TV魔法のメディア (ちくま新書 15)

著者 :
  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480056153

作品紹介・あらすじ

テレビへの恐怖と嫌悪はどこからくるのか。テレビは解放のメディアになりうるのか。テレビが生んだ新しい視覚文化をめぐるさまざまな論争、湾岸戦争のTV中継の深層などの分析を通して、「イ」の字を写し出した魔法の小箱から国境を越える巨大メディアに成長し、今またマルチメディア時代に向けて変容しようとするテレビの20世紀を眺望する。テレビの思想史の新たな試みである。

感想・レビュー・書評

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  • テレビというメディアをめぐる思想史の本です。

    著者はまず、テレビに対する批判が込められた筒井康隆の小説を取り上げて、そこに文化的保守主義と共通のテレビ観が潜んでいることを指摘しています。

    その後、ベンヤミンやマクルーハン、ボードリヤールといった思想家たちのメディア批判を取り上げ、20世紀においてテレビというメディアがどのような思想的な考察の対象となってきたのかをたどっていきます。

    さらに、日本の皇室をめぐる報道や、イギリスの王室関連のニュースの加熱ぶりを取り上げて、大衆社会論的な状況の中でのテレビの機能について考察をおこなっています。

    思想史的な内容の本なので、テレビをめぐる20世紀の思想を大まかにたどるには適している本だと思いますが、もう少し突っ込んだ考察が読みたかったという気もします。

  • [ 内容 ]
    テレビへの恐怖と嫌悪はどこからくるのか。
    テレビは解放のメディアになりうるのか。
    テレビが生んだ新しい視覚文化をめぐるさまざまな論争、湾岸戦争のTV中継の深層などの分析を通して、「イ」の字を写し出した魔法の小箱から国境を越える巨大メディアに成長し、今またマルチメディア時代に向けて変容しようとするテレビの20世紀を眺望する。
    テレビの思想史の新たな試みである。

    [ 目次 ]
    第1章 脅迫するテレビ―筒井康隆による「テレビ地獄めぐり」
    第2章 テレビ小史―誕生から発展まで
    第3章 メドゥーサの箱―20世紀思想史のなかのテレビ
    第4章 テレビ・バッシング1―1950‐60年代
    第5章 テレビ・バッシング2―1970年代以降
    第6章 触覚的メディアの現実―テレビ的日常性の構造
    第7章 ゆらぐ「現実」のなかで―ボードリヤールと湾岸戦争

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    [ 参考となる書評 ]

  • 石原千秋氏推薦。インターネット普及以前の日本のテレビ史については、これ一冊で大枠がフォローできる。(『教養としての大学受験国語』232頁)

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著者プロフィール

本名・長峰利造。1924年7月10日青森県北津軽郡生まれ。尋常高等小学校高等科卒業。1936年発病。1941年10月8日栗生楽泉園入所。1953年失明。詩集に『津軽の子守唄』(1988年 編集工房ノア)、『ぎんよう』(1991年 青磁社)、『無窮花抄』(1994年 土曜美術社出版販売)、『タイの蝶々』(2000年 土曜美術社出版販売)、『鶴の家』(2002年 土曜美術社出版販売)がある。『盲目の王将物語』(1996年 土曜美術社出版販売)。

「2002年 『ハンセン病文学全集 2 小説二』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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