶道、お稽古物語です。

感想・レビュー・書評

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  • 「豊かな人生への扉を示してくれるような一冊でした」という読友さんのレビューに惹かれ手にとりました。ありがとうございます♪

    祖母が遺した茶碗。一度割れてしまったのを金継という技術によって修復されたもの。それを手にとり、必ずしも上手く運ばない人生に重ね合わせ、祖母の思いを受けとめる2人の孫娘…ラストは素晴らしかったです。

    庭へ誘う飛石、茶室の内部、街の風景…著者の描写がとても美しく、一つひとつの言葉が輝いているようでした。

    • yyさん
      koalaj さん

      本を手に取ってくださったのですね。
      こうやって繋がることができるの、嬉しいです。

      koalajさんの優しい...
      koalaj さん

      本を手に取ってくださったのですね。
      こうやって繋がることができるの、嬉しいです。

      koalajさんの優しいレビューに
      この本を読んだ時の 静かで幸せな空気が
      ふわっと戻ってきました。
      2022/02/27
    • koalajさん
      yyさん

      こちらこそ有難うございます♪
      前にyyさんとまことさんのレビューがきっかけで読んだ『光をえがく人』で知った一色さゆりさん。とって...
      yyさん

      こちらこそ有難うございます♪
      前にyyさんとまことさんのレビューがきっかけで読んだ『光をえがく人』で知った一色さゆりさん。とっても好きになったんですが、新刊が出たことに気づかないでいたので、ありがとうございました。

      ブクログを始めてちょうど一年。皆さんの本棚を見たりレビューを読んだり…ほんとに楽しいですね。これからもよろしくお願いします!
      2022/02/27
  • 豊かな人生への扉を示してくれるような一冊でした。
    タイトルの「飛石」は、茶室へと導くための道。
    “浮世から離れた場所への案内役” と表現されます。

    主人公の星那の暮らしは、仕事にも上司にも恵まれて何不自由なし。
    それなのに何か物足りない、と感じていました。
    憧れの女性上司は言います。
    「仕事はしなくちゃいけないけど、稼いだお金は好きなことに有効活用しなきゃ。
    それこそが、豊かな人生よ。好きなことっていうのはね、
    気が付いたら夢中になっているものよ」

    ある時星那は、伯父から頼みごとをされます。
    三年前に亡くなった祖母の家の片づけを手伝ってほしいと。
    星那の祖母は、誰からも慕われるお茶の先生でした。
    従姉と一緒に片付けを手伝うことになり
    それまで縁のなかった茶道に興味を持ち、
    従妹と二人で茶道教室に通うことになります。

    ここから、静かな和の世界にす~っと引き込まれます。
    蹲(つくばい)、衝立、枝折戸、掛け軸、炉、棗、等々。
    文字を見ているだけでも、心が穏やかになります。
    中でも、金継(きんつぎ)という言葉には 衝撃を受けました。
    初めて知ったのですが、陶磁器の修復方法で
    破損部分を金属粉などで装飾して仕上げるのだそうです。
    ひび割れは金継によって新たな光の線に生まれ変わるのだとか。
    ネットで検索した金継の作品も素晴らしくて
    日本の匠の技を誇らしく思いました。
    作品の中では、金継になぞらえて素敵な記述がありました。
    人間関係も同じように 一度壊れてもまたやり直すことができる、と。

    茶室を守ってきた祖母の生き方に触れ
    茶道で繋がった人たちとの出会いに心を動かされ
    星那は、目で見ることのできない形見をしっかり受け止めます。

    茶道ではないけれど…。
    本を読むことが楽しくて、時に時間を忘れてしまう。
    このブクログに集うみなさんも、私も
    豊かな人生をおくっているのですね、きっと。

  • フラッシュバックのような短編連作が面白い。お茶の世界を展開して謎解き仕掛けが小気味良い。読後感も良いですね‼️

    • ひだまりトマトさん
      忘れものを思い出してくれるホロリとした物語でした。
      忘れものを思い出してくれるホロリとした物語でした。
      2021/06/12
  • いずれまた茶道をやりたいので、読んでみた。
    すごく素敵なお話でした。

    茶道を始めることで、いろんな繋がりがあると言うことに気づいていく。

    家族や友達だけじゃなく、その土地に暮らす人々や、道具や建物が過去からずっと繋がっている。

    そしてこれからの未来まできっと続いていくといいな。

  • 茶道にまつわる短編集。
    茶道に関しての描写は面白かったが、どこか引いた視点で見てしまう感じ。
    短編の繋がりがわかりにくかったのが少し残念。

  • 茶道家の祖母と、その周辺の人々のお話。優しい雰囲気。
    2021/10/11

  • 茶道通して
    その茶室にいる空間を通して人と人とのつながり
    出会い
    考え
    について優しく語ってくれた本

  • 表題作と、
    そこに登場した人物の短編をまとめた連作。

    考えさせられたり、
    ほっこりしたり、
    よく分からなかったり。

  • 図書館で借りた本。
    茶道に興味あるけど、やってみたいけど、敷居が高いと思っていた。読んでみてやはり奥が深い。茶道の基本のきが書かれていて、自分いはやはり無理だと感じた。

  • ん〜お茶の話とかは、面白かったけど、内容的には残り半分は短編集で全部内容薄い感じ??

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著者プロフィール

1988年、京都府生まれ。東京藝術大学美術学部芸術学科卒。香港中文大学大学院修了。2015年、『神の値段』で第14回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞して作家デビューを果たす。主な著書に『ピカソになれない私たち』、『コンサバター 大英博物館の天才修復士』からつづく「コンサバター」シリーズ、『飛石を渡れば』など。近著に『カンヴァスの恋人たち』がある。

「2023年 『光をえがく人』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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