仮想通貨革命---ビットコインは始まりにすぎない

著者 :
  • ダイヤモンド社
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  • Amazon.co.jp ・本 (276ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478028445

感想・レビュー・書評

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  • ■一橋大学所在情報(HERMES-catalogへのリンク)
    【書籍】
    https://opac.lib.hit-u.ac.jp/opac/opac_link/bibid/1001093561

  • 仮想通貨革命---ビットコインは始まりにすぎない 単行本(ソフトカバー) – 2014/6/6

    インターネット登場に匹敵する社会変化を起こす可能性がある
    2014年9月16日記述

    野口悠紀雄さんの最新作。
    ビットコインを取り巻く現在の状況と新技術の意義について述べている。

    2014年2月に起こったビットコイン両替所であるマウントゴックスの破綻ではビットコイン=危険のような間違った認識が広がったという指摘はなるほどと思った。
    一両替所が破綻した事と通貨の破綻は違うのであると。

    むしろ中国政府はビットコインの規制に乗り出したし
    何よりビットコインは恐るべき潜在性があることを認めたのだ。

    まえがきにも書いていたのだが、ウクライナでのロシアに抵抗する人々がネット上でビットコインでの支援を求めるためにQRコードを写真で提示している。

    ギリシャなど財政破綻国家では自国通貨からビットコインに逃避する事態になった。
    このことは国が無責任な金融政策を続けようとする政府行動を制約する。
    本書P196で日本の放漫財政と国債貨幣化、日銀の独立性侵害を続ける金融政策を批判し、本当に規制と監視が必要なのはビットコインではなく国の通貨であるという指摘にはハッとさせられた。

    本書ではニュースなどでのビットコインの解説からもうワンランク上の解説が続く。
    特に国際送金の手数料を劇的に減らす事が可能であること。
    ブロックチェーンという技術によって二重払いの問題を解決した事。

    ビットコインなどの登場はかつてのインターネットが登場したのと匹敵する大きな変化をもたらす可能性があるという。
    確かに最初の頃のネットは不十分であるだけではなく
    否定的な面もよく見えたものだ。
    2000年頃の我が家でもPCはあった。
    しかし十分に活用していなかった。
    今ではネットの無い生活は考えられないほどだ。

    新しい技術はいつの時代も過小評価されがちなのだ。
    IT革命しかり、電話の登場しかり・・当初電話の重要性が分からずおもちゃとみなされた時代もあった。

    今後ビットコインをはじめとするこれらの技術が進歩し社会を大きく変化させる事だろう。
    重要なこの変化を耐えず注視していきたい。

    *ビットコインは価格変動が激しく投資には向かない。
    また仮想通貨としても唯一のものではない。
    投資やマイニングより重要なのは仮想通貨がもたらす社会の変化を正しく予測し、それに適応すること。
    最も積極的な対応は、関連事業をベンチャー企業ではじめること。
    自分で投資できないが、投資資金があるのならば関連企業に投資したら良い。
    日本に対象が無いならアメリカで探してもいい。

  • ビットコインが流行った頃に買って積読していたが、改めて読んで単なるビットコインの解説書ではなく、その技術の可能性、解決しうる課題への理解が進んで非常に面白かった。
    また、現在の貨幣や金融政策への課題の理解も深まった。
    技術の表層や活用された結果でなく、この技術はどのような問題の解決をもたらすのか、なにをできるようにするのか、あるいは、今の仕組みはなにの制約を前提にしてどんな技術があれば・どの技術を応用すれば改善できるのかを考えて真に技術を使える、楽しめるようになりたい。
    非常に勉強になった。


    ビットコインは、経済活動におけるビザンチン将軍問題を効率的に解決しうる(裏切り者や信頼できないネットワークでの合意を可能にする)ことで分散型の意思決定をワークさせたことが大きな発明であり、プルーフオブワーク等の方法を改善する(共有地の悲劇を避ける)ことで様々な取引や経済活動に応用できる。
    また、ビットコインに対する信用を課題視されるが、現在の預金制度の方が不確かであり、成長を阻害する日本の送金コスト高、恣意的な財政ファイナンスの方が解決が急がれるべき課題であり、ビットコインはその解決手段の一つとして有効である。
    経済活動には、信用・信頼が必要であり、それを担保するために数学やIT技術を使って様々な工夫がされ、それがイノベーションとなっている。(秘密鍵とモジュラ演算とか。)
    従来の発展形態は従来の技術ベースで課題を解決した結果に過ぎない為、より良く課題を解決する技術が生まれれば、リープフロッグが発生する。逆に従来のインフラがないことで新しい技術の利便性がより高まり発展がより進む。

  • マウントゴックス破綻以降、ビットコインについてメディアを通じて耳にする事が減った。いや、正確には、マウントゴックスの事件のみが報じられたというのが、私の感覚である。仮想通貨については、それほどメディアは腫れ物のように扱ってきたように感じる。知識なく、民間が通貨発行権を欲しいがままに普及していく事の怖さ。ただ、他方では、電子決済化が進む。日本銀行券が共通の価値として交換に用いられる時代はいつまで続くのか。ビットコインの基本を学べる書。

  • 第1章 通貨革命が始まった
    第2章 きわめて斬新なビットコインの仕組み
    第3章 ビットコインに続くもの
    第4章 現代の通貨はどこに問題があるか
    第5章 通貨革命は社会をどう変えるか
    補論 公開鍵暗号と電子署名

  • 必読。特にブロックチェーンに注目するきっかけとなった。

  • テレビでは、なにかとマイナスのニュースが多い仮想通貨。でも、よく分からない、という人が殆どでは。初心者向けの本です

  • 分散市場と自動化企業がつくる未来社会

  • ◯ビットコイン自体がDACだとの見方もある。(174p)

    ◯これは、信頼と自由を両立させうる仕組みだ。人間社会が昔から抱えてきた基本問題は、これによって解決される。(236p)

    ★信頼できるが息苦しいコミュニティ、自由だが信頼できない都会、次の段階がオートコントラクト化された社会だ。代替案はあった。

  • ビットコインは送金手段としては優れており、マイクロペイメントや国際送金が容易になって、新しい経済活動を可能にする。

    ブロックチェーンには公開鍵ではなく、そのハッシュであるアドレスが表示される。アドレスから公開鍵やその保有者を同定することはできない。公開鍵からはいくつものアドレスを生成できる。ビットコインが匿名性を重視しているのは、ハッカーからの安全性を確保するため。

    ブロックは、プルーフ・オブ・ワーク(POW)によって正しいナンスの値を最初に見出したコンピューターがネットワークに送信し、他のコンピューターがそれを正しいと確認すると、直前のブロックの後ろに接続される。2017年までは、正しいナンスの値を最初に見出したコンピューターは、25BTCの報酬を得る。その後、4年ごとに報酬は半減する。

    Edyは利用額の4%、Suicaは2〜4%、クレジットカードは2〜5%など、クレジットカードや電子マネーは運営コストが高い。

    プロトコルによる取引は、あらかじめ決められたルールに従って自動的に実行できる契約すべてに拡張できる(スマート・コントラクト)。証券会社を経ない株式や債券などの分散市場、商品受け渡しのエスクロー、耐久消費財や不動産などの所有者移転、組織運営を自動化した企業(DAC)、取引上の信頼性確認のためのサイバー空間のアイデンティティ確立などが検討されている。

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著者プロフィール

1940年東京生まれ。63年東京大学工学部卒業。64年大蔵省入省。72年エール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。一橋大学教授、東京大学教授(先端経済工学研究センター長)、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを経て2017年9月より早稲田大学ビジネスファイナンス研究センター顧問。専攻はファイナンス理論、日本経済論。ベストセラー多数。Twitterアカウント:@yukionoguchi10

「2023年 『「超」整理手帳 スケジュール・シート スタンダード2024』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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