孤独と不安のレッスン (だいわ文庫)

著者 :
  • 大和書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784479303251

感想・レビュー・書評

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  • 世間信仰・同調圧力に疲れたら、孤独に癒やされよう。

    テレビでもお見かけする劇作家・鴻上尚史さんの本を読みました。
    舞台人として世に出た鴻上さんですが、「生きづらさ」に関する著作も多く、この作品もタイトルの通りその類です。
    孤独とはどういったものか?孤独をどう受け入れて生きていくべきか?を教えてくれる本です。

    タイトルに「レッスン」とあるために、そういった自己啓発系のハウトゥーものであるようなイメージがありますが、明らかにそのような本とは質感が違います。
    勿論それらの本と似たようなメッセージは書いてありますが、けして学術的なセオリーに沿ったような感じではなく、鴻上さんの体験したことを、鴻上さんの気持ちで、鴻上さんの言葉を使って書かれているのが分かります。この本を通じて読者に語りかけよう、思いを伝えようとする鴻上さんの意思を強く感じます。それゆえにハウトゥー本とはまた別種の説得力に満ちています。

    鴻上さんの視点による、あらたな気づきもありました。無宗教である日本人は、「世間」を信仰し、現代ではその世間信仰も半分壊れていると(本文中ではもっと丁寧にページを割いて表現されています)。それゆえ同調圧力によって日本は行きづらい国であると。この考えは鴻上さんの他の著作でもたびたび出てきます。

    孤独の中でこそ、じっくりと自分を見つめ、自分の考えや思いを育てることができる。孤独にもそんな希望を孕んたものがあると教えてくれました。いつかこの本をもう一度読み直したくなる時、それはきっと何かしら心が疲れている時だろうと思いますが、この本に寄り添ってもらえればまた少しずつ自分を取り戻せることと思います。

  • みんな一読すべき。

  • とても心にしみる
    最後の
    そして、死なないように。
    がまた良い

  • 鴻上尚史さんのメッセージは一貫している。私が物心ついてから今に至るまでずっと感じたり考えたりしてきたことが、いつも書かれていて、この本はその集大成みたいだ。私の息苦しさとそれに気づいたことの是非に、自信がなかったけど、間違ってなかったんだ。自分を支える言葉を持てって、鴻上さんが言ってることにも賛成。私も谷川俊太郎さんの詩で納得することがよくある。
    この本は、私の3人娘にも読んでもらいたい。

  • #flier

  • 「他人」と「他者」の違いをきちんと理解できました。身近にいる人たちは「他者」でした。
    「人は人生のどこかで、1回は、一人暮らしをするべきだと思っているのです。」
    私は大学生のときに一人暮らしを経験しました。経験しておいてよかったな、と思っています。
    私は友達と呼べる人がいなくて、周りから悲しいとか言われるし、友達がいない私はやはりどこかおかしいのかな、とか友達が多い方がいいと理由もなく思ってきたけれど、鴻上さんの本を読んで、別に一人でもいいか、思えました。
    他にも鴻上さんの本を読んでみたいと思いました。

  • ネット、SNSなどよ普及で自意識が高まっていった。
    すると、人は分かり合えないということに気がつく。
    個の時代と言われても日本は心に神(キリストやアッラーなどの唯一神)を持っていないので、ちゃんと自立ができない。中途半端な世間体に縛られる。
    そんな不安定な状態で望まない孤独を感じておる人たちを、ネットやSNSは簡単に慰めてくれるが、その本質は改善していない。
    ネットで常時接続できているはずなのに、人びとを孤独にしている。
    自分に関係のない人は他人。
    自分を幸せにしてくれる反面、不幸にもする人を他者と区別する。
    つきめれば孤独とは自立である。
    ニセモノの孤独とは別物である。

  • なんとなく感じていたことが言語化されていたスッキリ感です。

  • なんで私はこの本を手に取ったのかな。もともとがそんなことで悩んでないというか、そんな風に悩む人もいるんだと感心したというか。思春期の子ども向けの本だったのかも。

  • 不安は皆が当たり前に持っているものだが、持っていていい不安は、自分にエネルギーをくれる「前向きの不安」。「ありたい自分」は「今の自分」よりほんの少しだけ高く設定する。

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著者プロフィール

著者等紹介
鴻上尚史[コウカミショウジ]
1958年8月2日生まれ。愛媛県新居浜市出身。早稲田大学法学部卒業。劇作家・演出家・エッセイスト・小説家

「2023年 『ヘルメットをかぶった君に会いたい』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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