僕たちは、宇宙のことぜんぜんわからない この世で一番おもしろい宇宙入門
- ダイヤモンド社 (2018年11月8日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (456ページ)
- / ISBN・EAN: 9784478069547
感想・レビュー・書評
-
翻訳者の水谷淳さんて気にしたことなかったけれど、読みやすいということに気が付いた。
今までに、
『「ネコひねり問題」を超一流の科学者たちが全力で考えてみた』
『量子力学で生命の謎を解く』
『宇宙を解くパズル』
の3冊を読んでいたが、どれもこなれた日本語だったという印象が残っている。
本書の内容は、宇宙の「わからない」部分について「わかりやすく」説明したものだ。
・何が分かっていないのか?
・どうして謎のままなのか?
が、書いてある。
宇宙に関しては、観測できて「分かっている」ことになっている部分は5%しかない。
残りの95%の「わからない」部分とは、27%のダークマターと68%のダークエネルギーだ。
・ダークマター: 見えないから「ダーク」、質量があるから「マター(物質)」
銀河の回転スピードが速すぎる。→ 星が銀河から飛び出てしまうことを防ぐために引っ張っている何か大きな質量を想定しないと説明がつかない。
・ダークエネルギー: 見えないから「ダーク」、あらゆるものを押しやっているから「エネルギー」
宇宙は膨張を続けている。→ 全宇宙の重力で膨張速度が落ちるはずだが、どんどんスピードを上げて大きくなろうという未知の力が働いている。
「分かっている」部分で「わからない」ことも沢山あるので、宇宙についてはほとんど何も分かっていないに等しい。
生物学者が「生命って何」と言ったり、神経科学者が「意識って何」と言うとき、学者によって定義がバラバラだ。
物理学でも同じで、議論の対象となる概念の定義が厳密に統一されているわけではない。
・重力って何
・空間って何
・時間って何
・次元って何
・光より早く進むことはできる?どうしてこの速さなの?
・ビッグバンについて何がわかっているの?
・宇宙はどれくらい大きいの?
結局のところ、相対性理論や量子力学などから分かってきた宇宙の姿を説明し、
分かっていない部分について考えを巡らせているという内容になっている。
根底には物理学の確固たる理論があるので、難しいと感じる部分も出てくるが、ハードルは低く設定していて面白く読める。
続編にあたる
『この世で一番わかりやすい 宇宙Q&A 人類が知りたくて知りたくてたまらない疑問ベスト20』
が、今年の4月に発行されており、「ちょっと分かった」ことが書かれているようなので、これも読みます!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
英語のタイトルも「We Have No Idea」ってことで、わからない前提で入っていける本。
難しい数式が出てこない、かみ砕いてたとえ話で説明してくれる、ジョークを交える、といったようにとっつきやすく楽しく読めるのは事実。
ただ、比喩なのかジョークなのかどっちなんだいみたいなところもなくはない、わからないことが、もやっとわかる本です。
著者はヒヒが好き。 -
宇宙について「分かっていない」ことを明らかにする本。科学の進歩でたくさんのことが解明されてきたが、それでもまだこんなにも分かっていないことがある、ということにワクワクが止まらない。
"知らないこと"と"存在しないこと"は違う。宇宙について解明されていない95%に一体何が存在しているのか、ありとあらゆる可能性があるような気がしてすごく面白い。
宇宙飛行士が地球へ帰還した後に宗教の道へ進むことがよくある、という話を聞いたことがあるが、こんなにも未知が詰まった宇宙を地球外から目の当たりにすれば、それはもう理屈では説明し得ない力、いわゆる神の力みたいなものが体中に漲ってくるのではないか、と想像した。というわけで積んでいる立花隆の『宇宙からの帰還』を近く読みたい。 -
私は文系人間であり、理系分野の本を積極的に読むようになったのは、つい最近のことである。
宇宙についての全くの初心者であるが、この本をそこまで身構えることなく読むことができた。
特に印象に残っているのは、宇宙の計り知れない大きさや未だ拡大しているという事実、人類が把握している物質は、宇宙全体に存在するもののたった5%程度である、といったことであった。
宇宙に関する話題になると、化学や物理の話が出てくる。それが私の興味の範囲をさらに押し広げてくれた。
宇宙のことについて知るにあたっては、この本を読むことは有意義であったと感じた。
また、私は哲学や宗教に興味があるが、それらが予測していたことが、今日では科学の分野で解明されつつある。
「いつか科学と宗教は融合する」と言われているらしいが、それを実感できた。
なお、この本の特徴として「脚注」が挙げられるだろう。まじめな脚注は数えられる程度。ほとんどはおふざけな脚注である。滑っている感じのする脚注もままあるが、脚注の存在が難しい内容の時にもリラックスを与えてくれた気がする。
壮大な宇宙の事実が、「なーんだ。俺なんてちっぽけな存在じゃねぇか。俺の悩みなんて宇宙からすれば何の意味もねぇのさ」と思わせてくれる。
宇宙が私に勇気を与えてくれる。 -
最近読んだ宇宙関連の本の中では一番わかりやすかったです。解明されている部分と未知の部分がクリアに記載されているのが良かった。昔から持っていた空間って何と言う疑問に少しだけ答えてくれた気がします。
-
400ページを超える長編なのでかなり時間はかかります。
ただ、ほぼ毎ページにわたって挿絵があるので、楽しく読めます。
宇宙のことで何がわからないのか、どこまでわかっているのか、が物理学を全く勉強してない自分でも、かなり優しく説明されています。
「分からないことがわかること」の面白さを知っている人は、ぜひ読むことをお勧めします。
読み終えて、実生活に役立つかどうかは、ぜんぜんわかんないですが。 -
最初の数ページだけ理解できた。そのあとはやはり難しい話だった。
話についていけず、ちょこちょこ出てくるジョークにすらイラついた。 -
宇宙に関する調査研究の最前線を、分かりやすくかみ砕いた語り口調で平易に読むことのできる一般書。
サブタイトルにある「この世で一番おもしろい宇宙入門」というのがこの本の読者層を一番親切に伝えているが、メインタイトルもよく本書の内容を伝えている。
つまり、いま現在の科学で、宇宙について「わかっていないこと」を語ることで、必然的に「ここまでは分かっている」という研究の最前線(限界)の案内になっている。
宇宙は何で出来ているの?
から始まり、物質とは?空間とは?時間とは?次元とは?光より速く動けるのか・・・?等など
物理学と量子力学と一般相対性理論とが、この宇宙について説明できている限界範囲を、楽しく軽妙に読めてしまうかなりの力作。
勿論、読みやすさを重視して、科学的に厳密に正確な説明がなされているかと言ったら、結構端折っているのだとは思うのだが、一般読者層に
「宇宙についての科学って、何だか面白いね!」
と思わせることには成功していると思う。
ただ、全く何の予備知識もなしに読みだしたら、それでもちょっとヘビィかもしれない。
最近、子供用に買った『宇宙』の図鑑を延々読み聞かせをしていたので、ちょっと前提知識があったから、ド文系の私でもすんなり読めた部分はあると思う。 -
子ども向けだからかとってもわかりやすくて読みやすい。洋書ならではのジョークも多く、なにより数式がないのですいすい読める。
400ページちょいあるので全部読み切るのは時間がかかるかもだが、興味ある章だけ読んでもいいかも。