幸福の「資本」論―――あなたの未来を決める「3つの資本」と「8つの人生パターン」
- ダイヤモンド社 (2017年6月15日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
- / ISBN・EAN: 9784478102480
感想・レビュー・書評
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人的資本(働いてお金を稼げること)、社会資本(仲の良い仲間のいること)、金融資産(金銭的余裕のあること)。この3つで幸せが決まるというもの。
人的資本はあるが、社会資本、金融資産がない=プア充、ヤンキー
金融資産はあるが、人的資本、社会資本がない=高齢者、資産家
みんなない=ひきこもり、精神障害、発達障害、知的障害
という感じの内容詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
残酷ではあるが今の現実を直視させてくれ、将来の不安を解消、今どうすべきか
今の時代の日本に生まれたということが最大の幸運
その現実をまず認識しよう
幸福の定義(仮)
自由ー金融資産
自己実現ー人的資本
共同体=絆ー社会資本
これが人生の土台
プア充は貧困ではない。
お金はなくとも社会資本が充実している。
風俗嬢
若い女性が体を売りたくても売れない時代
金融資産人的資本社会資本何もない最貧困女子
大卒サラリーマンの生涯収入は3億〜4億、そのうちの約30%、1億は税金で納めている
年収800万円を超えると幸福度が上がらない
金融資産1億円を超えると幸福度は変わらない
低金利マイナス金利では運用で利益を出すのは難しい金融資産は普通預金とドルやユーロなど外貨預金に分散すればいい
なぜなら通貨の価値は相対的なものなのだから
卵を一つの籠に盛るな
インデックスファンドなら良い
同じ結果を得られるのなら安ければ安いほどいい
グリーン車・ファーストクラス
それらに乗ったら早く着くのか?
新聞の折り込みチラシで卵の安売りを比較することはない
お金よりも貴重なのは時間
最も重要な富の源泉は人的資本
人的資本の固有の特徴として、同じ収入なら自己実現できる仕事がいい
人的資本からより多くの富を手に入れる
人的資本を使って自己実現する
インターネットビジネスは Winner Takes all (勝者総取り)
本社採用・現地採用ジャパニーズファーストの差別に外国人社員が魅力を感じるはずはない
企業であれ個人であれ知識社会に適応できなければ脱落するだけ
マックジョブと クリエイティブクラス
定型化された仕事、仕事の価値が時給計算できない仕事
会社に就職できたということはあなたに突出した能力はないということ
会社は能力ではなく組織の中で働けるかを求めている
興味の持てない仕事裁量権のない仕事希望していない地域での勤務
会社は大学での専攻成績を考慮しない
(転職すると前職のキャリアが考慮されることもあるのか?)
(就職面接で自分の能力が高いこと知識や技術を説明してもそれがその会社の仕事に役立たないと判断されれば採用されない?)
(その人間がこの会社の仕事ができるかどうかだけ)
会社が新しい事業を始めようとするときはその分野のスペシャリストを採用すれば良いのだが、日本の年功序列・終身雇用制度の企業ではこんな簡単なことができない。よって不適材不適所、現場の混乱が生まれる
開業医は自営業者だが、勤務医はサラリーマン
会社は分業した方が効率が良いから存在する
コストを考えると外部化が良い場合がある
標準化はコスト減カスタマイズはコスト増
だが、イノベーションしていかない会社は廃れていく
この矛盾。管理主義と革新性はトレードオフ、その両立は極めて困難
画期的なイノベーションには積極的なテイクリスクが必要
日本の会社では一部の社員に役員や社長を上回る高給を支払うことができない
イノベーション(リスク)をアウトソース化すればいい
(副業のススメ)
サラリーマンでリスクを取らず安定し、副業でリスクとイノベーションを取って大企業と取引する
好きなことに人的資本のすべてを投入する
例えば、映画や育児(子供)、漫画など
これらを副業にする
定年という強制解雇によって会社を追い出される。対策として自分固有の知識や技術を使って、コンテンツの力で大企業と取引するフリーエージェントになる。
老後とは人的資本の全てを失った後のこと
老後は誰もが一人の投資家になる。(主に年金)
老後は長くすることも短くすることもできる
長くするにはたくさんの金融資本がいる
短くするにはたくさんの人的資本がいる
老後問題とは人的資本を失ってからの期間が長すぎること
生涯現役なら老後問題そのものがなくなる
いかに人的資本を長く維持する彼は好きなことを仕事にするか
そうでなければ非常に残酷な老後が待っている
★好きなことを仕事にする理由
(p.180〜)
幸福は社会資本からしか生まれない?
「本当の自分」は、あなたの過去に存在する
「本当の自分」とは幼い頃に友達グループの中で選び取った役割=キャラの別の名前
《まとめ》
◆金融資産
経済的独立を実現すれば金銭的不安から解放され自由な人生を手にすることができる
◆人的資本
子供の頃のキャラを天職とすることで本当の自分として自己実現できる
◆社会資本
政治空間から貨幣空間に移ることで人間関係を選択できるようになる
宝くじで高額当選した人がその後、前よりも不幸になる理由
交通事故で両足を失った人の不幸が逓減する理由
死別しても離婚しても幸福感は元に戻る
人は自分と似ている人からの助言が最も役に立つ -
今の自分の価値が明確にわかって、今までの人生で何を大切にして生きてきたのか、今後なりたい姿になるためには自分を取りまくどの要素を突き詰めていけば良いのかなど、人生設計を考える上でとても参考になった。
何より、読後のスッキリ感がすごい。 -
「3つの資本」「8つの人生パターン」がおそろしく役に立つ。人生や自身のステージを資本社会的に捉えるとこんなにも分かりやすい形で表現できるのか。
■3つの資本
①金融資産(現金や株式や不動産など、お金)
②人的資本(自己実現、労働力、スキル、稼ぐ力、仕事)
③社会資本(会社、地域、仲間、友人、家族、コミニティー)
■8つの人生パターン
①貧困 資本全てがない...職も友人ももちろんお金もない
②ソロ充 駆け出し自営業者タイプ...仕事はあるが組織との縁は薄れ周囲とも希薄な関係の状態
③プア充 お金も資産も無いが地元仲間とつるんでるいる様子
④退職者 お金はあるが職もなく社会との繋がりも切れた状態
⑤リア充 稼ぎがあり家庭もあるような比較的うまっくいっている一般的な様か
⑥旦那 資産で生活し羽振りが良いため人も寄ってきている。自己実現はされていない
⑦お金持ち 資産も仕事もあるが周囲とは疎遠気味である
⑧超充 3つの資本全てを手に入れている
本書では3つ揃えることは難しいが「お金持ち」になり社会資本は重要な"愛"を基盤に残りを貨幣空間で埋めよう、という考え方
上記のステージとポートフォリオ、分散投資という考え方を提示されただけで手にして良かったと思えた1冊
先ずはしっかりと「お金持ち」へ上がらねば。自己実現にはインナーチャイルドを理解しなければならない。自身の子供の頃に"獲得したキャラ"こそが本当の自分であり、その本当の自分と現在の自分とのキャラの差が問題を生む。
自身が子供の頃に獲得したキャラ
可愛がられ
甘えん坊
泣き虫
腰巾着
1人でも平気
お調子者
引っ込み思案
んー使いづらい! -
途中を結構はしょっているので、著者の本を一通り読んでいないと理解が難しいかも。
一つ気になったのは、自分の好きなことに集中投資をして本当にマネタイズ出来るのかということ。著者の主張は金融資本も社会資本も人的資本からくる収入を土台にしているので、マネタイズ出来ない分野だと詰んでしまうのでは。 -
決算を粉飾するために不正会計に
手を染めた大手家電メーカーや、
不正に測定した燃費データを使って
車を販売していた大手自動車メーカーなど
どれも事件化してみれば多くの関係者が
気付いており、会社の暴走を止める機会が
いくらでもあったことは明らかです。
それなのになぜ社員たちは見て見ぬふりを
したのでしょうか?
それは自分の人生を会社に委ねている
(依存している)からです。
私たちは人生のさまざまな場面で
同様の厳しい判断を迫られます。
そして多くの場合も『自由』ではなく
『隷属』を選ばざるをえません。
なぜなら国家や会社、あるいは夫(家)
に生活を依存し、経済的に独立して
いないのですから。
抜粋 -
良本!!!!これは!!良本がすぎる!!
ここ最近で一番読んでよかった本!!
● 幸せの条件
①自由(自己決定権)
②自己実現(かけがえのない自分になること)
③共同体=つながり=絆
● 幸福を感じるためのインフラ
①金融資産
②人的資本
③社会資本
【金融資産】
● “No Money, No Freedom”
(お金がなければ、自由になれない)
● 限界効用の逓減(ていげん)
年収800万以上or資産1億円以上になる (= お金から自由になる)と、それ以上収入が増えても幸福度は変化しない
● 金融資産を最大化するために
①「好きなこと」へ人的資本を全投入
②「好きなこと」をマネタイズできるニッチを見つける
③そのニッチを使って大企業との取引から収益を獲得する
【人的資本:自己実現】
★人は、好きなことしか熱中できない。
★人は、得意なことが、楽しい。
(逆にそれ以外のことはやってもできない)
★人は、自分と似ている人からの助言が最も役に立つ
★豊かな先進国に生まれた = 生まれながらにして大きな人的資本がある奇跡と幸福
★本当の自分とは、幼い頃の自分のキャラ。
キャラ(=個性)を突出させるためには、「好きなこと」に人的資産の全てのエネルギーと時間を投資すること
● 35歳までにやること
自分のプロフェッション(好きなこと)を実現できるニッチを見つけること
cf.今のこの世界は、自分だけのニッチを探り当てた生物だけが生き残っている
=一見弱肉強食に見える世界だが、同じ世界で生きていても別のエサを食べていると棲み分けができる
【社会資本:人間関係】
★幸福は社会資本からしか生まれない
★幸福な人と付き合うと幸福になる
◉人間関係とは
自分を中心として、自分周りに下記の空間が広がる
①愛情空間(2-5人)
= 家族・恋人・友人
この空間が人生の価値を大きく決める(80%)
②友情空間(20-30人)
=クラスメイト、同期、ママ友
核にあるもの:平等体験
(人生への関与度:19%)
③貨幣空間
貨幣のやりとりのみでつながる
知らない人たち=他人(1%)
※愛情空間+友情空間= 政治空間(= 知り合い)
敵と味方がいる空間。
※嫉妬・憎悪・裏切り、人殺しなどが
生まれるのは①と②のみ。
【(個人的な)結論】
愛情空間を充実させること(強いつながりだと感じられる人がいること)が、人生における幸福度に関する最重要項目っぽい。
多くなくていい。ミニマルに2〜3人いるだけでいい。 -
金融資産、人的資本、社会資本
によって
自由と自己実現と共同体=絆がうまれる
橘さんらしいいい本 -
金融資産、人的資本、社会資本を中心に幸福に生きるための土台の設計の提案についてかかれています。そう書くと若干胡散臭そうな内容と思われがちですが、それぞれの資産や資本の充実させかたや閉塞感のある日本社会や労働の現状についても軽く触れられており、筆者の他の本も読んでみたいと思うきっかけにもなります。