「決め方」の経済学―――「みんなの意見のまとめ方」を科学する

著者 :
  • ダイヤモンド社
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478064870

感想・レビュー・書評

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  • 多数決は、一見公平のように見えて、実は公平でない。
    「決め方で歴史が変わる」ことはあり、あの大統領選挙ももしかしたら・・・。

    様々な事例を交え、「決め方」の重要性を説いてくれる一冊。

  • 多数決をはじめとした「決め方」のみにフォーカスを当てた狭くて深い?本。そんなに論点あるのか?と思いながら読み始めたけど、うーん、なるほど…という感じ。

    冒頭は選挙の実例や決め方の仕組み解説があって、後半はマンションの理事会や裁判員裁判での量刑の決め方など、身近な実例も出てより興味深く読めました。
    決め方の議事進行方法によって結果が左右される(二者択一を繰り返して勝ち残る選択肢を決める場合)、というのはテクニックとして知っておいても良いかも。また、マンションの1階住人にも納得考えられるエレベーター修繕費分配のやり方というのは極めて実践的。

    今はこれだけICTが進歩しているのだから、投票や決め方もボルダルール的にもうちょい手の込んだことをやっても集計は難しくないような。選挙はさておき、自分の日常においてできる工夫は取り入れていければと思いました。

  • コンドルセの定理。

    多数決は人数が増えるほど一定の条件のもとでは正しい判断を下せる確立が高くなるとしつつ、裏を返せばその条件が満たせない環境での多数決では、正しい判断を下せるとは限らない。

    その条件とは、
    ・50%以上の確立で組織の各個人が正しい判断を下せること(50%がたくさんかけ合わさることで、集団としての判断の精度が高まる)
    ・全員の目標が一致していること(一致しているからこそ、何が正しいのかを全員が問えるし、少数派の人も多数派の意見が正しいのだから納得できる)
    ・各個人の判断が独立であること(他の人の影響を受けずに、各人が判断できる状態。確率論の独立性。)

    なにより多数決のメリットは、かんたんであること。ボルダールールなど、少し複雑な方法を使えば、より満場一致に近い結論に至れるとしても、簡便さでは随一。

  • 大半は新聞や雑誌で読んだことがある内容だった。
    それでも、決闘や裁判員裁判、エレベーター修理費の辺りは、単なる決め方の話だけでなく意義まで含めて人間的な話をしていて面白かった。

  • 身近な例をあげて興味ぶかかったけど、少し冗長に感じた。

  • 多数決は民主主義か? EU離脱、参院選、都知事選、米大統領選等々、多数決の致命的な欠陥を、経済学により暴く。

     第1部 決め方を変えると結果が変わる
    第1章 民意は選挙結果からはわからない
    第2章 「民主的な」決め方を考える――ボルダルール
    第3章 一騎打ちで選択肢を競わせる――総当たり戦
    第4章 決め方が変わると歴史が変わる
     第2部 三択以上の投票で優れている決め方は何か
    第5章 決め方を精査する――ペア勝者とペア敗者
    第6章 ベストな配点を考える――スコアリングルール
    第7章 「絶対評価」で決めるとどうなるか――是認投票
     第3部 二択投票で多数決を正しく使いこなす
    第8章 多数決で正しい判断ができる確率――陪審定理
    第9章 多数決と暴力は何が違うのか
    第10章 国会は多数決を正しく使えているのか?
    第11章 法廷の「決め方」を分析する
     第4部 多数の意見を尊重すべきでないとき
    第12章 費用分担をフェアに決める
    第13章 「決闘への満場一致」は尊重すべきか
    第14章 個人の自由と満場一致はときに対立する

著者プロフィール

慶應義塾大学教授

「2017年 『大人のための社会科 未来を語るために』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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