ブラインドテストNo.1―プラズマTV「KURO」はなぜ支持されたのか?

著者 : 金谷年展 赤池学

• ダイヤモンド社 (2007年12月14日発売)

感想・レビュー・書評

[asug/ryutoさんの感想 · 2008年8月19日]

　本書でブラインドテストの手法に関する詳細なデータを期待すると痛い目を見る。また、プラズマTV KUROに関する緻密なマーケティングの詳細を期待しても痛い目を見る。といった形の内容になっています。


　真のメインとなっている部分は「ブラインドテスト」に関する内容がメインでもなく、「プラズマTV KURO」がメインでもなく、「パイオニア」という会社が「KURO」という製品を出すまでに築き上げてきた、「高品質な製品を作り上げるための土壌が出来上がった道筋」にあります。


　ただし、著者がパイオニアという会社を非常に愛しているためか、「高品質な製品を作り上げるための土壌が出来上がった道筋」の中において、私自身が重要だと考える「どう失敗して、何を学び、次につなげたのか」が少なく、「成功した道のり」しか書かれておらず非常に残念に感じる部分が多くあります。


　パイオニアという会社が好きであったり、KUROという製品に興味を持っている方であれば、非常に楽しめると思います。