シェイクスピア全集 (6) 十二夜 (ちくま文庫)

  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (201ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480033062

作品紹介・あらすじ

難破船から生き残ったヴァイオラは身を守るため男装して公爵に仕える。公爵の恋の使いで伯爵令嬢を訪れれば、何と彼女は男装のヴァイオラに一目惚れ。ヴァイオラは公爵が好きなのに…。この全員片思い状態、どうなる?十二夜。それはどんな馬鹿騒ぎも許されるお祭り騒ぎの日。こんがらがった恋の糸は、お手本のような、そしてどこか苦いハッピーエンドへ。

感想・レビュー・書評

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  • 十二夜ということばの意味は解説を読んで初めて分かった。クリスマスから12日目の夜。だから1月6日の夜になる。クリスマスから続く一連のお祝い事の最後の夜ということになるそうだ。しかし、このお芝居の中に、そんな話は読みとれなかった。私は本作品を悲劇か喜劇かどちらかというそんな基本的な事実も知らずに読み始めた。もっとも、悲劇でも喜劇でも下ネタは出てくるし、ドタバタはつきものだし、まあどっちでもいいかという感じだ。双子がすれ違うことでドタバタになるのは「間違いの喜劇」でも読んだ。これを舞台でどう扱うのかが興味深い。大地真央が1人2役でやるというのは適役なような気がするが、2人を別人が演じるとどうなるのか。ヴァイオラ 伊藤蘭 これもいい。でも、ここにセバスチャンの名がない。これはどういうことなのか。もともとセバスチャンに配役の略号が与えられていないのも不思議。それにしても、観客はこれを観てどう理解するのか。まあ予習が必要なんだろうな。でも、シェイクスピアの時代、予習もせずに観てどう感じるのか。僕はと言えば、本書を読みながらどうしても吉本新喜劇に思えてならなかった。シェイクスピアに失礼なのかどうかわからないけれど、もう、バレバレだけれど、観客もそれをわかった上で受け入れている。それを楽しんでいる。そんなふうに感じた。脚注を確認しながら読み進めると、誰に対して発せられたセリフかもはっきりしない場面もあるようだ。その解釈の仕方で、ずいぶん受け取り方も変わってくるのだろう。まあ、そういう細かい話は抜きにして、自分なりの受け取り方で楽しめばいいのだろうなあ。それにしても、この作品の登場人物はほんの一瞬で恋に落ちるのだなあ。僕なんかにはちょっと想像がつかない。最も印象深いセリフは「犬をやるからお礼に犬を返してくれ」というもの。こういうのを教養というのかどうかわからないが、いろんな知識があるとより楽しめるのだろうなあと思う。そして、道化の存在。これがどうも大きいような気がする。昔のお屋敷にはこういう人物が1人はいたのだろうか。それを、誰が演じるか。吉田鋼太郎は他の役も演じているが、道化ではないな。笹野高史とか生瀬勝久あたりはいいなあ。最初に坂田利夫か、と思ったら光夫だった。1954年だものなあ。まあ、知っている役者が少ないというのもあるけれど。こうやって誰が演じているのかを見るのもまあまあ楽しい。

  • シェイクスピアは翻訳がたくさんでてますが、個人的には松岡和子さんのか一番読みやすいです。

    十二夜。
    屋敷の主人に片思いする女の子(主人公)は、少しでも主人の傍に行きたかった。なので、とりあえず男装して小姓として遣えてみることにした!
    彼女の想いは届くのか。

  • 「難破船から生き残ったヴァイオラは身を守るため男装して公爵に仕える。公爵の恋の使いで伯爵令嬢を訪れれば、何と彼女は男装のヴァイオラに一目惚れ。ヴァイオラは公爵が好きなのに…。この全員片思い状態、どうなる?十二夜。それはどんな馬鹿騒ぎも許されるお祭り騒ぎの日。こんがらがった恋の糸は、お手本のような、そしてどこか苦いハッピーエンドへ。」

  • 言葉遊びが面白かった。単語の意味をすり替えて返す。このことが注訳に書いていたので、納得して、楽しめた。コメディとしてすごく面白いのに、あとがきであったように祭りの後の寂寥感も含んでいて、印象的な作品になった。
    おどけながらどこか物悲しいことを言うフェステのキャラクターが好きになった。

  • シェイクスピア喜劇の最高峰。すれ違う恋のベクトルに悶絶する珠玉のラブストーリー。+ドタバタコメディ?

    『間違いの喜劇』のような人違いによるトラブルと、男装した女性に恋をしてしまう誤りが交錯し、入り組んだ恋愛感情が緊迫感を生んでいる。特に主人公ともいえるオリヴィアのつらい心情には観客は同情をおぼえるだろう。状況が複雑な上にトラブルも重なり、やきもきする展開が物語を盛り上げる。それだけに、からまった糸がすべてほどけるラストの解放感、カタルシスは大きく、喜劇の醍醐味を存分に味わえた。

    オリヴィアの叔父トービーと求婚者アンドルー、侍女マライアによる執事マルヴォーリオへのいたずら。このサブストーリーによる笑い?が本作の雰囲気に独特の彩りを添えている。

  • 展開が早く言葉遊びが巧み。現代日本語訳では限界があって仕方がない。

  • ヴァイオラ(シザーリオ)大好き!

    公爵の「ひとつの顔、ひとつの声、ひとつの服、だが別々の二人!」はやっぱり名台詞だなぁ。
    お祭り騒ぎから正気に帰っていく感じが
    バシッと決まっててかっこいい場面。

    双子とはいえヴァイオラがセバスチャンとそっくりという設定が
    最初は中々イメージできなかった。
    しかし、ヴァイオラを「男装に違和感のない年長の少年女形」が演じていたと知って納得。

    マルヴォーリオも
    演じがいのありそうな美味しい役。

  • 読了

  • シェイクスピア作品の中でも、当初は名前を知らなかったが読むとやはり面白い。

  • 脚注が細かく、どうしてその訳に至ったのかが分かりやすい。字は小さめ。

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