よい製品とは何か

著者 : ジェイムズ・L・アダムズ 石原薫

• ダイヤモンド社 (2013年5月17日発売)

作品紹介・あらすじ

機能、美、クラフツマンシップ、使い勝手、お値打ち感…「ものづくり」に欠かせない核心的要素を網羅しつくり手のあらゆる努力を結集させる。なぜ性能を上げても売れないのか?ものづくりで一番大切なこと。スタンフォード大学で四半世紀続いた伝説の講義が今ここに。

感想・レビュー・書評

[ナベたろうさんの感想 · 2015年1月24日]

ものづくりにおいて重要とされる「品質」。
しかし、定量的には測定しにくいものでもある。

最近の社会情勢や、生活者の変化を踏まえた上で、
高品質という定義を著者なりに纏めた内容。
全編に亘って体系的にはなっておらず、分かりにくい点も多いが、
各章で説明されていることはどれも納得できる。
ものづくりに関わる人は読んでおいて損はない1冊。

個人的にはブランドとの関係について、もっと言及して欲しかった。

[neigechampagneさんの感想 · 2013年8月18日]

まだ読んでいる途中ですが、この本は図表がまったくありません^^;
講義録の類だからなのか、理由は定かではありませんが。
でも読んでいて飽きない不思議さ。
ちょうど半分読んだところで、後半も楽しみです。

[akio yoshihashiさんの感想 · 2013年5月31日]

製品の「品質」について、広範かつ詳細に語られた「ものづくり」の教科書です。主にハードウェア製品を想定して書かれていますが、考え方の要点はソフトウェア製品やシステム製品などに置き換えても、十分に通用する内容でしょう。

著者の言うように、製品の「全体品質」について深く考えることは「よい製品」づくりに直結するのではないかと。流行りのUXやデザイン手法よりも、より本質に近い論点だと思います。

著者は、ジェイムズ・Ｌ・アダムズ、スタンフォード大学の機械工学部、経営科学工学部、科学・技術・社会プログラム名誉教授。よく知らずに買ってきたら「メンタル・ブロック・バスター」の著者でした。スタンフォード大学のd-schoolの話も出てきます。

【レビューの無断利用はおことわりします。】

[ktazukeさんの感想 · 2018年10月13日]

「品質」の多面性をていねいに解き明かしていて、腑に落ちる。エンジニア出身の筆者のものづくり魂が伝わってくるようで、夢中になる。エンジニアやデザイナはもちろん、企画やマネジメント層にお勧めしたい。

[totssanさんの感想 · 2017年8月9日]

　製品品質を中心に良い製品の定義を模索しつつする、という本。アメリカ的発想？が随所にみられるも、理解しやすく、大学の教科書としてさすがとも感じた。著者が力説するようにHOWTOではないので、相当の時間、咀嚼にかける必要がある。

[pulse02さんの感想 · 2017年5月7日]

一言でいうと、顧客志向で製品を開発し品質を作り込むべし。
本書は、"顧客志向"をかなり広く深く掘り下げて論じている。
製品を使用するユーザーだけではなく、地球規模での地域に根付いている文化や歴史からの視点。
また、一般的に定量化される機能・性能・コストのみならず、ユーザーの価値観や感性、ヒューマンフィットなど、無形で内面的な視点への考察。
さらには、作り手に対しても、クラフツマンシップやデザインなど、作り手の喜びのユーザーへの訴求の重要性。
タイトルでも察しますが、かなり哲学的な内容でもあり、自分の様な製造業の人間が読むとハッ!とする様な内容です。
いかに、自分が普段の仕事を近視眼的に取り組んでいるかということに、気付かされました。
久しぶりの良書です。

[moppeteさんの感想 · 2014年6月18日]

170から

[cqe06236さんの感想 · 2014年5月24日]

第1章 製品と品質
第2章 品質向上を妨げるもの
第3章 パフォーマンス、コスト、価格
第4章 人になじむ製品
第5章 クラフツマンシップ
第6章 製品、感情、欲求
第7章 美、エレガンス、洗練
第8章 象徴性と文化的価値観
第9章 地球という制約
第10章 結論

[kotakotakotaさんの感想 · 2014年1月4日]

あんまし新しいことないし面白くはなかった

[sazukaさんの感想 · 2013年12月6日]

品質、というと製造品質を想像してしまうが、この本は全体品質をテーマに、「より良い品質は、善である」として、品質にまつわるさまざまな背景を解説する。
人に馴染むこと。クラフツマンシップ。象徴性。環境負荷。俗にいう製造品質以外にも、こういったさまざまな要素が品質に関連してくる。つまりは、というわけではないが、やはり美意識に起因するところは大きいのだ。
各章には授業で使えるような問いかけが用意されていて、まあ確かに教科書的な部分がある。教科書どおり、なんて揶揄する言葉もあるけれど、教科書をきっちりこなせるか？　と言われれば、なかなか全体品質というのは難しいものである。けれど、全部やらなきゃならないってのが辛いところだな。覚悟はいいか？