プロ教師の見た教育改革 (ちくま新書 384)

著者 :
  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480059840

作品紹介・あらすじ

教育改革をめぐる議論はとても分かりにくい。というのは、これまで教育問題は、伝統的な「つめ込み」教育と、「子ども中心の自由放任」との対立に二分されてきたが、それが解消されないまま、国民形成を重視する「教え込み主義」かグローバリズムを背景にした「教育の自由化」かが、より大きな争点として浮上してきたからである。混迷を深める改革論議を生徒・教師・親という教育の現場から整理し、いま実現可能な改革を考える。

感想・レビュー・書評

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  • 新しい学力感の否定を色んな観点から否定した1冊。
    なんか難しい言葉を無理やり使ってる感じで分かりにくかった。
    日本語は目的語が曖昧で、議論がなあなあで終わる。教師も西洋的価値観を絶対視してる割に、その意見は個人内で神話化してなあなあにしてるじゃんというのは面白かった。
    幸福度や経済成長率で見てたら西洋的価値観の教育のが良さそうに見えるけどなあ


    文部科学省の転向
    新しい学力感とは 個の選択に任せる 知識か創造性かの二項対立
    子供の学ぶ意欲 観念上の子供と現実に生きる個々の子供の分離 大人の一方的なもの

    教育改革論の原点
    個の尊重 学校は文化性を内在させている所で変わりにくい体質 偏差値排除 推薦入試
    選択科目 子供は完全な主体では無い
    チャータースクール ヤマギシ会 個の尊重神話 強迫神経症

    ゆとり教育の限界
    学校の秩序維持より生徒の利益 契約性の薄い日本文 法的には出席日数で卒業は関係ない
    3割減のねらい 平均的市民のミニマムエッシェンシャル 身構えが軽くなる
    子供と先生の客体と主体性 教師が教える以上主語は教師 大人と子供とは違い、生徒は一時的なありようとしての存在
    心の教育は公教育の対象? 神のみ? 受動的能動性こそが至高
    完成された近代的自我を形成するのが任務 実態ではない上に不確定
    選択授業制 自己責任 既に自立しているかの如く
    公と私は分離できない 私の原型は、公によって私以前の私が衝撃を受けて出来る 公共的な個が成立していない

    教育改革の中心と周縁
    歴史の終焉から文化の衝突へ フランシスフクヤマ 最終的に西洋的自由民主主義的な国に ハンチントン 異なるものの衝突
    日本は西洋主義的教育へ 昔は共同体からの個人
    知的階層と非知的階層と中間層に教育が分ける

    教育の自由化とは何か
    中国から西洋中心に 日本は第二世界 第一世界が普遍
    911を巡って アメリカ絶対主義と相対主義

    平均的な教師の生活と意見
    日本の教師は上澄みだけ西洋であとはジャパンローカル 普遍が絶対的
    議論は道義的非難のレベル 私の中に公がない
    日本語は他動詞がない 責任の明確さを曖昧に
    先生の根拠は啓蒙主義 教える主体

    21世紀の学校はどうなるか
    寺内研批判 人間本来の姿 とは 西洋近代絶対普遍原理主義者
    教育は誰のもの? 家庭 地域 学校 情報メディア←New!経済的人間である個人をわすれてた



  • [ 内容 ]
    教育改革をめぐる議論はとても分かりにくい。
    というのは、これまで教育問題は、伝統的な「つめ込み」教育と、「子ども中心の自由放任」との対立に二分されてきたが、それが解消されないまま、国民形成を重視する「教え込み主義」かグローバリズムを背景にした「教育の自由化」かが、より大きな争点として浮上してきたからである。
    混迷を深める改革論議を生徒・教師・親という教育の現場から整理し、いま実現可能な改革を考える。

    [ 目次 ]
    第1章 文部科学省の転向
    第2章 教育改革論の原点
    第3章 「ゆとり教育」の限界
    第4章 教育改革の中心と周縁
    第5章 教育の自由化とは何か
    第6章 平均的な教師の生活と意見
    第7章 二一世紀の学校はどうなるか

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著者プロフィール

1941年千葉県生まれ。東京教育大学文学部卒業。埼玉県立川越女子高校教諭を2001年に定年退職。「プロ教師の会」名誉会長。作家。著書に『オレ様化する子どもたち』『いじめ論の大罪』『尊敬されない教師』など。

「2020年 『学校の「当たり前」をやめてはいけない!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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