巨大投資銀行 (上) (ルビ:バルジブラケット)

著者 :
  • ダイヤモンド社
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感想 : 42
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  • Amazon.co.jp ・本 (365ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478930656

感想・レビュー・書評

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  • 黒木亮の作品の中で、一番最初に読んだもの。リーマンブラザーズが破綻するのは~と、曖昧だが非常に興味をそそる帯を付けていたのでジャケ買い。
    主人公が悩みながら成長していくこと、またサクセスストーリー的な展開がたまらない。

  • 投資銀行など金融界の業務がよく分かります。
    やりがいはあっても、こんな激務は自分にはできないと思いました。

    下巻はまだ読んでません。

  • 金融小説をここまで克明に、かつ迫力ある面白さで描ける筆力に驚いた。経験者だけあって金融商品の理解も的確だし、一つ一つの事件を追った取材力も相当なもの。高杉良とはレベルが違う。

    物語は外資系証券の草分けともいえる3人の日本人を主人公に、1985年から始まる。日本の金融市場に外資参入が解禁され、急速にプレゼンスを高めていった時代。その背後には金融先進国アメリカから見れば不可解な金融市場や日本企業の財務行動があり、その裁定を狙うかたちで外資系証券会社はビジネスチャンスを獲得していく。

    80年代は日本でエクイティファイナンスが”流行”した時代。不動産や株価の高騰はそれなりの根拠があったのかもしれないが、その結果として出てきた海外企業や不動産の買収、国内での転換社債ブーム、更にはバブル崩壊後の損失先送り行動といった、日本企業の弱点を探し出し、容赦なくアービトラージしたのが外資系証券会社だった。

    日本国内ではこうした投資行動に批判的な言論が多いが、バブルの生成と崩壊は主に国内要因であり、その過程で株価調整や不良金融機関の淘汰といった必要なアービトラージを手助けしたのが米系投資銀行だった、と「投資銀行助産婦説」で考えることも可能だろう。一方で今巷に流行する「デリバティブ虚業説」は感情的に過ぎ、今後の金融動向を見誤ると思う。

    彼ら3人の全盛時代の後には、他の外資や邦銀も同様のビジネスに参入し、また日本企業も賢くなって、余り儲からない時代がやってきた。この小説ではそれを竜神や藤崎の転身としてのみ描き、LTCMの破綻も理論的に擁護している。できれば例えばサブプライムローンのように、米国自らをアービトラージの対象にした時代まで書いていたらどうなったか、見てみたかった。また、筆者は邦銀にネガティブな感情を持ちすぎ。りそなや新生銀行は決して邦銀界のスターになっているわけではない。

  • 巨大投資銀行を読みました。
    これも先輩が貸してくれた本だったんですが
    いやー、面白い。

    前から、黒木亮さんの経済小説は面白いよーとは
    言われていたけれど、予想以上でした。
    あまり金融の単語に慣れていない自分でも
    楽しく読めたので、多分一般の人が読んでも
    きっと面白いはずです。

    どうやら、登場する人物には実在するモデルがいるようです。
    会社の名前も中には実名のところもありますしね。

    日系の銀行がしがらみだらけである事とかも
    実話かはわからないですが、リアルに感じましたし
    楽しかった。

    他の本も読んでみようかな。

  • 二回目。
    面白いけど、スキームが難しくてやっぱりわからない。。。
    デリバティブとかもっと勉強しなきゃだ〜。

  • 去年、ルネで探していた本がなく、物色していた本棚のにたまたまこの本がありました。手にとってみてチョッと読んだでみたらとても面白く、金融業界を目指すきっかけになりました。芝居がかった話ですが本当です。金融業界のことを全く知らない人が全部理解するのは無理だと思います。しかし、業界のことに詳しくなってきてもう一度読み返してみたら、改めて素晴らしい本だな〜と思ってしまう本です。

  • 投資銀行を目指す方ならまずはこの本!

  • 主人公の桂木は邦銀からウォール街の世界最高峰の投資銀行に転職する。<br>
    今でこそ普通にありそうな転職コースだが、小説の舞台は1980年代、当時は邦銀から外資系なんてまず考えられない選択なため、主人公の葛藤もよく描かれています。<br>
    ウォール街の華やかな投資銀行の厳しさ・無慈悲さ・荒々しさもよく伝わってくる。<br>
    前半は舞台がニューヨークで実際に私が行ったことある地名が色々出てきて、ニューヨークにいた時期を懐かしく思い出しながら読んでいました。<br>
    ウォール街・・道の両方に大理石の古い建物が所狭しと建っていて、周囲は街頭もなく薄く、また静かで不気味だった。この場所で世界経済を動かしていたのですね。<br>
    ロックフェラーセンター・・地上から天にそびえ立つ摩天楼。ここの一番上まで昇ったなぁ・・アメリカの富と権力の象徴でもあり、入り口にはアメリカの国旗が無数に飾ってある。かつてこの地を日本の企業が買収しようとしたことには驚かされる。<br>
    グランドセントラル駅・・19世紀を思わせるような、今と昔が交じり合った教会のような駅。金融マンが待ち合わせでよく使うところです。<br>
    などなど

  • 3rd
    2008,august

  • バブル崩壊期に邦銀から外資の投資銀行にわたり、そのキャリアを生かして邦銀の再生に貢献する話。バブル期の邦銀の凋落の様子や投資銀行とは何かがよくわかる。

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著者プロフィール

黒木 亮:1957年、北海道生まれ。カイロ・アメリカン大学大学院修士(中東研究科)。都市銀行、証券会社、総合商社を経て2000年、大型シンジケートローンを巡る攻防を描いた『トップ・レフト』でデビュー。著書に『巨大投資銀行』『エネルギー』『鉄のあけぼの』『法服の王国』『冬の喝采』『貸し込み』『カラ売り屋』など。英国在住。

「2021年 『カラ売り屋vs仮想通貨』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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