いまこそ、ケインズとシュンペーターに学べ―有効需要とイノベーションの経済学

著者 :
  • ダイヤモンド社
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  • Amazon.co.jp ・本 (292ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478008263

感想・レビュー・書評

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  • 同い年のケインズとシュンペーター、その違いと交差点を、経済書らしからぬ読みやすい構成で楽しめた。

    s:企業家は単に生産要素を結合して生産活動を組織化するだけでなく新結合(イノベーションと呼ぶ)を遂行する
    k:貨幣改革論
    企業家を成金に変える事は資本主義に致命的な打撃を与える。それは不平等な報酬を許容する心理的均衡を破壊するからである。
    k:一般理論 穴を掘って埋めるといった
    無駄な公共投資ではない。Wise Spending
    s:景気循環論 不況と回復は経済の進化のプロセスにおいて不可欠

    ケインズは需要不足は与えられた条件だとして政府による政策を考えた。シュンペーターは需要が飽和したモノやサービスに代わって新しいモノを作り出すこと、すなわちイノベーションこそが資本主義経済における企業あるいは企業家の役割だと説いた。
    2011.04.17

  • 吉川先生の素晴らしさが凝縮されている珠玉の一冊。本当の知識人はこういう文章を、読み手を惹きつけるように書けるものなのだろう。僕も先生のような人になりたい。興味深いテーマと、綺麗な日本語に痺れるが良い。

  • 政府の政策の基本的な考え方を知る事ができた。経済を専門にしていない人に勧めたい。

  • ケインズとシュンペーターの経済学の話

    ケインズとシュンペーターの経歴から入るところから始まるので、ケインズとシュンペーターがなぜその学説を導きだしたかなどは、分かり易い。

    ただ、この題にある
    『今こそ』というところが、あまり触れられていない。
    ただただ、ケインズとシュンペーターに関する本で、キャッチを売れるように作ったなという印象。

    でもケインズとシュンペーターに関することは、これ一冊である程度わかると思われるので、経済学の常識としては一読の価値あるのかなと思う。

  • 素直に面白かった。
    ケインズとシュンペーター、彼らの提示したビジョンのポイントを、彼らの育った環境・歴史に触れながら、分かりやすく説明してくれています。

  • 内容はともかく、もっとわかりやすく書いてほしい。
    学べっていっているのだから、前知識が無い人にもわかるように。

    ト、2010.27-29

  • まず、自分の知識がたりず、理解しきれていない

    とはいうものの、それは承知で購入した


    問題はその内容であり、

    『~~に学べ』というわりに、ほとんどが彼らの経歴云々に費やされている


    実際、本書の目的は彼らの経済学を統合して現代社会に応用する

    というものだったはずなのに、それに対するページは最後の10数ページほどしか割かれていない

    それなりに学ぶところはあったものの
    お金を返してほしい

  •  20世紀前半の偉大な2人の経済学者の考え方を、その人となりを含めて解説した。ケインズは有効需要の不足を経済政策で解消する理論を提示したのに対し、シュンペーターは創造的破壊とイノベーションによる経済成長を論じた。日本経済との関係性は明示的には論じられていないものの、学ぶことが多い本である。(日経・福田慎一:2009/12/27)

  • いいとこ取りで学びましょうということ

  • 一見矛盾する二人の経済学。なぜ両方が必要なのか?
    今、直面する経済問題について、2人の天才が遺したものを振り返る。
    2人の処女作に始まり、ターニングポイントとなる戦争・恐慌、また彼らの名著を紹介し、
    彼らが行き着いた考え・理論に触れる編年体といった構成だ。

    まず彼らの主張を見ていくと

    <ケインズの主張>
    一国経済全体の活動水準は、供給側ではなく、需要の大きさで決まる。
    言いかえれば、不況は需要不足によって起きる。

    <シュンペーターの主張>
    企業家によるイノベーションこそ、経済発展の要である。
    またイノベーションは不連続であり、好況を生み出すものだが、
    新しい均衡への調整(不況)が必要であり、不況なくして、経済発展はなしという。

    お互いの注目すべきところを書き出すと

    <ケインズメモ>
    ケインズは投資が最も重要視されるべきものであるという。
    →投資が孕む不安定性こそ、資本主義経済の変動すなわち景気循環の主因という。
    投資が著しく落ち込めば、貨幣数量とは独立にデフレの原因となる。
    投資が増えれば、GDPはその乗数倍に上昇する。
    インフレの下で企業が行う事業はギャンブルとなり、投資の効用が劣化する。
    →棚ボタで得た儲けは、心理的均衡を破壊となり、日本でいうバブル紳士に成り下がる。
    「付和雷同」が正解となるゲーム。それこそが金融市場の本質。

    <シュンペーターメモ>
    1929年の世界恐慌は、第一次世界大戦後のイノベーションによって必然的に起きた不況だ。
    金利は、あくまでもイノベーションの結果として生まれる実物的変数である。
    イノベーションによって新しいモノが生み出されるから、需要が飽和することはない。


    下記に示すマンキューの入門経済学で基本的な知識を漁ってからこの本に挑んだが
    やはり経済学を専攻としていないので、わからないところだらけだった。
    ちょっと経済をかじったくらいの人には、おススメできない内容となっています。

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