「笛吹き男」の正体 ――東方植民のデモーニッシュな系譜 (筑摩選書 240)

著者 :
  • 筑摩書房
3.20
  • (1)
  • (2)
  • (5)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 78
感想 : 5
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480017536

作品紹介・あらすじ

中世ドイツ・ハーメルンの「笛吹き男」伝説。一三〇名に及ぶ子供たちが突如消えた事件である。「東方植民」の視点から真相に迫り、ドイツ史における系譜を探る。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 伝説の本丸に攻め込む|筑摩選書|浜本 隆志|webちくま
    https://www.webchikuma.jp/articles/-/2939

    筑摩書房 「笛吹き男」の正体 ─東方植民のデモーニッシュな系譜 / 浜本 隆志 著
    https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480017536/

  •  阿部謹也『ハーメルンの笛吹き男』を読んだのはうん十年前のこと、伝説としての興味深さもあったし、中世ドイツの社会を丹念に追いかけるところが読み応えがあったとの記憶がある。

     本書は、「笛吹き男」は何者であり、また失踪した子供たちはどこへ行ってしまったのか、との謎を解明する前半部分と、ドイツ史を貫く東方植民運動、就中ナチスの東方植民政策に光を当てる後半部分とから成っている。

  • ふむ

  • ハーメルンの笛吹き男の実話を、中世ドイツにおける東方植民運動の流れの中発生した一事象だったとし、綿密な論証に読み応えがあった。笛吹き男たる植民請負人の存在と、そのリクルート活動の有様が描かれ、特に事件当日の描写は、謎に満ちた伝説のベールが剥がされていく様だった。ただ後半は東方植民の文脈で近代ドイツにまで話が及び、まるで別の本に。結果まとまりを欠く内容になったのは勿体無かった。

全5件中 1 - 5件を表示

著者プロフィール

1944年香川県生まれ。現在、関西大学名誉教授、ワイマル古典文学研究所、ジーゲン大学留学。ドイツ文化論、比較文化論専攻。
主要著作
『魔女とカルトのドイツ史』(講談社現代新書)、『ナチスと隕石仏像』(集英社新書)、『「笛吹き男」の正体』(筑摩選書)、『図説 ヨーロッパの装飾文様』(河出書房新社)、『現代ドイツを知るための67章』(明石書店、編著)、『ポスト・コロナの文明論』(明石書店)など多数。

「2023年 『ベルリンを知るための52章』 で使われていた紹介文から引用しています。」

浜本隆志の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×