山口組概論―最強組織はなぜ成立したのか (ちくま新書)

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著者 : 猪野健治
  • 筑摩書房 (2008年12月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (266ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480064639

山口組概論―最強組織はなぜ成立したのか (ちくま新書)の感想・レビュー・書評

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  • とても面白い。
    ・戦後30名ほどしかいなかった山口組がカリスマ的田岡組長のもと組織化されていく過程
    ・マフィアと異なる任侠としてのヤクザ
    ・被差別者の受入先としての機能
    ・芸能界や港湾事業との深い繋がり
    ・港湾労働者の労働基本権確立のために果たした役割
    ・阪神大震災等の被災者援助
    等の暴力団の黒いばかりでない側面が、ヤクザ・抗争の歴史、各歴代の組長の個性とともに描かれ、非常に興味深い。反暴力団的立場で書かれた溝口敦の「暴力団」を読むのであれば、こちらも読むべきだ。著者渾身の一冊である。

  • 新書文庫

  • 日本最大のやくざ 山口組の歴史を通し、やくざとは何か、やくざが担ってきた役割、そしてやくざが亡びたときの日本の未来を描いた一冊。

    被差別部落出身者、在日朝鮮人、前歴者といった社会のはぶれ者を受け入れてきたやくざ組織。彼らが自暴自棄になってより凶悪な犯罪を起こすのを防いでいたのがやくざである。
    歴史をさかのぼれば体制側もやくざを利用してきた。

    やくざの締め付け、排除が進むことにより、犯罪のアングラ化を促進。体制側の狙いとは逆になっているように思う。

  • 大分裂のタイミングで読了。本書で語られる六代目が目論む幕藩体制方式は失敗だったのでしょうか?でも、きっとまだまだ物語は続いていくはず。例えば今回は出ていった側も神戸山口組と名乗り、おなじブランドに固執しているのは山一抗争の時、結局、山菱の代紋が勝つ、という歴史の教訓があるからなのかな…と思ったり。過去を原因とし、新たな抗争を今日も生み出し続ける暴力のクロニクル。ただ三代目のカリスマが完璧であればあるだけ、失われた輝きへの憧憬にも見え、組織暴力の挽歌は始まっているのかも。たぶん、残るは個人バラバラに潜在化する見えない暴力でしょう。

  • 太鼓持ち本。ヤクザがヤクザ稼業ではなく正業を持つことの意義はまあわかるけど、それも暴力団と繋がりがあることを活かしているようで、それなら他の暴力団と比べてましという主張はまあできうるが、それ以上の正当化を目指しているようでいやはや。

  • 経緯が主で組織論がなく残念

  • 三代目田岡さんはとにかくすごいことが分かった。
    やくざ社会の変質、社会構造との関係あたりが興味深い。やくざと格差社会。
    どうしたら暴力団はなくなるのか。追い詰められた者の最後の拠り所だったかつてのやくざ組織がそれを受け入れられなくなっていくと、、、福祉が受け入れられたら良いのは当たり前だけど。
    犯罪は、ないのがいちばん、暴力団をどうするかだけに問題はとどまらないけど、やくざ組織という観点から問題を考える視点も、もっとスポットがあたるべきでありそう。

  • 山口組の歴史がわかります。
    今の山口組は実質田岡組である。
    弁当持ち=公判待ち
    勲章持ち=前科あり
    ヤクザになる人は大きく分けて3つ
    被差別部落、在日、貧困

    日米安保まではヤクザは治安維持を担っていたが東京オリンピックを前にして暴力団として取り締まられる立場になった。
    米国の圧力などにより暴力団に対する制限が厳しくなってきている。

    法で全ての組を解散させるとしても組がなくなれば構成員たちは社会に溶け込む(堅気の仕事につく)、個人で犯罪を犯し生きていく、死ぬのいずれかになる。
    仕事につければ問題はないがヤクザになる人はもともと社会の弱者が共に助け合い生きているという側面もある。
    また、元ヤクザや前科ある人を社会がすんなり受け入れるとも思えない。
    そうすると組内の掟もなく犯罪をすることになり凶悪化するか死ぬしかない。
    ヤクザを単純になくしたところで社会から差別や貧困がなくなるわけではないので社会の安定性を考えたら必要悪としてヤクザがあるのも合理性はあるんだなと思いました。

  • 著者のスタンスの偏りは感じるけれど、まさに「概論」としてわかりやすくまとめられていて、その一端を垣間見ることができた気がする。

  • 山口組だけでなく、極道の歴史がよくわかる一冊。

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山口組概論―最強組織はなぜ成立したのか (ちくま新書)の作品紹介

やくざ人口八万人のうち、約半数が山口組系である。熾烈を極める警察の取締まりのなか組織は揺らぐことがない。そもそも、やくざはなぜ存在するのか?山口組とは何なのか?神戸の小さな組が最強軍団に成長した背景とは?山口組九〇年の歴史をたどることで日本社会の深層をえぐりだす。いま格差社会の波と暴対法下の重包囲網をまえに、山口組は少数精鋭化への道を歩み始めたともいわれている。巨大組織の歴史と現在、今後を展望する。

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