未来企業: 生き残る組織の条件

  • ダイヤモンド社
3.66
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本棚登録 : 185
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (442ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478370865

作品紹介・あらすじ

ビジネス世界の新しい動向をたえず予見するドラッカー。激動が続く経済や社会の中で経営や組織はどう変わるか?心得ておくべき情報や知識とは?企業およびビジネスマンの明日の行動指針となる必読の1冊。

感想・レビュー・書評

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  • 2023/12/20 読了 ★★★

  •  社会学者でありマネジメントの父でもあるドラッカーの著作。1986~1991年に執筆された経済、人、マネジメント、組織に関する論文を収載している。この当時によくここまで見通せるものだとその先見性にはいつも驚かされる。ただし、中国の発展についてはドラッカーは否定的な見解を述べており、予測と現実が乖離している。ドラッカーは常に論理的な思考をもってものごとの変化を洞察しているが、中国についてはドラッカーが想定しなかった要因が現れたのかもしれない。それが何かを特定できれば中国の今後の動向をより正確に見通せるだろう。ドラッカーの著作は時代が変化しても読む者に示唆を与え続けている。

  • およそ20年前に書かれたものであるが、リーダーシップについて述べたパートは20年後の現在でも不変なものであり、いつの時代でもリーダーに求められる資質は共通していることが再確認された。
    その他の部分については、20年前と20年後の今と比較して、本書でドラッカーが言うことに対する賛否は読書によって別れると思う。
    私としては、今現在の日本経済、企業衰退を考えれば、本書でドラッカーがうたう状況とは異なりつつあるかと思う。

  • 錚々たる方々の鼎談がたくさんはいっていて貴重です。
    内容も、面白いが、短いのが難点。

  • (20090406〜20090516読了)
    ・参考「マネジメント・フロンティア」1985年、「見えざる革命」1976年。
    ・株式を公開している大企業の所有者は労働者階級の代表、つまり年金基金と投資信託に移りつつある。→大企業の所有者の変化→企業の統治に重大な影響を与える。
    ・参考「ザ・ワーク・オブ・ネーションズ」ロバート・ライシュ。国境ではなく、知識が今日の先進国市場を測定する。P58
    ・参考「国の競争優位」マイケル・ポーター
    ・ブルーカラーの賃金が競争力にとっての支配的な生産要素ではなくなる。
    ・先進国では日本だけが食料貿易で赤字。
    ・日本かがアメリカと同一もしくは低い価格で他から入手できないものはない。
    ・今や余暇、教育、医療を差し引いて、最も豊かな国と最貧国の平均所得は20〜40倍の開きがある(1910年頃はせいぜい3倍程度だった)。P113
    ・「より賢く働く」事こそが、生産性向上の手段→方法は仕事を定義し直す事、行う必要のない仕事をやめる。P116
    ・知識労度やサービス労働の生産性を高めるには、その仕事が成果に対してどの範疇に属するかを考える必要がある。P128
    ・全ての従業員、作業チームの仕事の中に継続的に学ぶことと、継続的に教える事を組み込む→生産性向上。P136
    ・企業や企業人にとって、リーダーとなることが、よい事であるかさえはっきりしていない。P142
    ・リーダーに求められるものは突き詰めれば2つしかない。P143
     ?地位は特権を与えるものではなく、責任を伴う事を認める。
     ?組織において言葉と行為、公言した信念や価値観と行動の一致、すなわち「人としての誠実さ」なるものを自らに課さなければならない。
    ・リーダーシップそのものはよい事でも望ましいものでもなく、それは手段であり、何のためのリーダーシップかが重要。P145
    ・リーダーは信頼を得なければならない。付き従うものがいると言う事。P149
    ・今日、新しい高給の職は、技術者、自由業、あらゆる職種の専門職、管理職などの知識労働にある。P159
    ・就業規則と職務制限が、アメリカ(そしてヨーロッパ)の製造業の「生産性劣化」の主たる原因であると言う事は、入手可能なあらゆる証拠が示している所。P167
    ・スターリン主義の経済では、企業の業績をあげる技術は、それほど必要ではない。必要なのは、記録を取る事だけであって、コスト分析やコスト計算は存在しない。P176
    ・「市場経済では、利益というものは稼ぎ出さなければならないものなのです」。P181
    ・中国には失業は存在しない。しかし事実は膨大な数の国民が、不完全雇用の状態にある。P183
    ・高度の経済成長と優れた経済的業績こそが、結局仕事を提供することになる。生産性と利益を優先させて非効率な工業をあえて閉鎖し、その従業員をレイオフするとともに、非効率あるいは怠情な従業員を解雇ないし降格させる事が必要である。P184
    ・ミドルの地位にある人にとっては、これまでの彼らの昇進を早めてきた管理階層の増大と、本社スタッフの増大という2つの流れの逆転それ自体が、既に予想外の大きな不安の種である。P193
    ・上司を可能な限り効果的に働かせ、物事を成し遂げさせる事が、部下にとっての義務であり、利益である事を認識する事。P199
    ・少なくても年に一度は上司に対し、自分や自分の部下がすることで、上司の仕事の役に立つことは何か、上司の迷惑になる事は何かを聞く事である。P200
    ・上司を不意打ちにしてはならない。上司を低く評価してはならない。P203
    ・世界において競争力を持つためには、あらゆる重要な知識分野、すなわち技術、マーケティング、経営管理におけるリーダーシップと、日本の友人が名づけたところの「頭脳資本」の完全な支配が必要。P216
    ・経営者に対する正しい助言は、外を歩き回れと言う事。P229
    ・顧客からの問い合わせは、苦情も含めて、全て電話で24時間以内に解決される事が必要。P234
    ・「我々が行っている事のうち、あなた方がそれらの必要な結果に集中する上で邪魔になることは何か」と聞き続けなければならない。P236
    ・組織の中の人間は、例えば、望ましい成果をあげる上でどのように成功したかを同僚に教えるように指示されるなど、一旦評価されると、その評価を受けるために行動するようになる。P236
    ・コスト削減のために人員を削減することは前後を誤っている。コスト削減の為の唯一の方策は、仕事を改善する事である。その結果として、仕事をする人間の数を減らす事ができる。P239
    ・問題は、いかに情報を処理するかと言う事よりも、いかなる情報が必要かを明らかにすること。P243
    ・サンプル調査による統計的分析のみが、効果的なプロセス管理によって立つ決定的に重要な情報、すなわち、正常な範囲内での許容可能な変動と、例外自体すなわち緊急の改善をよう要する本当の機能不全との違いを教えてくれる。P244
    ・あらゆる活動において、「この目的を達成するために最も簡単な方法は何か」を問わなければならない。P244
    ・有名企業CEOは、「企業では、計画は収益からはじまる」、しかし「非営利組織では、それは使命から始まる」といっている。P250
    ・知識労働者の生産性を向上させるには、明確な使命、適切な人員配置、継続して学ぶことと教えること、そして目標と自己管理によるマネジメント、高い要求とそれに見あう責任、さらには、自らの仕事ぶりと成果に対する責任が必要とされる。P264
    ・年金基金は、企業がその必要とする経営陣を確保できるようにしなければならない。P292
    ・一つの技術は、一つの産業だけもモノではなくなってきている。P318
    ・企業の経営陣は、当座の利益と来週の株価のためには、一切を犠牲にしなければならなくなってきている。P364
    ・統計的品質管理(SQC)は工場の社会的構造を変える。P371
    ・日本の生産性の向上は、主としてSQCによってもたらされた工場内の社会的な変化による。P374
    ・経営管理者は、他の基本単位を動かしている人々が、「自分」の基本単位の特性、能力、計画、成果について、何を知っておく必要があるかを問わなければならなくなる。P386
    ・全ての意思決定が、製造上の用件とニーズに応えなければならない。と同人あらゆる事業上の意思決定がまさにその企業の製造システムの強みと能力を活用するものでなければならない。P389
    ・今日では、現地で生産しなければ、重要な市場においてリーダーたる地位を占める事はできないと言う事が、経済学の教科書ではなく、経済史の教えるところの周知の事実となっている。P402
    ・金融システムに関する最後の決定的に重要な問題は、金利差によって大きな収益を得る事が出来なくなったとき、果たして商業銀行は、生き延びる事ができるかである。P407
    ・組織の中のあらゆる人間が、その期待されたものと実際の成果を比較し、自己管理を行えるようにするには、強固に組織化されたフィードバックのシステムがなければならない。P412
    ・参考「イノベーションと企業家精神」P428
    ・今後ますます重要になる新しい技能。?外に出る、?仕事に必要な情報を身につける、?学習を組織の中に組み込む。P432

  • やはり情報が古かった

    きっと当時読んでいれば、
    得るものは多かったのだろうが・・・


    ただし、この本だけを見て
    ドラッカーを軽率に判断してはならない

  • 初めて読んだドラッカー本。
    書かれてから10年以上たつので実際に予想通りになっていることが多く驚いた。しかしHow-To本ではないので、このビジョンに対しどのように行動するかが大事だと思う。

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