ビッグバン・イノベーション――一夜にして爆発的成長から衰退に転じる超破壊的変化から生き延びよ

  • ダイヤモンド社
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  • Amazon.co.jp ・本 (376ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478026625

感想・レビュー・書評

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  • 学術的内容ではなかったが興味深かった。

  • ハーバード・ビジネススクールのマイケル・ポーター教授による基本戦略「差別化」「低価格」「集中」をイノベーションの第1の波とすれば、レイトン・クリステンセン教授の「破壊的イノベーション」は第2の波、W・チャン・キムとレネ・モボルニュの「ブルーオーシャン戦略」は第3の波、そして、第4の波が「ビッグバン・イノベーション」である。
    ビッグバン・イノベーションでは、製品のライフサイクルは「ベル・カーブ」から「シャークフィン」になる。シャークフィンは、①特異点、②ビッグバン、③ビッグクランチ、④エントロピー、という4つのライフサイクルからなり、急速に商品が売れ、ひとり勝ちが起き、ピークを迎えた途端に需要が落ち、製品ライフサイクルは短命化する。
    ビッグバンイノベーションの世界を生き延びるために、各ライフサイクルで、以下のような行動を取る
    特異点では、
    ①「真実の語り手」の声に耳を傾ける
    ②市場に参入するタイミングをピンポイントで選ぶ
    ③一見ランダムな市場実験に着手する
    ビッグバンでは、
    ①「破滅的な成功のシグナル」を見逃さない
    ②「ひとり勝ち市場」で勝者になる
    ③「ブレッドタイム」をつくる
    ビッグクランチでは、
    ①市場の飽和に先んじる
    ②負債化する前に資産を処分する
    ③リードしているあいだに撤退する
    エントロピーでは、
    ①「ブラックホール」を逃れる
    ②他の企業の部品のサプライヤーになる
    ③次の特異点を目指す

  • 【ビッグバン・イノベーション】

    A.ビッグバン・イノベーションとは、「安定した事業を、の数カ月か、時にはほんの数日で破壊する新たなタイプのイノベーション」のことである。

    B.ビッグバン・イノベーションをもたらした原因の1 つは、IT革命である。「性能と価格の両方が倍々で改善する」指数関数的技術が、破壊的製品やサービスを生んだ。

    C.ビッグバン・イノベーションは、次の3 つのコスト低減によって、産業組織や競争、戦略を本質的に変える。
    1.製造コストの低減:指数関数的技術がコストを低減させることで、高品質の製品を低価格で提供できるようになる。
    2.情報コストの低減:インターネットで多くの情報を得られるようになった消費者が、「とめどない成長」を促す。
    3.実験コストの低減:既存の部品を再利用するという、安価でリスクの少ない方法で、自由奔放な開発を行う。

    D.今や消費者が、情報不足のまま製品やサービスを購入することはない。自分が購入を考えている製品を、友人や好みの合う消費者がどう思っているのか、その本音を知りたければ、ソーシャルメディアやレビューサイトを見ればすぐにわかる。
    よって、不完全な製品に高い金額を支払わされるリスクは減った。また、製品の特徴や購入のタイミングがわからないために、買うかどうかという決断に無駄な時間を費やすリスクも減った。このように、ほぼ完全な情報が簡単に手に入ること。それが、爆発的な売れ行きの背景にある。

著者プロフィール

ラリー・ダウンズ
創造的破壊をもたらすイノベーションの時代におけるビジネス戦略開発の専門家であり、アクセンチュア・リサーチでシニア・フェローを務める。Big Bang Disruption: Strategy in the Age of Devastating Innovation(邦訳『ビッグバン・イノベーション――一夜にして爆発的成長から衰退に転じる超破壊的変化から生き延びよ』、共著、ダイヤモンド社)、The Laws of Disruption: Harnessing the New Forces that Govern Life and Busines in the Digital Age(『創造的破壊の法則――デジタル時代におけるビジネスと生活を支配する新しい力を利用する』、未邦訳)、Unleashing the Killer App: Digital Strategies for Market Dominance(『キラーアプリを活用する――マーケット支配に向けたデジタル戦略』、共著、未邦訳)など、数多くの著書がある。




「2019年 『ピボット・ストラテジー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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