隣国の発見 ――日韓併合期に日本人は何を見たか (筑摩選書 256)

著者 :
  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480017741

作品紹介・あらすじ

日韓併合期に朝鮮に暮らした日本人は、その自然や文化に何を見たのか。安倍能成、浅川巧ら優れた観察者のエッセイを通じて、朝鮮統治期に新たな光を当てる。

日韓併合期(一九一〇~一九四五年)の日本人のなかには、朝鮮の人や自然や文化を体験し、観察し、優れたエッセイを残した者たちがいた。谷崎潤一郎はその風景を「純然たる日本画の絵の具の色」と描き、柳宗悦や河井寛次郎は人々の生活ぶりに理想郷を見出した。新渡戸稲造が「彼等は実に有史以前に属するものなり」と断じた一方、安倍能成はステレオタイプと格闘した。植民地支配の産物として顧みられなかったこれらの作品を読み直し、日本人が発見した隣国の姿を浮かび上がらせる。

【目次】
第一章 朝鮮の山河
1 海峡を越えて
2 禿山と岩山
3 朝鮮の山河

第二章 隣国の発見
1 少年の日の思い出
2 大人たちの見たもの
3 白磁の美の発見 

第三章 もう一つの眺め
1 非好感の眺め
2 朝鮮人とはだれか

第四章 京城の歩く人
1 安倍能成の朝鮮エッセイ
2 浅川巧への惜別の辞 

第五章 旅する科学者
1 挟間文一と辺境の地への旅
2 挾間文一の日記
付録 挾間文一の日記
3 朝鮮に与えられ、また与えた人

感想・レビュー・書評

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  • 東2法経図・6F開架:221.06A/C53r//K

  • 結論がない。
    主張がよく解らない。
    当時の、K国を巡る、「エッセイ」の集約か。

    K国の自然や文化を讃える?内容も結構あってちょっと「驚いた」のだが、言ってる人達って、結構「文化人」で、平安時代の文化がまだ残ってるって、それって本当に褒めてるのか。列強が帝国主義的に植民地求めて弱肉強食争ってるときに。

    真っ白な衣装というが、染料がないから。

    著者の立ち位置はよく解らない。
    確か、K国人で、でも、「反日」には与せず、日本国籍取られたんだっけ。

    一部、よくある批判的というか、あまり褒めてないような文章も載せているのは良いと思うが、きっちり、「差別的」という単語も入っている。

    読み方で内容の変わってくる本だと思う。
    こういう国が、一生涯、幸せにのんびり生きていける世界だったらどれだけよかったか。

  •  日韓併合期の、朝鮮に関する日本人エッセイ集。後進的又は文化の差異として否定的に見るものもあるが、予想よりは多様だ。古代日本文化の片鱗を発見する、又は自然や芸術の美を見る等。朝鮮文化との接触を通じ日本文化を見返す、という内容もある。一つの「国」に対する見方だから当然だが、様々な見方があり、各エッセイはその筆者個人が見て感じた内容でしかない、と思わされる。

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著者プロフィール

鄭 大均(てい・たいきん):1948年岩手県生まれ。韓国系日本人。専攻は日韓関係論、在日外国人。立教大学、UCLA で学び、81年から95年まで韓国の啓明大学校外国学大学等で教鞭をとる。現在は東京都立大学名誉教授。著書に『増補版 韓国のイメージ』『日本のイメージ』『在日の耐えられない軽さ』(いずれも中公新書)、『在日・強制連行の神話』(文春新書)、『韓国のナショナリズム』(岩波現代文庫)、『韓国が「反日」をやめる日は来るのか』(新人物往来社)、『日韓併合期ベストエッセイ集』(編書、ちくま文庫)などがある。

「2023年 『隣国の発見』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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