成長を創造する経営: 21世紀を勝ち抜くために シスコシステムズ-爆発的成長力の秘密
- ダイヤモンド社 (1999年7月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
- / ISBN・EAN: 9784478311691
作品紹介・あらすじ
米国シリコンバレーに本社を構えるシスコシステムズは、混迷の1980年代に生まれ、成長スピードで世界記録を持つ企業である。急激な変化を遂げているインターネットの世界でのリーダー的存在であり、しかも飛び抜けた高収益性を誇っている。その刺激に満ちた経営の秘密を解き明かし、日本企業が再び成長を追求するためのヒントをわかりやすく提示する。
感想・レビュー・書評
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Ciscoの成長を支える経営の仕組み。
参考になった点は、下記2点である。
1.企業が勝ち残る顧客価値は、
①顧客への密着
②製品のリーダーシップ
③オペレーションの卓越
である。
2.人と技術を獲得するための買収&開発における買収先ターゲット選出の5原則は、
①共有できるビジョンがあるかどうか
②短期的に見て株主に利益をもたらすかどうか
③長期的に見て株主、社員、顧客、提携相手など、すべての利害関係者に利益をもたらすかどうか
④社風やカルチャーなどの相性が合うかどうか
⑤距離的に近いかどうか
である。
オープンイノベーションにより急成長を遂げていたCiscoの仕組みが理解でき、今でも効果があり取り入れるべき経営手法を理解できる良書であった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
会社の上役ご推薦で拝読しました。シスコシステムズの徹底した顧客志向を分析した書籍。企業が内部知識だけでなく、オープンイノベーション、M&Aなどと言う様々な選択肢によって外部知識を内部化できる世の中にあって、その選択は顧客の中にこそある、と一貫して主張。事実、シスコシステムズ社が現在まで伸びたのは、ファウンダーの力でさえない。「経営の方法論」で成長し続けることができる、と主張している。本書はシングルケースの分析であるため、このような徹底した顧客志向(M&A先まで顧客要望で決める)ができるのは、シスコシステムズ社のようなネットワーク・アプライアンスの販売とソリューションの提供と言う、B2B型ビジネス(そもそもその顧客さえビジネスマンだということ)の特性である可能性もあるように思いました。
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ITバブル崩壊前までのシスコについて。
近年のウェブや組織運営の書籍に登場するような、シリコンバレー精神(ベンチャー精神)
の重要性を10年前にシスコの経営から分析しており、著者の先見性に驚かされる。
「顧客第一主義」に関して、他のシリコンバレー企業がどうなのかもあればよかったかなと思うが、それは自分で調べよう。。