ハーバード、オックスフォード…世界のトップスクールが実践する考える力の磨き方

著者 :
  • 大和書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (263ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784479794172

作品紹介・あらすじ

INSEADにてMBAを取得し、グランゼコールHECで修士号(国際金融)を最優秀で取得、世界のエリート教育を知り尽くし、海外のトップスクールを目指す学生を対象にグローバルリーダーを育成している著者が明かす、世界で求められる「本物の知力」の身につけ方。

感想・レビュー・書評

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  • 『答えのない問題』にどう答えを出すのか。

    自由と平等らどちらが大事か。
    資本主義と社会主義はどちらが人を幸せにするのか。
    政治は市場経済に介入すべきか、否か。
    科学技術の進歩と自然保護はどちらが大事なのか。

    まさに現代を生きる私達に問われてるテーマに対して真剣に向き合い、自分ならばどう考えるのか。
    どちらがイエスでどちらがノーとか単純な答えでは終わらない深い内容だった。

    様々な知識を得ながらも、自分の価値観は決して他の人に奪うることのない財産であり、より強固なものにしていきたい。そう感じた一冊であった。

  • 答えを出すのが難しい様々な問いに対して、著名な哲学・経済学者や芸術家の思想を参考にしながら、自分の答えを考えさせられる本。

    様々な有名な思想や考えを知識として得ながら、そこから自分の考えを生み出していく。
    当たり前のようだけど、その自分の軸を作りながら対話することの重要さを考えさせられた。

    知識と教養・・・うーん、なるほど。

  • グローバル人材で必要なことは「英語が喋れること」ではなく、「本質的な物事についてしっかりと思考し、自分なりの考えを持つこと」であるということからスタートしている。
    経済の話では、マルクスの話は非常にわかりやすく、大学の経済原論で聞いた話を思い出した。そして当時は何もわからず、わかったようなことを言っていたんだと、恥ずかしい気持ちになってしまった。

    気に入った言葉。

    物事の真偽を見極める4つのステップ
    ・とにかく疑う
    ・徹底して細分化する
    ・単純なものから複雑なものへと考察を進めていく
    ・漏れがないように見直す

    日本の文化は、まずグループがあり、その上に個人がある。という順番だが、世界のスタンダードではない。

    自由と平等は二者択一で語れるものではなく、左右のスピーカーのバランスを調整するようにメモリを動かすと片方の比重が上がり、逆に動かすと反対側に比重が移動する。

  • 日本の教育で評価されるのはは、多くの場合、記憶した事を時間内に正確に再現する力である。これに対して、欧米の一流と言われるような教育機関で課せられるものは、あなたと言う個人がある問題をどのように解釈するのか、自ら得た情報に個の価値を付与するような、畢竟、個人の存在意義自体が問われるものが多い。
     
     本書では、東西の思想家の考えの一部を分かり易く解説した上で、筆者は読者に対し、それをどう感じるかを繰り返し問うている。この問われた事に対して、考える時間に比してこの価値の本は高まるであろう書と言える。
     
     
     この本は、非常に読みやすい分、議論のたたき台には良い。しかし、逆説的に、その事は読者が自らの内で議論し、考え続ける習慣の獲得を保証するものでは一切ないことを意味する。読むのが簡単な本は得てして、あまり考える事を必要としないうちに読み進められる弊害もある。答えのない分かりにくい問題を前に、いかに考え続けるか、それが問題だ。それが出来る人間か否かは、この本を読んで面白いと感じるか否かによるかも知れない。

  • 教養とはすべてを忘れ去った後に残るもの、すべてを習った後でもなお足りないものという点に共感した。グローバルな人材になるには、単に英語が話させるだけでなく、幅広く深い教養を持って、自分自身の考え、哲学を形作っていくことが必要だと考えさせられた。考える力を磨くためのトピックも非常に洗練されており良い。

  • いわゆる「自分を変える」系の自己啓発書かと思いきや、どうもそうではないことが目次からわかった。だから買ってみた。

    世界のトップスクールが実践する考える力の磨き方、というお題目ではあるが、その実は決してフレームワークやら技法に頼ったものではない。「答えのない問題」に対して古来から人類が積み重ねた思想・議論を紹介しながら「考える」行為そのものを検証していく。その中で取り上げられる問題を自分でも考えることで、自分自身の考えるクセ・方向性を自覚していくことができる。

    答えのない問題に慣れていない日本人が失いがちな「個」としての自分を発掘するきっかけとして、本書には価値がある。

  • こういうレベルのことで意見言えるようになりたい

  • 展示図書 思考力フルスロットル!!!  
    「考えを学ぶ」「考えを鍛える」「考えを描く」図書
    【配架場所】 図・3F開架
    【請求記号】 141.5||FU
    【OPACへのリンク】
    https://opac.lib.tut.ac.jp/opac/volume/387860

  • 大学入学前の高校生だった頃に自分の思考力を深めたくて買った本をもう一度:)

    [問い]
    あなたはなぜ日本人なのか?
    日本のどのような特徴を切り取って第三者に日本という国家を紹介するか?
    自由は平等によって脅かされるか?
    資本主義と社会主義どちらを支持するか?

    これらの問いに対してあなたはどのような知識と思考と議論を重ね、結論を出しますか?
    知っているようで知らなかったこと、いざ言葉にしようとするとまとまらない思考。そうした問いに改めて向き合い自分の軸を形成するとても良いトレーニングになりました○

  • 社会(経済)、自然、芸術の項目について、答えが出ないだろうものをテーマに、考えることの大切さ、重要さを説いている。

    特に自分は社会の項目で自分の知識の少なさを実感させられた。

    この本での大事なことは、一番最初に書いてあるように

    > 本質的な物事に関して、しっかりと考察し、自分なりの考えを持つこと

    ということ。

    それはきちんと”自分の考え”なのか、誰か(メディアなど)によって歪められていないか、本質を見れているか、決して片方の意見の側に立たず、双方の意見を見る、そういうことまで考え抜くということが、考える力を磨くということなのだと思った。

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  • 日本と海外との感覚の違いはなんだろうとずっと思っていた事に対して、日本の文化は世界でも稀に見るくらい特異なものということが分かり、なるほどと納得できた。
    また、本当の意味でグローバルリーダーとなるためには、人としての教養が必要で、答えのない問題を2者択一だけではなく、いろいろな角度からいろいろなプロセスで考える思考力、そこから多くの人との議論し、新しいイノベーションを生んでいく事が世の中にとっては必要な事なんだという思いを持って行動する必要があると痛感した。

  • いわゆる自己啓発ではなく、哲学や経済学の手引き書。
    グローバル人材→哲学、価値観、教養
    ソクラテス、無知の知
    デカルト、疑う、細分化、単純→複雑、もれなく見直す
    ホリスティックかアナリスティックか

    トマスホッブス 性悪説
    ジョンロック 性善説 国家観

    ジョンスチュワートミル 自由論
    カント 自由と道徳
    リップマン 自由と世論誘導
    エーリッヒフロム 自由と孤独

    アダムスミス 資本主義
    マルクス 社会主義
    シューンペーター 資本主義の成功→社会主義化
    創造的破壊の必要

    ケインズ 公共投資
    デイビットリカード 公債増→増税懸念→消費落ち込み
    ハイエク あらゆる資源を有効な分野に投資

    レイチェルカーソン 沈黙の春
    ハイデッカー 芸術観

  • 答えの出ない問題を考えることで、物事の本質に迫れると思う。考えようとするとすぐ詰まって辛いのだが、なんだかワクワクする気持ちもある。

  • 公務員試験の教養で勉強するようなことをダイジェストで書いてあり、受験生には丁度良い本だと思う。
    逆に言えば、日本の公務員になるような人は、著者が言う「グローバルな」人材が持つ素養を身につけているはずである。
    ただし、日本の多くの試験の問題は選択式問題であったり、事実関係の確認(知識を問う)出題の仕方ということ。やはり、自分の頭で考えたことを論述させるという訓練を積ませていくしかないん

  • ・グローバル社会に通用する人材となるためには、確固たる価値観を持っていたり、本物の教養をみにつけていることのほうが語学よりもはるかに重要です。私たち日本人にもっとも欠けていて、もっとも必要なのは「本質的な物事に関して、しっかりと思考し、自分なりの考えを持つこと」。そして、その「ブレない価値観をきちんと主張し、コミュニケーションを図れること」だと私は思います。

    ・教養とは「すべてを忘れたときに残るものであり、すべてを習った後にでも、なお足りないもの」と言われている。いかに豊富な知識を得ても、それを忘れてしまうことはあります。しかし、すべてを忘れてしまった後にでも、あなたの心に残っている信条や価値観、「あなたという人物を形づくっている軸」が必ずあります。それが「教養」です。裏を返せば、どんなに素晴らしい知識を学び、経験を積んだとしても、それだけではあなたの血肉にはなりません。自らの血肉とするには、知識や経験を十分に咀嚼し、思考し、取捨選択をし、再構成する必要があります。すなわちそうした時間の積み重ねが「すべてを習った後にでも、なお足りない」部分なのです。知識はとても大事ですが、それだけでは足りない。その知識や経験に対して、あなたはどう感じ、どう思考していくのか。この作業こそが重要です。

    ・海外のトップスクールでは、日本の入試とはまったく違い、知識よりもどこまで深い思考ができるかが問われます。

  • 楽しい!!

    まだ途中だけど!!ソクラテスの弁明 とか、ソクラテスの名前を高校時代に習ったきりの僕にとってはセンセーショナル!!

    無知の知!

    ぶっちゃけ超面白い。これはfavorite bookのひとつ!!

  • 「考える」きっかけを与えてくれる、もしくは考えるとはどういうことか、どのようにすればいいかということに触れる内容だった。
    実際、本書を読んで確かに普段そこまで意識して考えてないな、とか逆に考えすぎてよくわからなくなる!といった自分の中での発見とか考えることの楽しみを啓発された。ネットから情報取得するのもほどほどにして「自分で考える」という時間を持つべきだと感じた。

    あえて、ツッこむ点があるとすればタイトルの
    『ハーバード、オックスフォード・・・』の部分である。
    著者はハーバード、オックスフォードの出身ではない。この文字の根拠は時折投げかかる問の出典元がハーバードやオックスフォードの試験、というだけのようだ。
    だから”・・・”と少し申し訳なさそうな感じなのかもしれない。素直に『トップスクールが実践する考える力の磨き方』でいいのにとも思う。
    もちろんこの2校の名前が入るだけで売上が変わってくるということもあるのだろうが。

  • 実際に一流大学の入試に出された問題等を取り上げて、具体的な哲学者や政治学者の考えを例に思考するプロセスを提示してくれる。もう一度読んで自分の意見・哲学を掘り下げていきたい。

  • 今のグローバルな世界で勝負するには、自分で考え、判断し、行動することがいかに重要性かをとてもわかりやすく説いた良書。答えのない問いを、「認識」、「国家」、「自由」、「経済」、「科学技術と自然」の分野毎に問いかけてくる。各分野での偉人の考えも、びっくりするほどわかりやすく解説されており、私にとっては目から鱗の部分がたくさんあります。著者の理解力が高度であることがわかります。
    例えば、我思う故に我ありのデカルトの理解の仕方は、
    ①何でも疑う
    ②徹底的に事象を因数分解する
    ③簡単なものから複雑なものへと分析をすすめる
    ④もれがないかチェックする(ダブリも)
    と方法序説に書かれているが、このような西洋的な分析的な考えに対して、部分の総和は全体以上のなにかになるという東洋のホリスティック的な考えを並立させ考えさせるなど、理路整然とした構成で、すいすい読める。
    自由と平等、資本主義と社会主義など、解釈の仕方で様々な立場がとれる課題に対して、筆者と一緒に考えて行く事で、知的好奇心が刺激される一冊です。

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著者プロフィール

慶應義塾大学経済学部特任教授、Institution for a Global Society株式会社代表取締役社長、一橋大学大学院特任教授を兼任。
慶應義塾大学経済学部卒業、INSEAD MBA、HEC国際金融修士、筑波大学博士課程修了。博士(経営学)。
主な業績
 『AIとビッグデータは人事を変える』朝日新聞出版、2016年。
 『ハーバード、オックスフォード…世界のトップスクールが実践する考え
 る力の磨き方』大和出版、2013年。
 『なぜ、日本では本物のエリートが育たないのか?』ダイヤモンド社、
 2012年。

「2019年 『フィンテックの経済学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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