- Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480056719
感想・レビュー・書評
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フーコーの生涯を著作を中心にまとめたもの。この本からすると著作そのものが簡単なようにも思える。でもこんなものではないと思う。
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真実はいつもひとつだとは限らない。コナンくんの名ゼリフが名ゼリフではなくなる本でした。
<以下ネタバレ>
この世の中にはいろんな「〇〇べき」論があるが、中には正反対で矛盾したものもある。どっちが本当なのだろうかと考えても答えが出ず、途方に暮れるばかり。しかし、フーコーによるとその状況を”ゲーム”だと考えて楽しめばいいとのことです。 -
■著者が扱っているメインテーマ
思考のエチカとは?
■筆者が最も伝えたかったメッセージ
社会が用意した真理に従うより、自分の欲望が実現される世界に目を向けて、
自己と社会を変えていこうという意志。
■学んだことは何か
本当の自由って社会や集団が用意した場所に従って生きることではなく、
自分の欲望と向き合い、そこを追求していける人生なんじゃないか? -
いっきに読んじゃいたかったけど、ちょっと間隔をあけて読んでしまったので少し内容を掴みづらくなった。個人的にはだいぶわかりやすいと思うけど、欲を言えば解説が実際に何を意味しているか分かる具体例がもう少し欲しいかも。
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真理という常識が、まなざしとしてある。生き方に不安になり、誰かに告白することで、「健常な世界」に頑なにしがみつく。疎外された自己は本当の欲望を隠す。「ありのままに!」。真理は個人それぞれがもっているのだ。
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【書誌情報】
書名:『フーコー入門』
著者:中山 元[なかやま・げん] (1949-)
シリーズ:ちくま新書
定価:本体820円+税
Cコード:0210
整理番号:71
刊行日:1996/06/19
判型:新書判
頁数:240
ISBN:978-4-480-05671-9
JAN:9784480056719
絶対的な〈真理〉(「真理」「ヒューマニズム」「セクシュアリティ」)といった様々の知の〈権力〉の鎖を解きはなち、〈別の仕方〉で考えることの可能性を提起した哲学者、フーコー。われわれの思考を規定する諸思想の枠組みを掘り起こす「考古学」においても、われわれという主体の根拠と条件を問う「系譜学」においても、フーコーが一貫して追求したのは「思考のエチカ」であった。変容しつつ持続するその歩みを明快に描きだす、新鮮な人門書。
〈https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480056719/〉
※小見出しルビは亀甲括弧〔 〕に示した。
【目次】
目次 [003-006]
序 現在の診断――フーコーの方法 007
ミシェル・フーコー年譜
第1章 人間学の〈罠〉 015
自己という謎/心理学の科学性/ヌエのような学問――心理学/人間の自由と実存――『夢と実存』序文/社会における疎外――『精神疾患と人格』/「真の心理学」のプロジェクトの破綻
第2章 狂気の逆説――『狂気の歴史』『臨床医学の誕生』 037
『狂気の歴史』への道/狂気の概念/監禁の時代/監獄――善の共和国/非理性という罪/狂気の動物性/監禁から解放へ/〈解放〉の神話/狂気の逆説/『狂気の歴史』の結論/心理学との訣別/まなざしの考古学――『臨床医学の誕生』/〈種の医学〉/規範としての医学/死のまなざし/個人を対象とする科学の誕生/臨床医学の位置
第3章 知の考古学の方法――『言葉と物』『知の考古学』 065
考古学と歴史的な条件/第二次世界大戦後のフランスと歴史主義/構造と歴史/『言葉と物』の目指すもの/認識の知の枠組み/中世のエピステーメー/博物学/生物学の誕生/一般文法/言語学の誕生/富の理論/経済学の誕生/人間の誕生/人間科学の誕生/人間の終焉/『言葉と物』の方法論/歴史の目的性の批判/ディスクール、エノンセ、アルシーヴ、知/新たな方向性
第4章 真理への意志――『監視と処罰』 123
フーコーと一九六八年五月/ニーチェの系譜学/真理への意志/真理と権力/権力の概念/フーコーの権力論の変貌/従順な身体/主体の形成の技術――試験/パノプティコン/魂から身体へ
第5章 生を与える権力――『知の意志』 149
権力モデルの転換/性の問題化/告白する動物/性の科学/性のテクノロジー/性の装置/生と優生学/欲望の理論の可能性
第6章 近代国家と司牧者権力 171
「理性の逆説」 生-権力の逆説 〈人権〉の原理 純粋さを目指す戦争 統治性のプロジェクト ポリス/ポリツァイ 国家理性〔レゾンデタ〕 司牧者権力 統治性のプロジェクトの結論
第7章 実存の美学――『快楽の活用』『自己への配慮』 197
統治性プロジェクトの袋小路/『快楽の活用』――古代ギリシアの道徳/性の欲望と自己の統治/若者のアンチトミー/『自己への配慮』/道徳的な自己の吟味/キリスト教の自己の解釈学/統治性のプロジェクトの新しい結論
終わりに 真理のゲーム 225
生-権力への抵抗の拠点/真理のゲーム/パレーシア/自由の哲学
注 [233-236]
あとがき [237-238] -
「1968年5月の思想家」フーコーの入門には最適……という評判だけど、それでも難しいよ(;´Д`)
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基礎的なワードを丁寧に説明してくれ、入門書としてとても良かった。
また、初期から後期への思想の変遷と、その中で一環した目的など、よくこんだけ綺麗にまとめたな、、という本。
生権力に対して、抗うことは可能なのか。
「真理のゲーム」を続けなければいけない。 -
フーコーの足跡をたどるための一冊。
非理性という罪、人間の分裂、歴史の目的性と進歩、生かす権力と殺す権力などなど、これまで「監獄」以外ではあまり触れることのなかったフーコーの思想について理解することができた。
もっと強い刺激を受けても良いような内容だったが、あまりそうした面を強調しすぎず、あくまでフーコーの思想を淡々と追って行く内容で、これはこれでよかったのかも。 -
フーコーは『監獄の誕生』について少し知っている程度だったが、権力という一貫した主題をもって、考古学や系譜学といった考えや、装置などの基礎的な概念を知ることができた。とてもわかりやすく、おもしろい。次は実際にフーコーの著作を読んでみようと思う。