遺したい味 わたしの東京、わたしの京都

  • 淡交社
3.80
  • (5)
  • (10)
  • (10)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 205
感想 : 11
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (215ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784473044532

作品紹介・あらすじ

〈東京・京都の「遺したい味(店)」を教えあった2年間にわたる往復書簡〉
〈これからも遺したい「東京の味」「京都の味」──平松洋子さんと姜尚美さんが綴る「まちの味」とは〉

東京在住の平松洋子さんと京都在住の姜尚美さんが、自分のまちの「遺したい味(店)」を教えあった2年間にわたる往復書簡。

おすすめする店の魅力や歴史を紹介するとともに、東西それぞれの土地で育まれてきた「ならでは」の食文化、時代背景に触れます。

これから先もその土地にあってほしい味とは──“食”と“まち”に関心を寄せてきた2人が、手紙を通じて味の源流を考え、綴った記録です。

月刊『なごみ』の連載「東西おいしい往復書簡」の書籍化。2019年1月号〜2020年12月号までの計24回分を収録し、あとがきを加筆してまとめました。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 往復書簡という形で、著者お2人がそれぞれ相手の見解をしっかり受けとめて、自らが紹介する店への話につなげていくところが見事!単なるお店紹介ではなく、店主の家族や街の歴史にも触れる奥深さがあり、とても良かったです♪

    書簡のやりとりが進んでいくうち、お2人は「遺したい味は、じつは遺してもらっているのだな」という思いに至ります。「代々受け継いできた味を変えずに守っていくこと」にひたすら心血を注いでいる…紹介されたほとんど全ての店主のこの心意気が共通していて、ハッとさせられました。

  • 平松さんと姜さん
    どちらの食に関する本も好き。
    そんなふたりが紹介しあう
    東京と京都の往復書簡。
    また食べに行きたいお店が増えたなぁ。

    ふたりとも自分のお気に入りの店へ
    そっと「おつれしたいの」とささやくように
    お店への取材も温かい。
    その味、仕事の細やかさや心意気
    「こういうところが愛しい」と
    教えてくれているようです。

    あ〜、神田まつやのそばが食べたい
    夏越しのすぐきを買いに上賀茂行きたい
    麹町ドーカンで洋食食べたい
    イノダコーヒ三条支店のコーヒー飲みたい
    (来春まで改装中とは!)
    そんな日がもうすぐ戻ってきますように。

  • 美味しいものを食べるとリフレッシュできる。




    東京と京都の美味しいものを紹介している。




    赤飯が好きでスーパー、たまにデパ地下で買って食べることがある。




    京都の創業明治8年「鳴海屋本店」の赤飯は、秋になると丹波栗がゴロゴロ入っている。




    栗の風味を生かすため、手作業で一粒一粒、渋皮をほどよく残しながら剥ぎ、生栗のまま糯米と蒸し上げるのが特徴で、製法は寸分違わず昔のままだそうだ。




    水は昔ながらの井戸水仕込みで、水道水よりも格段に味が丸く仕上がるそうだ。




    赤飯につやがあり、モチモチしていて美味しい。



    赤飯も美味しいが、カラッと揚がったとんかつもたまらない。




    東京・上野にある「ぽん多本家」は、創業明治38年で、家族4代にわたって味を守り続けている。





    名前は聞いたことがあるが、行ったことがないので味わいに行きたいなあ。




    とんかつ御三家と称されるが、洋食の店なので「カツレツ」だ。




    脂身と硬い筋を引いて磨き、赤身を切り、自家製ラードで揚げる。




    美味しそうに揚げている様子が載っている。




    ブタミンパワーでブーブーと充電したいなあ。

  • とにかくお店の味の写真が素晴らしい
    あったかくて、美味しそうで、人のあたたかみが伝わってくる…

  • 東京在住の平松洋子さんと京都在住の姜尚美さんのリレー式エッセイ
    隠れた名店の紹介文がとても面白く、旅の友にしたい一冊

  • 東京と京都の名店を紹介する往復書簡。
    お店の取材はコロナ禍直前から、現在に至る期間にされていたみたいです。
    写真の売り子さんがマスクをしていたりでなんとなく察せられるものの本編ではコロナ禍には触れず、あくまでお店の歴史やお店の味の紹介に徹していました。
    表紙は子どもの頃にお土産でよくいただいたお稲荷さんとかんぴょう巻のお寿司屋さん!
    このビジュアル懐かしい!こんな来歴のお店なのですね。
    当時は子どもだったので地味なお寿司にありがたみを感じていませんでした。
    大人の今はお稲荷さんとかんぴょう巻という地味なお寿司にとてもありがたみを感じます。
    四谷に行く機会もあるので、買いに行こうと思いました。
    京都のお店紹介で印象に残ったのは円形のカウンターの喫茶店です。なんかおもしろい。
    あとがきにもあるように飲食店もコロナ禍の影響で苦境が続きますが、行ける機会が得られた時にお店がなくなっていないことを願わずにはいられませんでした。

  • コロナ禍という世相を考慮してか、往復書簡
    という形式をとって、東京と京都のお互いの
    「100年後も残って欲しい」と思える店を紹
    介しています。

    いずれも家族経営であったおかげで、手広く
    事業を行なっていなかったことが幸いしてい
    たり、常連客に守られていたり、と地元に愛
    されている店ばかりです、

    間違いなく、この先100年も続いていくだろ
    うと思わせるお店ばかりです。

  • 身近な 人を連れて行きたい店!
    京都行きたい!東京もコロナ なんとかなったら行きたい!

  • 食に関するエッセイが多い平松洋子さんと京都に関する食の文章を執筆する姜尚美さん、二人の2年に及ぶ往復書簡、エッセイである。
    東京という首都、大都会に長年根差す店、味を紹介、どの店も「なるほど江戸っ子だ」と思わせる。しかしそれほど敷居が高いものでもなく、文章を読むだけでも行って食べてみたくなる店である。
    一方京都もそのイメージというと懐石やら京料理といったものを思い浮かべがちだが、普段使いの店である。京都という土地文化、そこに住まう人たちが長年かけて培った物の上に成り立っている店ばかりである。
    二人のキレのある文章でそれぞれの店の雰囲気、味が読者に伝わってくる。

  • コロナ禍の中、外食もお出かけも頻度が減り、というかほとんど自粛状態。わざわざ電車に乗って、お目当ての店に食べに行くというのはほとんどしていない。このような本は逆に辛くなるかと思ったが、そんなことはなく、落ち着いたら行ってみたいと楽しみになった。
    意外なことに東京、京都それぞれに数軒ずつは行った店があり、わざわざ行ったわけではないのになぁと思うと、それこそこの本に出てくるお店の特徴なのかなと思えた。
    お店の味とともに、昔のことを思い出し、わりとしみじみしてしまった。
    特に、幼い頃祖父と行った進々堂(確信が持てないまま何十年も経っている)、母と南座に行く前に何度も折り詰めを買ったひさご寿し(お値段を見てちょっとびっくり。もう少し買いやすい値段かと思っていた。相当昔だからもちろん値段は違うに決まっているのだが)、こんな美味しいお赤飯を食べたことがないと思った鳴海餅…
    あー京都に帰りたい、母に会いたい、ワクチン早く打ちたい…とか訳のわからん感情が湧き上がってきた。

    東京
    神田まつや そば
    麻布十番たぬき煎餅 
    西荻窪しみずや パン
    浅草飯田屋 どじょう
    南千住カフェバッハ
    上野ぽん多本家 とんかつ
    四谷志乃多寿司 いなり 干瓢巻き
    新宿随園別館 中華
    湯島シンスケ 居酒屋
    深川伊勢屋 和菓子
    神楽坂御料理山さき 江戸料理 なべ
    麹町ドーカン ポークご飯


    京都
    上七軒ふた葉 うどん
    嵐山鶴屋寿 桜餅 
    百万遍進々堂 喫茶
    姉小路麩屋町平野とうふ
    堀川下立売鳴海餅本店 赤飯
    千本三条冨美家 中華そば 巻き寿司
    河原町四条ひさご寿し本店 蒸し寿司 盛り合わせ
    壬生キートス パン
    三条堺町イノダコーヒー三条支店 
    宮川町グリル富久屋 フクヤライス
    上賀茂すぐきや六郎兵衛 すぐき
    今宮神社一文字屋和輔 あぶり餅

全11件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

平松洋子=1958年、倉敷生まれ。東京女子大学卒業。エッセイスト。食文化、暮らし、本のことをテーマに執筆をしている。『買えない味』でBunkamura ドゥマゴ文学賞受賞。著書に『夜中にジャムを煮る』『平松洋子の台所』『食べる私』『忘れない味』『下着の捨どき』など。

「2021年 『東海林さだおアンソロジー 人間は哀れである』 で使われていた紹介文から引用しています。」

平松洋子の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×