- Amazon.co.jp ・本 (347ページ)
- / ISBN・EAN: 9784478012482
感想・レビュー・書評
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新事業開発のお勉強。
2人は、本当に成功している経営者は、自分の会社を立ち上げる前に、「現実世界を経験」していることが多いと言うのだ。彼らの言う「現実世界の経験」とは、顧客と関係を築くことを主な業務とする、営業職のことを意味していた。顧客を担当するという重責を、肌で感じてみるべきだと言うのである。
■嵐の中で平静を保つ方法
・その瞬間にとどまる。
・自分の感情を観察する。その感情に同化しない。自分の反応を意識する。
・相手の感情に乗らない。相手に耳を傾け、自分自身に耳を傾ける。
・自分に問いかける。「これにどのように対処すべきか?そもそも反応すべきか?」
■重要なことのみ集中しよう
…開発者たちの合言葉は、「速く、簡単に、最初から間違いなくやろう」だった。…
私たちはできるだけ使いやすい、最高の製品をつくることに集中し、その一点に時間を費やした。最初からあらゆることに同じだけ集中するのは不可能だ。ひとも時間も限られている。なので、80%の違いを生み出す20%に集中すべきである。
■口コミ現象を起こそう
…もっとも直接的に売上につながるマーケティング手法を検討し、次の2つの手法を取り入れることにした。これはいかなる企業でも利用できるし、効果が期待できるものだ。
・記者の記事:新聞や雑誌に掲載される、ビジネスや技術に関する偏りのない話
・顧客の声:顧客自身が語る導入の成功事例を中心とした口コミ現象
■無料で試してもらおう
無料で利用してもらい、貴重な意見をもらえば、製品の改善にもつながる。成功するには、それがひとつの鍵だと考えていたのである。
■強固な基盤となる試作品に長期的に投資しよう
設計においては、長く使えるコードを書くのが私たちの哲学だった。パーカーとデイブとフランクは、「速く、簡単に、最初から間違いなく」という、システム設計の指針を初日にまとめた。
■V2MOMを使って目標に焦点を絞り、組織を結束させよう
セールスフォース・ドットコムが成功できた最大の秘訣は、異常な勢いで成長する中でも、組織の一体感を維持し、コミュニケーションを欠かさなかったことだと思う。組織が急速に成長しているときには、絶え間ないコミュニケーションと強い一体感が何にもまして重要だ。当社がその両方をうまくできたのは、私が数年前に開発した秘密の経営プロセスがあったからである。
…
…V2MOMとは、Vision、Value、Method、Obstacle、Measureの略語であり、ブイ・ツー・マムと発音している。
※セールスフォース・ドットコムの最初のV2MOM
Vision:世界クラスのインターネット企業とSFA(営業支援)サイトを速やかにつくりあげる。
Value:1.世界クラスの組織
2.市場投入までの期間を短縮
3.機能的
4.使いやすさ(アマゾン並み)
5.付加価値型のパートナーシップ
Method:1.チームを雇う
2.製品の仕様と技術アーキテクチャをまとめる
3.ベータ版と最終版向けの製品仕様書を素早く作成する
4.大きなEコマース、コンテンツ、ホスティング会社とパートナーシップを構築する
5.サービスの発表計画を立てる
6.出口戦略を立てる(IPO、買収)
Obstacle:1.開発者
2.プロダクトマネジャー、事業開発担当者
Measure:1.試作品は最先端の技術を組み込む
2.高品質で高機能なシステム
3.パートナーシップはオンライン上で管理、統合されている
4.セールスフォース・ドットコムがリーダーおよびビジョナリーとして認識される
5.全員がリッチになる詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
最強のSaaSカンパニーが誕生するまでのストーリー。きれいに書かれすぎてて、絶対もっと色々あったはずだろと思うけど(笑)
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対象読者はどういった人が最適なのか?
もし、マイクロソフトやグーグルなどの列伝本と同様のものを期待しているならば、この本は少し方向性が異なります。
つまり、技術者がワクワクして読む、という類の本ではないです。
まぁそれは善し悪しとはまったく関係ないことで、好き好きの問題でしょう。
少なくとも、セールスフォースとはどういう会社なのか知りたい人にとってはベストな選択となるでしょう。 -
移動中に仕事ができず車内で読了。
No Softwareなどというスローガンを掲げた会社の、ある意味非凡な物語のはずなのに、語り手の語り口は平凡だ。あっけらかんと、何もかもが当たり前であるかのように淡々としているようにも見える。ポジティブではあるが、今のかの会社の勢いを感じるような強烈なうねりがここにはない。
だからきっと本当は書かれるべき物語がここには書かれていないのだ、というような気になってしまうのは行き過ぎだろうか。
AppleのSteve、SunのScott、あるいは師と仰ぐOracleのLarryのような、ある種の強欲さが感じられないが故に好感を持って読めるのだが、それだけで素直に終われない。何かが足りないという気がしてならない。
が、例えばソフトウェア企業の人間にとって、元気にはなれるし、清々しさがあることも事実。たぶん参考書にもなる。訳文もこなれていて読みやすい。再読。 -
相当気になってます。領域もそうですが、実際にいま通っているお客様も導入したみたいだし。でも、利用料が高すぎて、利用を停止しているという、裏話も。。。研究、研究。