- Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
- / ISBN・EAN: 9784479303657
感想・レビュー・書評
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世の中には多種多様な行事やしきたりがある。意外と知らないことがあると思い、今回の本を読んで見た。
著者は1997年に亡くなってしまったが、国学院大学名誉教授で、「梅干と日本刀」などの著書で有名だった。
正月から大晦日までの「年中行事」は何かと言うと、農業の生産活動に由来していた。稲作の生産の無事をかみに祈り、心身を浄める。降臨した神に対して供物をし、それを自分たちも食べて、霊力をつけた。これが年中行事として暦の中に入ることになったそうだ。
門松は、年神が降臨する場が門松と著者は述べている。門というのは元々、建物の前の庭の干し場のことだった。その干し場の中央に松を1本たてて、神を迎えた。
江戸時代になると、門松は庭から門へ移動して、今の形になった。
門松には竹となったのは江戸時代で、それ以前は常緑樹なら何でも良かったそうだ。平安時代には、榊を使っていたという記録があるそうだ。
門松にそんな過去があったとは知らなかった。
正月の飾りとして浮ぶのは鏡餅だ。鏡餅は飾り餅の転化された言葉だった。
正月は、元来、年神が降臨する期間だ。そのために人々は精進するのだが、餅の果たす役割は重要だった。2つ役割がある。1つは年神に供えるものとしての鏡餅、もう1つは、人々が正月三が日、休んで物忌みをするための保存食だった。
大晦日といえば除夜の鐘だ。この習慣は、歴史があり奈良時代からだ。江戸時代になると盛んになったが、第二次世界大戦で、軍需物資が足らなくなり釣り鐘を供出したので、戦後は下火になった。
それでも、テレビで除夜の鐘を鳴らしている姿を放送しているので、毎年注目されるようになった。
除夜の鐘と言えば、108の煩悩だ。誰にでもあるが、レバノンに逃亡したあの人は、ゴーンと鳴る除夜の鐘を聞いたところで煩悩は無くなりそうにないな。
正月に浮かぶ行事だけでこれだけの意味があった。この他にも様々な行事やしきたりに付いて解説している。年始に読むのにちょうど良かったなあ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
もう少し深く系統立った考察を期待していたのですが、豆知識・雑学レベルのお話しばかりで残念でした。