評価経済社会 ぼくらは世界の変わり目に立ち会っている

著者 :
  • ダイヤモンド社
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478015889

感想・レビュー・書評

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  • とにかくまずは、自分の事を「勝ち組だ」と思っている人に是非とも読んで欲しい本だと思います。これからの日本の大多数になりつつある弱者の論理がよく分かる本だと思います。

    傍から見れば「ダメなやつだなあ」と思える人たちでも、その人たちはその人なりに、そういった行動を取る理由があるはずです。それを理解しようとせず、自分の価値観だけで「こうあるべきだ」と偉そうに主張するようなやり方は、これからの日本では通用しません。「昔と違って今の時代は価値観が多様化している」という事実をしっかりと認識した上で、そういった人たちの意見にまずは反論せず最後までその主張を聞き通す事が今後のビジネスにおいて重要なんだと思いました。・・・ビジネスとか言ってる時点でこの本の主張に反するかも知れませんが^^;。

    蛇足ですが、この本が主張している「私たちはもう科学に多くは期待していない」という考えに対し、同意はしつつも、エンジニアとしてはその期待を良い意味で裏切ってやりたいと感じました^^;。

    正直、確かに世界が一気に変わるドラスティックな商品を世に産み出す事は難しいと思います。ただ、例えそれが小さな一歩であっても、その積み重ねによってより良い世界になっていくと信じたいです。またその際には、市場を見ない作り手側の独りよがりなモノづくり(利益独占を狙った独自規格、過剰過ぎる機能、新たな儲け口を作ろうという意図が透けてみえる機能などなど)をするのでは無く、使う側の立場に立った視点でのモノづくりを行っていきたいと思います。

  • 貨幣経済社会から評価経済社会への変化を書いた本。2021年にこの本に出会ったが、なんの違和感もない。東日本大震災の前に出版されたのだと気付き、震災後にはまた違った価値観が生まれたのだろうなと思いながら読んだ。パラダイムシフトの最中にいる私たちの価値観は日に日に変化していると実感できる。「ネットの意見に自分が溶けていってしまう感覚」がよく分かるだけに実感を持ちながら読み進めることができた。

  • 堺屋太一
    やさしい情知の法則
    どんな時代でも人間は、豊かなものをたくさん使うことは格好よく、不足しているものを大切にすることは美しいと感じる

    ピクサーってジョブズだったんだ…知らんかったけど納得

    これまでの価値観の変遷の考察を見るにはいい本。

    自分の意見や価値観を全部自分でつくり出すことがそもそも不可能だと思う。生まれたときから何かの意見や価値観に囲まれているから。
    しかもこれだけ歴史や知見が溢れていれば、重複しない方がおかしい。

    でもたくさんの知見、経験から咀嚼して、組み合わせて、オリジナルを出すことは可能。

    考える=ネットで賛同できる意見を探す
    ではなく
    いろんな意見を見て自分なりの答えを出す
    だと思ってる。
    その結果、同じ考えをする人もいるにすぎない。
    そうやって考えられたものたちがぶつかって、新しい解を導き出して進化してきたのでは?

    競争という概念から、協力とか互助的な方向に進むと思う。

    本当の最終章はラストページな気がする。

  • 時間がないので速読をテーマにしてみた。
    1時間以内くらいで読んだ(読んでない)。

    目次読んで、各章に掛ける時間を決める
    最初と最後の章以外はパラパラ読み、章の最初と最後の気になるとこだけ数行読む。
    最終章と後書きだけ軽く全部読む。

    まあ、初心者向けの内容で
    社会学的に人の価値観の歴史を振り返りながら
    現代の情報送受信の双方向性・複雑性
    資本主義社会からパラダイムシフト起きてることの説明
    って感じかしら。

    最終章にあるように、これから2,30年の間
    過渡期で、価値観の変化に人々が翻弄される時期だとして、さらに良い時代を迎えるための痛みと捉えて信じるべきですね。

    色々タイミングが合わずちゃんと読めなかったが、もしも別の時期があればちゃんと読みたい。

  • ★★★★★満点の理由は、本書が2011年に「評価>おカネ」になると結論づけたことに驚いたから(僕は17年に読みました)。

    「評価」が社会にシステムとして浸透する論考はもちろん本書に、おカネについての論考は「お金って、何だろう?僕らはいつまで円を使い続けるのか?(書籍)」に詳しくある。

    物事に普遍的な中心はなく、すべての関係性で生じるベクトル「力の方向と量」を切り取った瞬間に過ぎない、という前提で歴史、宗教、社会学、心理学あらゆる角度から切り込んで「評価>おカネ」の結論に導いてくれる。

    岡田氏がベクトルに影響を与えるひとりひとりのエネルギーとして参考にしているのが、堺屋太一氏の「やさしい情知の法則」。どんな時代でも人間は、「豊かなものをたくさん使うことは格好良く、不足しているものを大切にすることは美しい」と感じる生き物であるということ。

    本書は古くならない社会の、人間の本質をついていると感じた。

  • 時代によって変わる、パラダイム(社会通念)によって、我々の考え方には大きなバイアスがかかっているということに気づかされる内容だった。
    そのパラダイム自体もまた、その時代に豊富なものと、貴重なものが何であるかによって大きく変わり得るということを知ることができた。
    昨年、NHKの番組で、今の世代がコスパを重視する理由についての議論があった。これは現存の経済システムに乗ることが、直接的には幸せにつながらない価値観「経済への不信」を反映しているのだろう。とにかく、最低限食べるだけのお金があればよしとして、たくさんお金をもらうために意に沿わない仕事に就くことを潔しとしない。最小限の努力で最大の利益を上げることだけが目標になってしまった。

  • 「ぼくたちの洗脳社会」の加筆改訂版。

  • 2019年現代主流となっている信用経済、価値経済を俯瞰的に捉えている。
    本書が2011年発行なのには驚いた。

  • 社会
    歴史
    経済

  • 名著『僕たちの洗脳社会』改訂版。
    otaking ex.を設立し、持論を実践しているので説得力もUP。

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著者プロフィール

1958年大阪府生まれ。通称、オタキング。1984年にアニメ制作会社ガイナックス創業、社長をつとめた後、東京大学非常勤講師に就任、作家・評論家活動をはじめる。立教大学やマサチューセッツ工科大学講師、大阪芸術大学客員教授などを歴任。レコーディング・ダイエットを提唱した『いつまでもデブと思うなよ』(新潮新書)が50万部を超えるベストセラーに。その他、多岐にわたる著作の累計売り上げは250万部を超える。現在はYouTuberとして活動し、チャンネル登録者数は90万人を超える。

「2023年 『誰も知らないジブリアニメの世界』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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