フットボールの文化史 (ちくま新書 153)

著者 :
  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480057532

作品紹介・あらすじ

いまや世界的なスポーツになったサッカーとラグビーの始まりは、紀元前にまでさかのぼることができる。中世に入るとキリスト教と深い関わりをもつようになり、それは民俗フットボールとよばれた。それがパブリック・スクールの教育システムに組み入れられることによって、ルールが整備され、大英帝国の建設とともに世界に広がっていく。英国社会の鏡像としてのフットボールの歴史を、エピソード豊かに物語る。

感想・レビュー・書評

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  • サッカーとラグビーの基となったフットボールに関して、前史から、パブリックスクールにおける展開、FA誕生による分裂、「プロ」と「アマチュア」の誕生までを通時的に明らかにしたもの。
    所々引用元が不明であったり、ハッキリとしない表現も見られるが、通時的な理解を得るにはちょうどいい本だと感じた。

  • サッカーとラグビーの2つのスポーツがどのように生まれ発展してきたのか。 イートンとラグビーの2つのパブリックスクールを中心にルールが統一されていったということはかねてから聞いていたことでしたが、どちらかというとイートンが上流階級でラグビーが新興中産階級。それが現在ではサッカーが大衆、ラクビーがエリート階級のスポーツと逆転していったという歴史は興味深いです。産業革命社会でエリート層が労働者階級の不満をそらせ、運動不足解消のためにサッカーを進めていったということは、まんまとその策に乗った「私」もそうだ!と思わされました。もともと苛めの目的で乱暴が前提で行われていたスポーツが、1830年代からは紳士のスポーツとして教育目的で展開していくという歴史もおもしろいですね。パブリックスクールといいながらも、いかに野蛮な連中だったかを改めて知らされました。

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著者プロフィール

上智大学文学部英文科教授、英国フットボール史専攻

「2004年 『サッカー文化の構図 熱狂の文化装置論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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