おいしいアンソロジーおやつ ~甘いもので、ひとやすみ (だいわ文庫 459-1-D)
- 大和書房 (2022年8月10日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784479320241
作品紹介・あらすじ
見ても食べても思わず顔がほころぶ、おやつについての43篇のアンソロジー。
古今東西の作家たちが、それぞれの偏愛をつづりました。
《作家一覧》
阿川佐和子、阿部艶子、荒川洋治、安野モヨコ、池波正太郎、伊集院光、五木寛之、井上 靖、内館牧子、内田百?、江國香織、尾辻克彦、開高 健、角田光代、久住昌之、久保田万太郎、幸田 文、小島政二郎、酒井順子、佐藤愛子、獅子文六、柴崎友香、東海林さだお、武田百合子、辰野 隆、種村季弘、團伊玖磨、筒井ともみ、長嶋 有、中村汀女、蜂飼 耳、林 望、藤森照信、古川緑波、穂村弘、益田ミリ、三浦哲郎、南 伸坊、向田邦子、村上春樹、森 茉莉、矢川澄子、米原万里(50音順)
感想・レビュー・書評
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懐かしく読んでいたら不意に思い出したのが、
かつお節そっくりのチョコレート、昭和30~40年頃の結婚式の引き出物に入っていた物。
削り器で花鰹みたくヒラヒラにしてくれたら、口でどんな風にトロケルのかなぁ~と夢想していたのに、無情にもタオルにくるんでトンカチでかち割られ、ただのチョコレートの破片に。
七五三の千歳飴。
こんな長い飴を食べられるー!
と喜んでいたのに、歯に良くないからとタオルにくるんでトンカチでかち割られ、ただの飴に
なんでトンカチが台所に?
あの頃の砂糖はガチガチだったからね。
楽しいおやつの時間でした。
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最近の著者もいれば、
大正や昭和初期の作家さんのエッセイもあって、
特に大正時代のおやつ事情は
面白かった。
戦前や戦時中の、
だけど子どもらしく豊かなおやつ
なかなかノスタルジックでほんわかした。 -
お菓子のエッセイってほんとこういうのが読みたかったのよ!名だたる文筆家から現代の作家まで、ページ数もまちまちに揃えられてましたが、どれもお菓子への想いが伝わる素敵な文章ばかりで読み応えがありました。どこぞの通ぶったブログまがいの陳腐なエッセイとは全然違いますね。
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おやつを紹介する話しではないのに、どのおやつもとても美味しそうに感じる。そしてそのエピソードに共感できたり、驚いたり。とても楽しめる一冊でした。
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おやつにまつわるエピソード集。
個人のエッセイが多い印象。
面白い内容もあったが、
読書初心者としてはご存命されている方の
作品を載せていただけると嬉しかった。 -
名だたる文筆家がきら星のごとく収録されている。
とはいえ、短編の2/3くらいは自分の好きな甘いものや、おやつへのこだわりを語っている。
もちろん、展開、情景描写、会話、感性どれも素晴らしいのだが、どうしても似たようなテーマになり、読んでるこちらがテーマにお腹がいっぱいになってくる。
2022年に刊行されたにもかかわらず、時代的に戦中〜戦後に活躍した作家が多い故、必然的にあんこ、団子、せんべい、シュークリームなど「その時代」のおやつの話が中心。
もうちょっと「ティラミス世代」、「タピオカ世代」の話も聞きたいもの。
そんな中、時折斬新な切り口で語られる物語は新鮮で、箸休め的な存在としてありがたい。
特に、
穂村弘氏「かっこわるいドーナツ」
東海林さだお氏「チョコレートの不思議」
種村季弘氏「羊羹」
伊集院光氏「3時のおやつ」の話
内館牧子氏「チョコレート」
尾辻克彦氏「チョコボール」
が秀逸だった。
最後の「チョコボール」は描写と心理展開の一致が素晴らしく、尾辻氏の他の作品も読んでみたくなった。 -
おやつにまつわる作家さんたちのショートストーリー集。
期待値が高かっただけに物足りなく感じてしまった。 -
食べ物が出てくる小説大好き人間にとってはなんと魅力的なタイトル!
と思ったけれど、こちらもエッセイだった…(苦手)
苦手だけど、描写などはさすがだなと!
好きな人にはいいと思います。
美味しそうなおやつ達、作者の偏愛がすごい 笑
私はメロンパンのお話がなんでかお気に入りになりました!
昔の作品が多めかな?
難しい表現が出てきて、えせ文学少女になった気分です 笑 -
おやつにまつわるアンソロジー43編。
現在活躍されている作家さんから大正や昭和初期時代の作家さん、
古くは明治時代に活躍した作家さんのエッセイまであるので幅広く味わうことが出来ました。
知っていたり食したことのあるおやつでは
リアルに思い返すことが出来て良かったですが、
古い時代のおやつ事情を知ることの方が興味深く面白かったです。
平和な時代に生まれて育ったので戦前や戦時中でのおやつ事情を
知ると切なかったり、悲しかったりと複雑な思いになりました。
ただ昔のおやつの方がノスタルジックなせいか手が込んでいたり、
心がこもっているようにも感じで今の時代のおやつ事情とははるかに心持ちが違うように思えました。
印象に残った作品は久住昌之さんの「おはぎと兵隊」、
五木寛之さんの「メロン・パン筆福事件」、
尾辻克彦さんの「チョコボール」でした。
これからおはぎを見たらきっとこの作品の悲しさを思い出してしまいそうです。
おやつとひとえに言っても、これだけの多く種類があり時代背景も
様々で読んでいるだけでも、おやつの美味しさで心が幸せいっぱいになりました。
まだ口にしたことのないおやつはこれから食べてみたくなり、それにまつわるエピソード話を思い返しながら
おやつを味わってみたいなと思いました。
この本自体がおやつの宝箱みたいでとても楽しめた一冊でした。
おいしいアンソロジーでは他にも何種類も作品集が出ているので、
他のものも読んでみたくなりました。