芥川龍之介全集〈1〉 (ちくま文庫)

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  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480020819

作品紹介・あらすじ

全小説を6巻に収めた文庫版初の全集。「鼻」「羅生門」ほか24篇を収録。

感想・レビュー・書評

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  • 芥川龍之介が描いた「超ダークな平安時代」の迫力 | 日本人が知らない古典の読み方 | 東洋経済オンライン | 社会をよくする経済ニュース
    https://toyokeizai.net/articles/-/454891

    筑摩書房 芥川龍之介全集 1 / 芥川 龍之介 著
    https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480020819/

  •  読書力養成読書、4冊目。何人かの文豪の作品は、ちくま文庫の全集で買いそろえてあるので、これを読んでいきます。読書力読書としてカウントする冊数は、巻数に関係なく1タイトルを1冊とします(巻数のある作品はすべてこうカウントしていきます)。ずっと本棚に並んでいただけの文庫全集、この機会に全部読んでやろうじゃないの、と意気込んでおります。

     てことで、まずは芥川龍之介から。1巻に収録されている作品は、以下。
    老年
    青年と死
    ひょっとこ
    仙人
    羅生門

    孤独地獄


    酒虫
    野呂松人形
    芋粥

    手巾
    煙草と悪魔
    煙管
    MENSURA ZOILI

    尾形了斎覚え書
    道祖問答
    忠義

    世之助の話
    偸盗
    さまよえる猶太人
    二つの手紙
    全集なので制作順に収録されています。私はもともと、どの作家も処女作から順番に読んでいくのが好きなので、全集をこうして文庫で読めることがとてもうれしく、ありがたく思います。

     芥川龍之介、めちゃくちゃおもしろい! 時代や場所、語り手、文体、すべてがガラリと違う作品ばかりで、次はどんな話だろうとワクワクしながら読みました。しかもどれもおもしろかった。風景描写や心理描写が素晴らしく、過不足なく巧みに表現されていて、甚だ失礼ながら「さすが、やっぱり文豪は違う」と思わずにいられませんでした。

     名作といわれる作品は、よく、高校生くらいの若者に読むよう勧められます。多様な価値観があることを知り、感性を磨くために(まさに『読書力』で語られる〈自己形成〉のために)。もちろんこれには激しく同意なのですが、初読再読にかかわらず、大人になってから読むことも大事だと思いました。それまでの人生経験により、若いころには思い至らなかったような深い理解が得られますし、いろいろな角度から想像したり考えたりできるのです。

     私は「羅生門」や「鼻」を若いころに読んだことがありましたが、知識も想像力も未熟すぎて状況理解が足りず、結局どんな話だったか記憶が曖昧だったのです。しかし今回はまるで映像を見ているかのように状況が理解でき、登場人物たちの細かい心の動きまでよくわかりました。おかげで、くすっと笑えたり悲しくなったり憤りを感じたり切なくなったり、じっくり深く味わうことができました。とくに「偸盗」は格別に良かった! 血湧き肉躍り、涙が出ました。「仙人」もお気に入りです。

     この芥川全集は、全8巻。いろいろな本を楽しみながら、2巻以降もちょろちょろと読んでいくつもりです。他の文豪の全集も控えてるしね。ああ楽しみ。

     ただちと表紙がねぇ……。これをテーブルの上に置いておいたら、夫が「何この気持ち悪い表紙は⁉︎」とギョッとしていました。やっぱそうよねぇ。ちとコワイよね。1巻のイラストは「芋粥」の主人公らしいんだけど、私のイメージではこんなんじゃないし……。

  • ★3.5
    ユーモアのあるものや読み手に考えさせられるもの。

  • 十代の頃に主要作はほとんど読んだ芥川だが、再読して、どう感じるか、考えるか試していきたい。注が程よく付されており、内容を理解する上で助けになる。

  • 本当は角川で読んだけど入ってないからこっち。角川は表紙の天野さんの絵が好き。初期の芥川の作品は歴史題材が多くて、文の作りが精巧。

  • 彼との出会いは小学校のとき。『蜜柑』で惚れました。

  • 羅生門て、初めて読んだとき、よく意味がわからなかった。
    黒澤映画で見たときは、もっと意味わからなかった・・・(汗)

  • 全小説を6巻に収めた文庫版初の全集。「鼻」「羅生門」ほか24篇を収録。

    この本の目次
    老年
    青年と死
    ひょっとこ
    仙人
    羅生門

    孤独地獄


    酒虫
    野呂松人形
    芋粥

    手巾
    煙草と悪魔
    煙管
    MENSURA ZOILI

    尾形了斎覚え書
    道祖問答
    忠義

    世之助の話
    偸盗
    さまよえる猶太人
    二つの手紙

    「歴史ものなら『羅生門』『地獄変』『藪の中』
    童話風なら『蜘蛛の糸』『杜子春』『魔術』
    作文のお手本みたいな味わいの『蜜柑』『トロッコ』『沼地』
    ウィットを感じるなら『煙草と悪魔』『首が落ちた話』『戯作三昧』『鼠小僧次郎吉』『尾生の信』
    艶っぽいのは『お富の貞操』『葱』『好色』『世之助の話し』
    上質のユーモア『糸女覚書』
    古典的、男女関係の機微『秋』
    ひと理屈こねたい『侏儒の言葉』『河童』『或阿呆の一生』
    キリスト教に関心があるなら『西方の人』
    雑記なら『澄江堂雑記』

    芥川は、よくお勉強をして書いた作家であり、わかりやすい、型があって読みやすい本。「深みが足りない」「頭でこさえた小説で実人生の哀歓をとらえていない」などと評価されることもあるが、私は若い頃に芥川にめぐりあい、ほとんど全作品を読んでしまうほど楽しんだことをとても良かったと考えている。」
    (『短篇小説を読もう』阿刀田高 岩波ジュニア新書 2005)

  • 「羅生門」と「鼻」のみ読了。
    みんながやっているなら自分も、という心理をどす黒く描いた羅生門。
    ○○よりはマシ、と自分の中で折り合いがつけばいいんだよなとちょっと笑える鼻。
    鼻を持ち上げていた板なんて発想が面白い。

  • 2000.01.01

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著者プロフィール

1892年(明治25)3月1日東京生れ。日本の小説家。東京帝大大学中から創作を始める。作品の多くは短編小説である。『芋粥』『藪の中』『地獄変』など古典から題材を取ったものが多い。また、『蜘蛛の糸』『杜子春』など児童向け作品も書いている。1927年(昭和2)7月24日没。

「2021年 『芥川龍之介大活字本シリーズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

芥川龍之介の作品

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