- Amazon.co.jp ・本 (592ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480022370
作品紹介・あらすじ
途方もない頭脳の悪魔君が、この地上に人類のユートピア「千年王国」を実現すべく、知力と魔力の限りを尽して闘う壮大な戦いの物語。 【解説: 佐々木マキ 】
感想・レビュー・書評
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100分de名著「水木しげる」を読んで、手を出す気になった。子供の頃、テレビの実写版を夏休みの再放送でチラッとを見た記憶がある。エロエロエッサイムと呪文を説いたり、笛を吹いたらメフィストの頭から煙が出て、暑いとジタバタしているのは覚えているが、全体は覚えていない。
ウィキペディアで調べると「ハリスの旋風」が裏番組とあるから、そちらを見てたんだろうな。
本書はそのメフィストは出てこない。貧困も争いもない千年の王国をつくるという意思に貫かれている。
水木さんの絵は上手いんだか、下手なんだか、よく判らない。ファウスト博士や八仙人とかも登場。NHK読本にも怪奇幻想に詳しいとあったな。
当時の売れ行きが悪く、途中で無理やり終了とのこと。しかし、描くべきものは描き切っているようにも感じる。
最後に。表紙の悪魔くんの顔は、本文の漫画の顔と違うんじゃない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
悪魔くんはいくつかバージョンがあるのですが、これは松下一郎(小学校2年生)が主人公。「千年王国」とあるとおり、天才少年の「悪魔くん」が、悪魔を召喚して争いや不正のないユートピアを建設しようとするお話。
かなりシビアなお話で驚きました。
主人公の理想を純粋で美しいものとして描きつつ、一方で「千年王国」に対する疑問がヤモリビト(になりすました家庭教師=一般人)によって提示されます。
ラストはこれ以上は無いな、と思うような終わり方でした。
描いてあることは悪魔やらなんやらファンタジックですが、ストーリー展開は現実的でした。
面白かった。
2010/6/28 読了 -
社会風刺で ぐ
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この悪魔君は貸本版のリライトらしい。だとしたら当時オンタイムで読んでいたと思うのだが、新鮮で面白かった。他のバージョンも手に入れたくなったなぁ。
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エロイムエッサイム
我は求め訴えり
エロイムエッサイム -
初代悪魔くん。松下最高だ!あんなに鬼畜な小学二年生なのに、最後には「松下男前!」と叫びだしたくなる。水木先生は本当にすごいものを描いてくださった。
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水木しげる氏が描く悪魔くんっていう名前の漫画(乃至、主人公)は何種類かあるのだけれども、私はあえてこの千年王国に出てくる悪魔くんを一押しする!
ここに出てくる悪魔くんは「松下一郎」。いわゆる「一代目悪魔くん」。
彼は、一言で語り尽くせないほど色々なものを背負って生まれ、生きた。
その生涯は短いのだけれども、ものすごく私の心に食い込む。
12使徒が登場したり、「エマ エマ ラマ サバクタニ(神よ 神よ なぜ 私を見捨てたのですか)」というセリフがあったり、最後にはその使徒の一人に裏切られ殺されてしまったり。ものすごくキリストをなぞった描かれかたをされていて、「定本(貸し本版)」よりもまとまっているので読みやすいです。 -
ブクログ作りを勧めてきた友人がここを見て「頭良さそうでつまらん。もっとえろいのを!」と言ってきたので、とりあえず文庫棚にある本でえろそうなのを上げてみる。佐藤の松下に対する態度ってえろいよね…?
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ちょっと難しすぎるというのもあるけど、悪魔くんが性格悪くて、ホント『悪魔』くん、て感じだった。
で、悪魔くんなのに、ホントの悪魔は他にいるとか。
本物の悪魔は他にいるのに、『悪魔くん』ていうあだ名は笑うしかない。