- Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480065742
作品紹介・あらすじ
嗜好品は古くから見出され、追い求められてきた。酒、煙草、お菓子。コーヒー、お茶、チョコレートなどのカフェイン。これらの多くは稀少品であったが、資本主義の発展とともに、大衆消費品となっていく。この過程をたどると、快楽と癒着した歴史が浮かび上がり、欲望の形が明らかになる。なぜひとは嗜好品を求めるのか?それを快楽とするならば、快楽とは何なのか?嗜みとつき合うための技術と経験とは?人文学と科学の両方の知見を援用しながら、生命の余剰とでもいうべき嗜好品を考察し、人間の実存に迫る一冊。
感想・レビュー・書評
-
自身の体験と人類の歴史や文献、さらに化学的作用まで幅広く行き来しながら嗜好品を考察する。
まずは煙草から。「本当に身体に必要なのかというのとは別のところで快感/快楽を感じる志向/嗜好する」ものとして、また、戦争時の交換の媒介物としての機能など嗜好品のありようを考える。
次に甘いものと人間のかかわりを小説やエッセイ、さらに聖書から、また、化学的作用から見る。
そして、砂糖が大衆化する歴史。輸入砂糖により明治以降お菓子が普及した日本が、砂糖欠乏時に工夫したこと、人工甘味料の開発など、甘さという快楽が抑えがたい欲望となっていることがわかる。
最後に肥満。米国の死刑囚が最後の食事として何を求めたのか。そのジャンクフードな内容と大量具合が並べられ、日本ではわからない海外の肥満の現状が描かれる。貧困者はカロリー優先で食べるために肉中心のジャンクフードばかりになるのが通例のようだ。
外食産業や加工食品巨大資本による、一般的に思われている米国の肥満の原因がより具体的に書かれている。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
身体
-
色んな快楽物質や嗜好品について書いた一冊。
学術的なことも書いてあるけれど、著者のエッセイという感じがした。 -
フライドチキンは奴隷料理
-
科学的な話になると読みにくくてかなわん。味蕾の説明でうんざりした。二章はまるっといらんかったんじゃないかな。
-
嗜好品、つまり無駄なものへの哀惜の詰まった本。質感のあるうまい文章がところどころに見えて、へたくそな小説を読むよりも、心が幾度か揺り動かされた。章立ても凝っていて興味深いのだが、調べたことを羅列しているだけで、言いたいことがやや不明瞭なのが難点。どんくさい生き方をしてきて人なのかしら、と、何か親近感が湧く。いずれにしても、今だこういう書き手が存在するということはとても貴重なことだ。
-
第5週 2/8(水)~2/14(火)
テーマ 「食」
↓貸出状況確認はこちら↓
https://opac2.lib.nara-wu.ac.jp/webopac/BB00172279 -
砂糖の歴史について多く書かれてる。
-
読みたいけど題名からして否定的なニュアンスなので迷い中。