戦後の思想空間 (ちくま新書 166)

著者 :
  • 筑摩書房
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480057662

感想・レビュー・書評

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  • オウムに始まり、戦前・戦後・戦後後と語っていき、思想の流れを読み解く本書。決して簡単ではなく、中盤の「経験可能領域」あたりで訳がわからなくなりました。

    ですが、思考方法として、この本から学ぶことは沢山あります。
    ウルトラマンやエヴァンゲリオンまで持ち出して現代思想を読み解いていこうとする試みは、とても面白いと思います。

    大正天皇に世俗性をおく考え方というのは賛否両論あると思いますが、思考方法としてはありなのだと思います。とても興味深い。

    「二十世紀は、とりわけその後半は、冷戦の時代でした。冷戦というのは、仮想的なままに終わった第三次世界大戦です。この対戦に関して重要なことは、これは、最後まで基本的には仮想的なままだったということ、つまり大規模な武力衝突を伴わずに終わってしまったということです」(p235)

  • 「戦後思想」を主題とした3回分の講演会の内容を加筆修正したもの。
    内容は戦後思想がチャート式のようにまとまっているわけではなく、雑多な感じ。

著者プロフィール

大澤真幸(おおさわ・まさち):1958年、長野県生まれ。東京大学大学院社会学研究科博士課程修了。社会学博士。思想誌『THINKING 「O」』(左右社)主宰。2007年『ナショナリズムの由来』( 講談社)で毎日出版文化賞、2015年『自由という牢獄』(岩波現代文庫)で河合隼雄学芸賞をそれぞれ受賞。他の著書に『不可能性の時代』『夢よりも深い覚醒へ』(以上、岩波新書)、『〈自由〉の条件』(講談社文芸文庫)、『新世紀のコミュニズムへ』(NHK出版新書)、『日本史のなぞ』(朝日新書)、『社会学史』(講談社現代新書)、『〈世界史〉の哲学』シリーズ(講談社)、『増補 虚構の時代の果て』(ちくま学芸文庫)など多数。共著に『ふしぎなキリスト教』『おどろきの中国』(以上、講談社現代新書)、『資本主義という謎』(NHK出版新書)などがある。

「2023年 『資本主義の〈その先〉へ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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