原稿用紙10枚を書く力

著者 :
  • 大和書房
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本棚登録 : 836
感想 : 109
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  • Amazon.co.jp ・本 (196ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784479791003

感想・レビュー・書評

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  • 書くということを非常に分かりやすく説明してまとめた良書。
    原稿用紙十枚を書くには、まずそれなりのトレーニングが必要と説いている。
    量を書くには、十キロ走ったことのない人に、いきなりフルマラソンを走るのは無理であることと喩えるのは、非常に納得がいく。実際に十キロ走れたら、まだ進むことが行けると思えてくるから、書くこともある種知のスポーツなのであろう。
    そして構築力がいかに大事かを問う。
    確かにうやむやに、ある物事を書き出していくのでは、分量をこなせず、羅針盤のない、行き先曖昧な航海のようであろう。

  • 話すことと書くことは違う。
    準備だけで疲れないように。
    書くのは料理みたいなもの。

    自分に向けて書くのか。
    相手に向けて書くのか。

    映画を分析してみる。
    誹謗中傷しない。

    わかりやすいとこもあったし、そうじゃないとこもあったから、サラ〜っと読めました。

    ちょっと思ったのと違う感じだったけど、ほ〜っと思うところたくさんあった。

  • この本の前に読んだ「聞く力」よりも数倍読みやすかったです。同じ作者ですので共通する部分が多く、文体は同じ印象なのですけど、なぜだろう?構築する力=考える力、という部分に共感したのかな?

  • 文章の構成には「構築力」が大切ということがしきりに書いてあった。
    文中から3つのキーワードを見つけ、各々その理由やコメントを述べる。最後に、それらを踏まえた上で総括を述べる。なお、キーワードはそれぞれ全く異なるものを選んだ方が広がりをもった文章を書けるようになる。

    頭では理解できたが、実際に書くとなるとすごく難しそうだと感じた。

  • ポイントを抑え、自分の個性を出しつつ構成を考えながら枚数を書くのが大事なようだ。

    気に入った部分は

    ある一冊を読んだときにどこに引っかかったのか、どうしてそこが気になるのか、いつもより少し深掘りしていくのがいい

    とあって「それは新鮮だな〜」と感じました。
    多分、引っ掛かることまではある。でもそこで「どうして?」と立ち止まるのはなかなかないから。
    ついつい先へ先へと読む快楽にハマってしまう。
    時にはちゃんと冷静に「読む」こともしてみようと思った。

  • 仕事では、
     いろんな人の立場から物事を見ることができる
    と言うのが重要です。

    しかし、仕事にどっぷり入ってしまうと
    周りが見えなくなります。

    そこで、”書く”と言うことが
    客観的に考えることの助けになります。

    本日ご紹介する本は、
    書くことのメリットや
    書くためのトレーニング方法を紹介した1冊。


    ポイントは
    「公共的な感覚」

    書くときには人に読んでもらう、
    と言うことが前提になります。

    後で自分が読む。
    仕事仲間になにかを伝える。
    会社の上司が読む。

    いろいろあると思いますが
    大切なのは公共性を意識すること

    知らない人がこれを読んだら、どう思うか?
    「書く力」をつけることで、「考える力」もつけることができます。


    「書くネタ」

    文章を構築するには、ネタの洗い出しが必要

    まず、材料を全部紙の上に吐き出すのが第一歩
    とにかく量を書き出します。

    そこから構成しなおし、量を縮めて、
    人に読んでもらうレベルに持っていく。
    日を改めて読み直してみることも有効です。


    「文章の構成」

    文章を書く場合、書くべきことを構築して、
    きちんと創作メモを作り、それに基づいて書いていく。

    そして、書くべきことの基本は、
    体験、経験の意味をあきらかにすること。

    そこにどの程度の「意味」が込められているか
    個人の体験を、他人に読む価値がある文章にする
    と言う意識が重要です。


    文章をしっかり書くことの重要性や、
    文書スキルを上げることで得られるメリットが解る一冊です。
    ぜひ、読んでみてください。

    ◆本から得た気づき◆
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    書くときには公共性の意識が大切になる
    思考を緻密にしていくことが、書く作業にはともなう
    文章を書く力がつくことは、内容のある話ができるようになることでもある
    思考の粘り強さも「書くこと」で身につけられる
    意識してトレーニングを積み重ねることで、公共的な感覚を持つことができる
    アイデアだしまでは主観が大きく働いているが、その後の作業では客観が主体になる
    自分の頭の中でもやもやしているものをはっきりさせていく
    内容の質はともかく、量をこなした自信が次につながっていく
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

    ◆目次◆
    プロローグ 書くことはスポーツだ
    第1章 書くことは考える力を鍛える
    第2章 「書く力」とは構築力である
    第3章 「文体」を身につける
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

  • 文章力を上げたくで読んでみた本。
    読みやすく理解しやすかったです。

    主に「継続は力なり」「3つのコンセプトを見つけ、つなげて書け」と言ったことが書いてある。
    体を鍛えるのと同じで、継続的にやらないとダメだ、というのには納得できました。

    映画のあらすじとか書くと良いのかな。本のは感想書くときに書いてるけども。

  • 質の高い文書を書くには、考える力が要る、ということ。この考える力をさらに発達させると、話す時にも内容を構築しながら話せるようになる。これを最終目標としたい。
    とにかく実践あるのみ、という事も書いてあったので、映画鑑賞でも、読書でも、講義参加でも、3つのキーワードを考えつつ能動的に取り組むようにしたい。

  • ● 書くことは自分の経験の意味を明らかにすること。書く言葉は、定着力がある。時間を超えて定着し、残る。

    ● 文章を書くということは、人に伝えたい内容があること。

    ● 書くことの中には、新たな気づきがあるかどうかが大事。まったく新しいことでなくてよいが、主張主義があり、他人にわかりやすい文章であること。外国語にも訳しやすい。

    ● 具体的に書かせるには、一冊の本の中から「いくつかおもしろかった部分を書きなさい」と言えばよい。この場合、3つあげることが適切。多いと混乱してしまう。

    ● 引用は、引用文だけでも楽しめるような内容を入れるのがコツ。

    ● 3つの引用をキーコンセプトとして、つなぐ文章をメモ程度でよいから書いておく。すると文章がつながっていく。

    ● きづきを与える。おもしろいと思う文章はそれまでつながっていなかったものが、つながるとき。

    ● 性格・性質の異なる3つのキーコンセプトをつなげる。そうすることで、複雑さが増し、オリジナリティが出る。

    ● キーワードやキーコンセプトをタイトルになるようなキーフレーズに練り上げると、全体が構成しやすくなる。「○○は何何である」と一行目に書くと、書き手の思いが伝わる。

    ● 3つのキーコンセプトを三角形にして、関係を明示してみる。図にすることで、その関係性を理解することができる。

    ● 音読すると文章の生命力を理解することができる。

  • 非常にわかりやすい文章で書かれており、著者の主張がとにかく「書く」ということが大事とのことで、首尾一貫しています。
    ただ、この本を読んだらすぐ「原稿用紙10枚を書く力」を得られる、いわゆるHow To本ではないですが、それを得るのに役立つルートマップにはなると思いました。

著者プロフィール

1960年静岡県生まれ。東京大学法学部卒業。同大学院教育学研究科博士課程を経て、現在明治大学文学部教授。教育学、身体論、コミュニケーション論を専門とする。2001年刊行の『声に出して読みたい日本語』が、シリーズ260万部のベストセラーとなる。その他著書に、『質問力』『段取り力』『コメント力』『齋藤孝の速読塾』『齋藤孝の企画塾』『やる気も成績も必ず上がる家庭勉強法』『恥をかかないスピーチ力』『思考を鍛えるメモ力』『超速読力』『頭がよくなる! 要約力』『新聞力』『こども「学問のすすめ」』『定義』等がある。

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